ゴボウシの効果
昨日の続きで、当店でよく使うものに<牛蒡子>があります。
生薬<牛蒡子>は字の通りゴボウの種ですが、その成分には利尿作用や抗真菌作用があります。漢方処方では風邪などによる熱を発散させる作用や、扁桃炎などに対する解毒作用、湿疹では清熱解毒作用を利用します。
ここまでは従来の使い方ですが、それ以外にも産後の乳汁分泌の悪い方が求めてこられます。特に乳腺が詰って乳汁分泌がうまくいかない場合や、乳腺炎で乳汁が滞留している場合に昔から牛蒡子が使われています。
乳汁分泌不足の場合は<蒲公英根:タンポポの根>を合わせて煎じる方法も以前から行われています。
当店でもたくさんの方に使っていただきましたが、効果は上々です。赤ちゃんにとって大切な自己免疫がつくられる時期は、しっかり母乳をあげてください。元気な子供になる第1歩を大切にしてください。
この話は特定の方だけに関係するものですが、お困りの方があれば教えてあげてください。
子供の風邪
これから寒くなるにつれ子供の風邪も増えてきます。
風邪の原因はウイルスによるものが9割、細菌によるものが1割と言われます。ウイルスによるものには抗生物質は全く効かず、細菌によるものは抗生物質をうまく使えたときだけ効果があります。つまり、風邪にかかったとき抗生物質を必要とする子供は実は1割以下なのです。但し、他の感染症を予防するためにほとんどの医師は抗生物質を使います。
ということはウイルスによる風邪は、安静にして体力を消耗しなければ自然治癒するものなのです。要は体力があれば感染症は防げますで、病気になる前に体力をつけて予防をすることが大切です。
さらに、中国では板藍根がよく使われますが、日本ではハーブティがあり、うがいやお茶として手軽に使え、これからの季節にオススメです。
「ガンを治す」の話を聞きました
「ガンを治す 人生を癒す」という講演を聞きました。講演された方は、NPO法人 ガンの患者研究所の川竹さんです。
人間、絶好調の時に病気にかかりやすい反面、忙しいために見逃してしまいがちです。仕事が忙しい時というのは帰る時間も遅く寝不足気味ですし、接待などあればお酒も沢山のみ、油っぽい物を好んで食べます。つまり心・ストレスの乱れ、食事の乱れ、ライフスタイルの乱れという原因から「ガン」という結果を生み出してしまうのです。
さて、「ガン」と宣告されてしまったらどうしますか?ここでは「神様のメッセージ」として生活を変える最後のチャンス、最終警告と考えるそうです。
ガンになっても、これからどうやって生きていこうかと考える時間はあります。自分にとって嫌な事や悪いことを思い切って切り捨て、気持ちの良いことだけ選んで楽しんでやることが体にプラスに働くことも多くあります。そして廻りで治った人がいたら
「あの人は特別・・・・」ってマイナス思考ではなく!
「あの人が治ったのなら私だって!!」というプラス思考でいきましょう!
というものでした。
また、あるTVで、ガンの方が、登山をご主人と始められてから夢中になり、気が付いたら進行が止まっていたという話も聞きました。
自分の人生を改めて見直し、今までやりたくても出来なかった事にどんどんチャレンジし、プラス思考の自分を持つことが大切なんですね。
当店でもガンの相談に来られる方が沢山おられます。是非、参考にさせて戴きたいと思います。 (カク 記)
子供の睡眠時間
中医小児科学での子供の睡眠時間は、<6ヶ月~12ヶ月は15~16時間> <2~3才は12~14時間> <4~6才は11~12時間> <7才~は9~10時間>となっています。小学校高学年でも、8時間の睡眠は必要と思います。
しかし、大人の生活時間が夜型になり食事が遅くなったり、学習塾では10時に終了し、家に帰ると11時前という子供さんもおられます。学校の始まり時間は固定していますから、慢性的に睡眠不足の子供が増え、発達に影響を与えるのではないかと心配します。
カリフォルニア大学では、子供の睡眠時間と学業成績の関連を研究し、睡眠時間だけでなく良質の睡眠をとることで、良い結果を得られるということが発表されています。それもトータルで8時間眠っているということでなく、規則正しい睡眠習慣が大事なのです。
お子様の学習成績を上げたければ、睡眠時間をしっかりとることを考えてみて下さい。心身の正常な発達のためにも大事なことなのです。
子供もストレス病
最近の小学生は、塾やスイミングや習い事などで忙しく、さらに学校の休みが増えた分だけ行事が過密化して、ストレスがますます増える傾向にあります。最近というより、もっと前からと言ったほうが正しいかも知れませんが、ますますその傾向は強まっていると思われます。
そのため、大人に起こる症状が、子供にも及んで来ています。例えば、不眠、疲れ、食欲不振など、以前ではあまり考えられなかったことです。子供に強い薬や西洋薬は継続的には飲ませたくないとして、今日もお母さんが相談に来られました。
7歳の男の子、8時頃に寝る準備をするが、11時ころまで寝られない、そのため朝が起きにくく、どうにか起きたものの朝食は食べたくない、そして体がしんどいということでした。神経が休まることがないために起こる不眠と考え、肝気を抑える<抑肝散>を使っていただきました。
漢方薬Yのように、従来から主として子供に使われる漢方薬がいくつかありますので、順次紹介していきます。
夜間頻尿
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、本当にピッタリ涼しくなりました。
朝夕涼しくなって急に問合せが増えた症状のひとつに、夜間頻尿があります。今まで暑かったので水分をとる量も習慣的に多く、また冷たいものを飲む習慣の方も多いと思いますが、彼岸を境にして生活を変更する必要があります。
70歳女性のTさん、急に頻尿になり、夜間は1時間ごとにトイレへ行くことになったがどうなったのだろう?と心配してのお問合せがありました。少し細く体重は40kgに満たず、外気の変化をすぐに受けてしまうタイプの方です。
まずは体を温めること、冷たい水はやめて温かいお茶にすること、汗もかかなくなった分だけ飲む水分量も減らして良いこと、そして手持ちの牛車腎気丸をしばらく飲むように電話で話をさせていただきました。
この牛車腎気丸は、腹部を温め、排尿をコントロールし、1回の尿量を増やすことで頻尿を改善する作用があり、これからの時期によく使う漢方薬です。Tさんも1週間以内に落着くことと思われます。
痔の痛み
痔の症状には、痛み、出血、痒み、膿などがあります。これらを表現する言葉が<坐剤>の効能書にありましたので紹介しますと、<いぼ痔> <きれ痔> はよく言いますが、他に<さけ痔> <はれ痔> <かゆ痔> があります。
痔は肛門の病気ですが、漢方では大腸経につながり、秋に影響を受けやすいと思います。ちょうど朝夕が涼しくなって、冷えが始まり、血流が悪くなる時期でもあります。
27歳女性、以前から痔が気になっていたのですが、最近出血して痛みがあり、支障をきたすようになったので来店されました。疲れると悪化する、もともと便秘気味、最近は痛みでさらに排便がつらい、排便のたびに出血しているなどでした。
まずは痔の薬 <槐角丸>と、活血作用の<桂枝茯苓丸> を服用していただき、出血と痛みをはやく改善するために<S軟膏>を併用いただきました。
ほぼ即効性で痛みは改善され、出血もとまりました。そして1ヶ月程度ですっかり改善しましたが、根本治療するために<桂枝茯苓丸>だけをお使いいただいています。
この方のようなケースは多々あり、『痔』は漢方の即効性を実感できる代表的な症状です。