七草がゆ

1月7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草がゆ」の日です。鎌倉時代から行われていたという邪氣を払う風習で、お正月で疲れたお腹を休める意味もあるようです。

七草はどこにでも説明されていますが念のため・・

せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ・・ですね。今はこれらの野草は取れないのでスーパーで買いますが、この日に限らず、いろいろな季節の野草を入れて薬膳粥を作ってみてはいかがでしょうか。

日本では風邪を引いたときなどにつくるとか、中国料理店で食べる程度ですが、中国では日常的にお粥をよく作ります。

朝の胃腸がまだ動いていない時に消化の良い粥を食べるのは道理にかなったものです。そして水分を含んでいるので、固形物が少ないのに結構お腹がいっぱいになるのが粥です。また、鶏肉や野菜など、何を入れても美味しいのがお粥です。ダイエットにも最適です。

最近は炊飯器もお粥モードがあったり、レトルト食品もたくさん出ていますが、米から炊く本格的なものでなくても、残りご飯を煮るだけでも充分おいしいお粥が出来ますので、日常的にも続けられます。

美食としてのお粥より健康食としてのお粥をぜひお勧めします。

新年のご挨拶

新年おめでとうございます。

さらなる漢方の普及と、皆様に少しでもお役に立てればという気持ちを新たにし、ブログを書いていきます。

今年もよろしくお願いします。

学業の神様・北野天満宮から

漢方ブログ

このブログを書き始めて7ヶ月余り、合計170件の症例や情報、雑感を書き綴ってきました。

漢方に関するブログを書いておられる方はたくさんおられますが、大変レベルの高い解説を書いておられる方から、私のように『飲んだ・効いた』タイプまで様々です。

私のブログに対するスタンスは、タイトルの通り<1日1善>であり、1人でも喜んでいただけたらというもので、学術的な解説をする目的ではありません。漢方がいろいろな症状に使え、それが「証」に合った時は即効性があり、難しいものでなく身近なものですよ、という意図で書いています。

したがって弁証(病気の原因分析)や論治(治療法を組み立てる)としては不充分な内容ですが、一般の方々にわかりやすく知っていただこう、難しくなりすぎてはいけないと考えています。

1年を振り返りこの業界の方から見ると稚拙なブログ、あるいはちょっと短絡的、とのご意見があるとは思いますが、あくまで<中医学と漢方の啓蒙>の立場で、<易しく>ということを来年も続けていたいと思います。

本年もありがとうございました。

Hanako westに掲載されました

キレイになれるビューティ&ヘルシーフード、コスメ情報や、おい しいお店やカフェのこと、お料理やお菓子のレシピなど、とっておきの話題がいっぱいの女性誌 《Hanako west》 に当社の四条店<市兵衛薬局>が掲載されました。

今回の特集は「体質改善ダイエット」で、そのうちの一つの方法として、漢方薬で気・血・水のバランスを整えて代謝をアップし、太りにくい体質をつくるというものです。

以下、紹介文です・・・

宇治に本店を構える『健伸堂薬局』の支店。毎週金曜は、古村滋子さんのカウンセリングが受けられる女性専門相談デーになっているので、初めての人でも足を運びやすい。カウンセリング中には、鍼灸師の資格を持つ古村さんに、食欲を抑えるツボや代謝をアップさせるツボなどを教えてもらえるのがうれしい。

ココがうれしい⇒毎週金曜日は女性相談日 + 通いやすい駅近の好立地

マガジンハウス 様 ありがとうございます。

南蛮毛のはなし

昨日のテレビ「あるある大辞典Ⅱ」は、世界あるある最新報告SP として、キレイになれる話があったようです。残念ながら見られなかったのですが、放送後すぐに<南蛮毛・ナンバンゲ>のご注文をたくさんいただきました。

南蛮毛>は、ご存知のとおりトウモロコシの毛(雌花の花柱)を乾燥したもので、昔から民間薬として使われてきました。特に、腎炎の浮腫や妊婦の浮腫に用いられてきました。

テレビでは『むくみをとってスッキリする』ということと思いますので、この場合は1日量10~15gを煎じ、お茶として使います。はと麦茶に混ぜるなどすると、より美味しくいただけます。ぜひお試し下さい。

高齢者のめまい

めまいの話は何度も書きましたが

その原因として圧倒的に多いのが水毒、水分代謝に係わるものです。

しかし高齢者の場合はどちらかというと痩せていて、たくさんの水分が停滞しているという事はあまりありません。このような方のめまいは血流と関係するものが多いようです。

80歳の女性Nさん、以前にめまいで通院したことがあり、以降時々フラッとする時があります。血圧も少し高いので<冠元顆粒>を飲んでおられますが、めまいを感じたときはこの漢方薬をを少し多めに飲むと落ち着くとの事。

冠元顆粒は血流をよくする薬で、これによって改善するようです。血流を良くする薬は他にもたくさんありますが、めまいで<冠元顆粒>や<桂枝茯苓丸>で良くなる例はたくさん経験しています。

