口臭の話

口臭の相談を時々受けます。

この悩みは他人に聞きにくく、せいぜい聞けるとしたら子供程度でしょうか?そのため一人で悩んでいるという方が多いのです。

ところが実際は気にしている人ほど口臭がなく、逆に他人を気にしない人ほど、実は口臭がするというケースがあるのです。

気にしておられる方が来店されて話を聞いていると、ほとんどの方で口臭がしません。他人に言われたとか、周りの人がなんとなく避けるとかで、すごく神経質になっておられるのです。

まずは「大丈夫ですよ」からはじまり、体調をお聞きし、他に問題がなければ<クマザサ・エキス>を飲んでいただきます。これは、効能書きでは口臭・体臭・疲労回復などがありますが、それ以上に『これを飲んでいると良くなるんだ』と納得してもらうためです。

何も使わなければ、お客様はかえって不安になりますので、長期に渡って安心して使えるものとしては、クマザサのように自然のものがオススメです。

サージの効果

最近、雑誌かチラシで見られたのか、サージ(サジーともいう)の問合せがあります。内容はサージで代謝を上げてダイエット効果があると聞いたのですが、どれくらい減量できますかというもの。

サージは天然のグミ科の植物の実で、ビタミンやミネラル、アミノ酸などが豊富な食品で、当店でも人気の商品なのです。なぜ人気かというと、ビタミンが豊富で肌が美しくなる、またフラボノイドが多く、スポーツや山登りのときにお勧めなのです。

こういった使い方はするのですが、ダイエット効果は疑問に思っていました。そこで詳しく聞いたところ、この商品を買うときに他のダイエット関連商品を一緒に買わされたとか! 占めてウン十万円らしいです。

サジーの目新しさでダイエット食品を売るというやり方はひどいものですね。これからのボーナスの時期、<売ればよいという商売>にくれぐれもご注意ください。

風邪のご相談

昨日から雨混じりの雪が降っていたのですが、京都市の北部では今朝で5センチの積雪がありました。

京都の街中は名物?『京の底冷え』状態です。そのため風邪の相談が続いています。

不妊症の治療中のHさん、現在は卵胞期でそろそろ排卵の時期になり、人工授精を予定されているのですが、あいにく風邪をひかれ相談に来られました。前回も風邪のため不妊治療がうまくできなかったので、今回はすぐに治したいとの事。しかし大事な時期なので、西洋薬は使いたくないのです。

Hさんの症状は、鼻水がでて、咽がチクチク痛く、少しゾクゾクと寒気がするというので、<麻黄附子細辛湯>を3日分使っていただくことにしました。

不妊治療中の女性の場合、月経後期や排卵期前後に体調がくずれやすくなり、風邪症状がよく出ます。また、妊娠中の女性は、西洋薬が使えないケースが多く、風邪には漢方薬が安心してお使いいただけます。

ホルモンの働き

今日は恒例の社内研修会、著名な内科医を講師に「内分泌=ホルモン」の勉強をしました。

人間の生命を司るのは心臓のように思いがちですが、すべての臓器の働きをコントロールしているのは実はホルモンなのです。そのコントロール・センターが<視床下部ー脳下垂体系>で、脳のど真ん中にあります。

この小さな器官から分泌される各種刺激ホルモンが、副腎や甲状腺や卵巣などの<ホルモン分泌器官>を刺激し、それぞれのホルモンが分泌され、全身の働きを調整しているのです。目には見えないところで大変な仕事がなされていることに人体の神秘を感じます。

高血圧、低血圧、肥満、むくみ、不妊、発達成長、血糖値、心拍などなど、ほとんどの作用にホルモンが関わっているのがわかりました。

漢方では西洋医学的なホルモン分泌をあまりを意識しませんが、部分的な治療でなく、全身の状態を捉える漢方の考え方は、結果としてホルモンバランスを整えているように思います。部分的治療でなく全身の調整の大切さを学びました。

そんな勉強をしていたら、久々にホルモン料理を食べたくなりました?!。

甘草による偽アルドステロン症

漢方の副作用?で時々起きるのは、甘草による<偽アルドステロン症>です。

一般的には甘草を含むものを大量、または長期に服用すると、成分のグリチルリチンによって全身に浮腫が生じ、体重も増えて、血圧が上昇するというものです。

漢方薬に配合されている甘草の量は、1日量3g(グリチルリチンとして120mg)以下がほとんどで、標準量の使用で問題が発生することはほとんどありません。しかし、まれに甘草アレルギーを持っている方は、例えば風邪で<漢方薬K>を少し飲んだだけでも浮腫を生じるという場合があります。

気が付いた時点で服薬をやめれば、浮腫は徐々に引いていきますし、また利尿剤を使えば早く改善します。当店では過去に3例の経験があり、いずれも<漢方薬T>などでスムースに改善しました。

漢方薬も使い方を自己判断しないで、必ず薬局などで相談の上お使いになることが必要です。また何か変化が生じたときは早く対応することが肝心なのです。

小児の蕁麻疹

乳幼児は食物アレルギーを起しやすく、それ以降アレルギー体質になりやすいのです。

中医学では、小児の特性として<二余・三不足>といって、五臓のうち<心、肝>は余りある状態であり、<脾、肺、腎>は不足するといいます。

その意味は、<心>や<肝>が余るというのは、日常でもいう肝の虫が強い、興奮しやすいというような意味です。ところが<脾>や<肺>や<腎>が不足すると、オーバーワークになったとき、処理しきれないということです。つまり、新しい食べ物で消化吸収がしきれなくなるとアレルギーを起す、急に気候が変化すると咳をする、風邪を引きやすい、体力がないなどです。これらの大人と違う点に注意することが必要なのです。

