この休みは<十日えびす> と <成人式>で世間は賑わいました。
私も例年どおり<京都えびす神社>に詣でてきました。昨年からの景気の低迷で、多くの人から仕事が激減したと聞きます。暗い話が多いだけに、今年のえびすさんの役目は大きいはず?
笑う門には福来るという言葉がありますが、えびすさんのふくよかな顔は、幸せを運んでくるようですね。社会状況が良くないだけに、できるだけ笑顔でお客様に接したいと思っています。
京都えびす神社
笹飾りのえべっさん
なぜか東映女優が笹の授与?
最近、便秘を漢方で改善したいという問い合わせが、結構よせられています。
わたしが対応すると、便秘こそ漢方をお勧めしますと答えます。というのも、来店されたほとんどの方が便秘を解消または改善されているからです。それには理由があります。
漢方には便秘に使う漢方薬の種類が多いこと、西洋医学とは別に便秘の原因を分類、弁証して的確に薬を選ぶことができることにあります。
一方、病院に通われている方やドラッグストアで便秘薬を買われている方はたいてい、大腸を刺激する下剤(アローゼン、コーラック等)、便を軟らかかくする下剤(酸化マグネシウム等)、整腸剤(乳酸菌、ビフィズス菌等)、グリセリン浣腸などを使われているのではないでしょうか?これらを使って正常な硬さの大便が1日1回でも出ていれば良いのですが、下剤で無理やり出し、しかも出るときはいつも下痢気味で腹痛ありという方はお薬が体に合っていないと思われます。
そんな方に漢方薬をおすすめすると、腹痛も無くちょうどよく便が出るようになります。
もちろん、水分摂取、適度な運動、食物繊維の摂取等は必要です。また、便秘の程度によっては乳酸菌と食物繊維を取るだけで改善できるケースもありますので、ご相談いただければと思います。
中医学的に、便秘を簡単に分類すると、
① 腸に熱がこもっているタイプ
② 腸が緊張して正常に動いていないタイプ
③ お腹に力が入らなくて便を出すことが困難なタイプ
④ 体質虚弱で貧血傾向のタイプ
⑤ お腹が冷えているタイプ
自分の体質が上記のタイプに合致する方は、ぜひ一度漢方をお試しください。
中医学の治療法に「通因通用(つういんつうよう)」という言葉があります。
たとえば、下痢しているとき、さらに下するものを使って下痢を起こさせ、下痢の原因となる邪(害)を除くときに使います。
その後は、速やかに下痢は治まります。西洋医学でも細菌性の下痢のときはむやみに下痢止めを使用しないことを指導しているのも同じことだと思います。ただ、世の中には「不都合な症状が現れたらすなわち誤治(誤った治療)である」とする意見と、「不都合な症状が現れたらすなわち瞑眩である」とする意見があるようです。
個人的には、服用前に一時的な症状悪化が現れる可能性がある旨を事前に説明していれば「瞑眩」であるし、事前説明がないのに一時的とはいえ症状が悪化したら「誤治」である可能性が高いと思っています。
解釈の仕方は人それぞれですが、やはり漢方薬を服用するときは漢方を専門としている人に相談してからの方が誤解なくより安心して服用することができると思います。
ここ数週間お腹の調子が悪いわたし。
お腹がグルグル鳴る、お腹が張る、腹痛。放屁等の症状。自分なりに弁証して漢方薬を選んでみると、「香砂六君子錠」があっていると判断し飲んでみました。漢方でいうところの「痰湿」をとる目的です。
実際、飲み始めるとお腹はさらにグルグル鳴って頻繁にトイレに走ることになった。むきになって飲み続けると、2日目ぐらいからはまったくお腹が張らず、グルグル音も出なくなりました。今思えば、予想通りとはいえトイレに走ることになっても漢方薬を止めずに飲み続けて良かった。あそこで止めていたらその後の改善は見込めなかったからです。その後は少量を続けて飲んでお腹も快調です。
漢方には治療中に一時的に病状が悪化し、その後に完全に回復するような状態を瞑眩(めんげん)と呼びます。
今回の例では、胃腸の「痰湿」の邪(害)を出し切る必要があるために一時的な症状の悪化が起こったのです。
52歳のTさんは入院されたのをきっかけに、胆石があることがわかりました。
大きいものは2センチ近く、数も5~6個とのことで、右腹部に鈍痛がありましたが、病院ではしばらく様子を見ましょうとのことでした。それでも心配になり相談に来られました。
体格はやや肥満傾向で、脂肪肝があり、胆石の痛みの改善に加え、少しでもダイエットを考え、<防風通聖散>や、<大柴胡湯>をお使いいただきました。
またお茶は<裏白樫>や<金銭草>に変えていただきました。飲み始めてからは鈍痛が軽減しはじめ、3ヵ月後の検査では胆汁の流れがよくなっているとの診断結果を報告いただきました。
大きい胆石が小さくなるか否かは不明ですが、自覚症状がなくなり、このまま続けていただくことでよい結果が出るものと思っています。
冬の時期は乾燥しやすく、皮膚の痒みの相談も多くなります。
26歳の女性Kさんはもともとアトピー体質でしたが、今年になってから首や腕の痒みが酷くなり、相談に来られました。特にお風呂に入って温まった時に、患部が赤くなり痒みがます、それ以外のときは乾燥が強いとのことでした。
そこで漢方薬は<荊芥連翹湯>や<当帰飲子>をお使いいただきました。
2週間後お越しにおなり、赤みも痒みもずいぶん軽減して楽になったとのことでした。また、合わせて生理痛も普段より楽になり良かったと報告をいただきました。
主に皮膚病に使う漢方薬であっても、今回のように血流をよくする作用もあり、結果として他のトラブルが解消するケースは多々あり、漢方薬は幅広い効果をもたらすのが特徴です。
そこで病院でカテーテル治療を受けようとしたのですが、頻拍が起きている部位が手術出来ない部位で、またアレルギーのために薬も使えない状態でした。そのため、心房細動が起きそうなときに頓服として血管拡張剤をもらっておられましたが、睡眠不足やストレスで発症するため漢方相談に来られました。
今年も初詣では京都市の南にある、方除けの大社、城南宮に行ってきました。
今年は寅年にちなんで、初詣の記念に<白虎>の絵葉書をいただいてきました。
白虎は四神の一つであり、ご存じの通り、北は玄武、東は青竜、南は朱雀、西は白虎、の4つの神獣がそれぞれの方角を守ると言われています。この陰陽五行の考え方は、東洋医学・漢方理論の 基本となっていて共通するものです。
また漢方では以前は虎骨が筋骨を強め、止痛効果があるとして使われてきましたが、現在は動物保護の立場から禁止されています。
本来「寅」の意味は<伸びる>という意味で、草木が生ずる状態を表していると言われますが、虎のように元気で力強い1年でもありますようにと祈願してきました。