風邪の早期改善

寒さが急に強くなり、風邪の方が増えるのではないかと思われます。

風邪薬はたくさんありますが、初期にうまく抜けることが大切で、こじれてしまうと咳が長引いたり、喘息様症状になったりします。短期間に良くするには、思い切ってたくさんの漢方薬を使う場合もあります。

50歳女性Tさん、風邪をこじらせて3日目、微熱があり、咳き込みが激しく、咳のため胸が痛い、痰は少ないと言う症状でした。あくる日に大事な用事があり、早く治したいとのこと。

そこで、柴胡桂枝湯や、麦門冬湯、 咳と咽の痛みをとる<銀翹散>などを2日分使っていただくことにしました。 そして、1日経た今日の夕刻にTさんから電話をいただき、ずいぶん良くなって用事も無事に終えたとの報告を受けました。今回のように多くの種類を使うことは少ないですが、どうしても1日で良くする必要がある場合はこんな方法も有効です。

ストレスによる便秘

ストレスはいろいろなところに影響をあたえますが、その一つに便秘があります。中医学で『気秘』といわれ、肝脾気滞により起こります。

症状としては、お腹が張る、スッキリ出ない、残便感、便が細いなどです。通常の便秘薬を使っても、便は軟らかくなるがなかなか出ないようです。

30歳男性Wさん、営業の仕事をされていてストレスがいつも多く、身体は見た目は元気そうですが、本人はすごく疲れを感じているとともに、ひどい便秘で数日出ないし、お腹が張って苦しくなります。

<大甘丸>など通常の便秘薬ではだめで、<通導散>を使っていただきました。これは<大黄>や<芒硝>などの瀉下剤と<厚朴>や<枳殻>の気剤が合わさったもので、気滞やお血に使うものです。

これに限らず、気のめぐりをよくする理気剤を加えても良いのですが、1種類で済む優れた漢方薬です。1週間後が楽しみです。

病が病を生む

扁桃炎の相談にこられた女性Kさん、今年1月からの扁桃腺炎になり、耳鼻科で治療を受けられてはいるが、いつになっても治らないとのこと。

よーく話を聞いてみると、咽の奥に白い斑点がついていて、少し痛みがある、その後舌が赤くなり、味覚異常がでてきたとのこと。検査データでは味覚異常があるわけでなく、境界値程度です。医師からそういわれたので、そうなったようです。

そこで舌を見せてもらうと、舌の両側の広範囲に苔が無く、中医学で言うところの地図舌で、「気陰両虚」を示していました。心配性で、少し自律神経失調気味ということがわかります。

結局心配が心配を生んでいるだけですので、疎肝剤と、咽の痛みに使う<銀翹散>をお勧めしました。もしかすると薬はなくても、カウンセリングだけでも良くなるのかなとは思ったのですが、薬があるとご本人は安心されるので使ってもらうことにしました。

この経過を振り返ると、風邪⇒扁桃腺炎⇒舌炎⇒味覚異常⇒歯科という順に病気を作っているのです。最初の時のフォロー、患者に安心感や信頼感を与えることが出来なければ、不安になり、そして次の病気を生んでいくという悪いサイクルに陥っていくのです。

病気の方にはとにかく安心感を与えるようにすることが、薬以上に大切なことだと改めて考える機会でした。

ニキビ・吹き出物

オフィス街であり、繁華街でもあるという場所がら、若い方のニキビや吹き出物の相談が多くあります。

圧倒的に女性の方が多いのですが、このとき一番困るのがお化粧されていることです。顔を見てもニキビがどこにあるのかわからないとか、赤くて痛いんですと言われても、状態がつかみにくいのです。丘疹で化膿してクレーター状になっているのも、よく見ないとわからないほどの厚化粧もあります。あまりじろじろ見ると嫌がられますので、適当に聞いていますが判断ミスを生む原因です。

ニキビや吹き出物につかう漢方薬はたくさんの種類がありますが、女性の場合は生理周期の関係やストレスの状態に関連することが多く、男性では食生活に関連する場合がよくあります。早く改善する場合もありますが、難しいものは1年を超える方もあり、簡単な疾患のようであって、なかなか奥が深い?疾患です。

25歳男性Tさん、高校を終える頃から吹き出物が多くなり、ますますひどくなってきたとの事で相談に来られました。化膿し、クレーター状態がアゴ周辺に多くありましたので、まずは化膿ををとることから開始。

<十味敗毒湯>や<黄連解毒湯>などを入れかえながら使い、暫くして化膿はなくなり、赤みも軽減しました。その次は荒れた肌の修復を考え、<桂枝茯苓丸>や<ヨクイニン>などに変更し、肌の凹凸も少しずつですが改善しました。現在も気長に継続しておられます。

ヨクイニンはこのほか背中のニキビ跡をとるのに良いと、お客様から教わりました。毎日が勉強の繰り返しです。