3歳の男児 Kくん、8月にいろいろなものを食べた日があり、アレルギーを起こし蕁麻疹が発症しました。病院でもらった抗ヒスタミン剤で落ち着いたものの、10月から再び蕁麻疹が出没するようになり、検査をするとアレルギー抗体のIgEが高くなっていました。耳鼻科でもらった薬を飲んでもアレルギーを起こし、薬も飲めなくなってきて、漢方を求めてこられました。

食物によりアレルギー性皮膚炎やアトピー症状を起す子供も多いのですが、慢性的蕁麻疹になる子供もあります。根本治療は消化器を強めることで、<漢方薬S>等を使っていただきました。また、食事上の注意を説明し体質改善を行っています。

両親がアレルギー体質の場合は特に子供さんに注意してあげて下さい。

耳閉感の漢方

耳閉感が生じる疾患はたくさんあります。

突発性難聴、中耳炎、耳管狭窄症、メニエール病などで、最も多いのはメニエール病に伴うものです。この場合、西洋医学では利水剤系の薬などが使われます。しかし、それでも改善しないので漢方を求めて来られます。

この時点では、すでに耳鼻科に行かれて検査も診断も済んでいますので、他の疾患の心配はすることなく、発症した原因やそれまでの経過、現在の状態、その方の体質などでお薬を決めます。経験的にはストレスによる<気滞>が原因となっているケースが大半です。

51歳女性 Tさん、昨年5月に耳鳴りと難聴を発症。さらに年末からは家庭の事情で忙しくなり、その頃から耳閉感が生じてきました。耳の中でバリバリという音がしたり、頭痛がや肩こりもありました。

これはストレスによるものと考え、安神作用の<帰脾湯>や、疎肝剤を使いました。また、漢方でいう「気滞血お」=すなわちストレスによる血流悪化もあり、活血作用の<冠元顆粒>を併用することで、頭痛や肩こりはほとんどなくなりました。耳閉感に対しては<漢方薬K>に変更することで、改善の経過をたどっています。

さまざまな頭痛

先日も頭痛に関することを書きましたが

またまたテレビの番組「あるあるⅡ」でも頭痛の特集がありました。

頭痛の9割が偏頭痛や緊張性頭痛で、残る1割が脳梗塞や腫瘍など脳内で起こるこわい頭痛ということです。そして最近わかったのに「脳脊髄液減少症」による頭痛があるということでした。

打撲などによって脊髄液が漏れた場合に脳内の液が減少して、脳の位置が下がることで頭痛が発生するというものです。症状は重く締め付けられるようなタイプの頭痛です。この症状が出たときに、水分をとって体液、髄液が増えると楽になるらしいです。

これは漢方でいう血虚頭痛に相当するように思われ、たとえば補血作用の<当帰芍薬散>によって血流を良くすると楽になるようなタイプが想像されます。

医学検査方法が発達し、新しい病名がどんどん増えていきますが、よくよく考えれば、昔からその病気・症状はあり、漢方もそれに対応してきたのです。そしてそれぞれの症状に応じた治療法も、漢方ではすでに確立されているのです。3000年の歴史の蓄積ですね。

中国製の精力剤

先日の報道で、またまた中国製の健康食品に対して、厚生省から販売中止の指示が出ていました。

従来は通販やインターネットでの個人輸入などの商品でしたが、今回は日本の薬局が販売していたとのことで大変残念です。

商品は男性用の精力剤で、バイアグラと似た作用を持つ「バルデナフィル」という成分が含まれており、日本では無承認薬品として薬事法違反になります。報道によれば2月以降に2億7千万円を販売したようです。

男性にとっての精力剤と、女性にとってのダイエット商品は永遠に求められる商品で、それだけに次々と問題商品が生まれてきます。健康を害してしまうより、体調を整えれば精力はアップすると考えますし、食生活を整えればダイエットの必要はないはずです。「それが出来ないから買うんだ」ということでしょうが、事故が起きてからでは遅いのです。

それもご本人は、自分のしたことだから仕方ないと言えるでしょうが、家族や周りの方を悲しませることになります。くれぐれもご注意を!!!

冷え症は万病のもと

今朝のNHK生活ホットモーニングの番組で<冷え症の漢方>が放送されていました。日本漢方で冷え症に使う代表的な漢方薬6種類を紹介し、使う人の体質によって異なるというものでした。

その中でも少し説明されていましたが、冷えは万病のもとで、冷えが他の症状を生むのです。例えば、頭痛、肩こり、下痢、ホルモン失調、さらには鬱証などがあります。そして、様々なトラブルの解決に、身体を温める処方を使うケースが多々あります。

寒くなって冷え症の相談の方が増えていますが、冷えの原因が、共通して生活の中にあると感じることが多いのです。例えば、冷たい飲み物、冷たい食べ物、この時期に美味しい果物の過食、冬でもアイスクリーム、ミニスカート、ストッキングなし、などの悪い条件と、運動不足です。漢方薬を使っていただくときは、これらの生活上の注意を必ず話しています。

冷え症に使う漢方薬は、医院で使われるものは保険適用されますが、薬局で取り扱う漢方薬は、体質に合わせて<さらに多くの種類>があることを申し添えます。