女性のニキビ・吹出物

ニキビや吹出物は、日常的で最も多い相談です。

特に女性にとっては大きな悩みです。原因は様々で対処方法もたくさんありますが、多いのは便秘やホルモン分泌に関連するもので、生理の前に悪化するタイプです。赤み、ジクジク度、圧痛の有無、出ている部位などで対応方法を考えます。

28歳女性Bさん、吹出物が続く。以前に医師から漢方薬をもらい、1年間飲んで良くなったが再び悪化したとのことで相談にこられました。頬部に赤みがあり、ジクジクするときもある、生理は不順で、生理の前はイライラし偏食をすることもあるとのこと。

皮膚の状態から<消風散>と、生理を整える<加味逍遥散>を服用していただき、2週間後の2月上旬に来店されました。結果、新しい吹出物が全くでなくなり、今までのものは赤みが引いていました。再度同じお薬を使っていただきました。

女性のニキビや吹出物には皮膚に使うお薬と、生理を整える<加味逍遥散>を併用することで、予想以上の効果を現すケースがよくあります。女性のお肌トラブルは、必ずホルモンバランスとの関連を考えることが大切です。

チャングムの料理

NHKの番組「チャングムの誓い」を毎週金曜日に見ています。

いつも番組の最終は、ハラハラで終わり、次回には解決しているが、またハラハラで終わるという、実にうまくストーリーができています。

それはさておき、昨日のストーリーでは、糖尿病を患った明国の使者に、チャングムが野菜と魚を中心とした料理を作り、使者が身体が軽くなり喜んで帰ったというシーンでした。いつも食事が人の健康の基本をつくるという話に、改めて納得しています。

番組の最後に出てきた冬虫夏草の料理の紹介では、漢方薬として使う天然の<冬虫夏草>とはちがい、人工的な培養?でできたもののようで、韓国では料理店で食べられるようです。機会あったら食べにいってきますね。なお次回は『甘酢』を使った料理とのこと、楽しみにしています。

看護学校で講義をしました

毎年この時期に、京都にある高等看護学校の講師をしています。

担当は『医学概論』科目の中の『東洋医学』に関する部分です。

以前は<看護婦>さんは女性ばかりでしたが、最近は<看護師>に変わり男性が年々ふえてきました。また学生の1/3が社会人からの入学と、様変わりしています。

講義内容は、東洋医学の理論や診察方法、薬草の話などで、みなさん興味深く聞いてくれました。最前列にいた男子学生には鍼灸のモデルになっていただき、突然のことで緊張させてしまいましたが、痛くなかったとのこと!?。

看護師としてこれから多くの患者さんに接していく中で、東洋医学のことを少しでも思い出し『手当て』してくれたらと思いつつ、今年も充実した時間を共有しました。(記:古村滋子)

高血圧のはなし 2

血圧の話の続きです。

女性の場合は50歳代、いわゆる更年期を境に体調が変化し、血圧も高くなる方や、高低差が大きく変動する方などがあります。

61歳女性Kさん、56歳の閉経以後に血圧が上がり、降圧剤を服用中ですが、イライラすると上り気味になるので相談にこられました。

普段の最高血圧130程度から高いときには180になるときもあり、血圧を測定しようとすると上り、夜間に動悸もあるということでした。最初は活血作用の<冠元顆粒>と、動悸を目標に<柴胡加竜骨牡蠣湯>を使い、少し安定してきました。その後、胸がもやもやする、不安感があるということで、さらに継続しました。

動悸、不安感が軽減しましたので、その後血圧の下が高いので<釣藤散>に変え、継続服用されています。

血圧の相談では、同じ薬を継続することが多いのですが、この方の場合は主訴の変化に合わせて薬を変えつつ、調子よく過ごしていただいています。

高血圧のはなし

まだ朝夕寒い日が続きますが、日差しはもう春の雰囲気です。

冬の寒さで血管が収縮し血圧が上がる方もあれば、春先の陽気で血圧が変動する方もあります。

64歳の男性Mさん、3年前に初めて高血圧の漢方薬をお使いいただきました。最初の頃は最高血圧160程度、最低血圧95程度で、食事や運動に気をつけつつ漢方薬の<冠元顆粒>やその他の漢方を使って130/80程度まで下がっていました。

その後は冠元顆粒を1~2包を使い安定していましたが、退職されて運動も減ったためか、この冬は少し高めになり、久しぶりに他の漢方を併用することにしました。

昼間は<釣藤散>を使い、夜はビールをのむ時が多いとの事で、眠前には化痰し睡眠をよくする<温胆湯>を使っていただきました。2週間後の状況では145/72で、最低血圧は良好でした。もちろん自宅でも測定されていて、良い傾向にあることはわかっていたようです。

今まで、長く漢方をお使いいただき体質も傾向もわかっていますので、漢方薬の効果も予測できます。細く長~いお付き合いの方は、双方がよくわかっているので効果も早く安心です。

月刊誌 Leaf に掲載されました

毎月新鮮な京都の情報をたくさん提供する、人気の月刊誌「Leaf」の4月号に当店が大きく紹介されました。

今月の特集は 《編集部ガチンコ勝負11本  噂のダイエットにチャレンジ!》 で、そのうちの《漢方で体質改善》のコーナーです。

美しくやせるには、まず自分の体質を知り、それに合った方法が必要です。取材いただいた女性記者の方が実践し、元気になることを実感していただきました。

         

なお、Leaf は<リーフ・ドット・ネット株式会社>が発行する、京都のグルメ、シネマ情報からホテル、観光情報まで盛りだくさんのタウン情報誌です。

Leafさん ありがとうございます。http://www.leafkyoto.net/

こじれた咳と痰

風邪のあとに咳や痰が残り、ひどい場合は喘息のようになり、長引くことがあります。

このような症状に、西洋医学では鎮咳剤や去痰剤が使われますが、それ以上に漢方がよく効きます。それも早い時期なら1週間以内に改善しますが、こじれてくると1ヶ月程度かかります。今回、大人と子供で同じような症例がありましたので紹介します。

48歳男性会社員、昨年から咳や痰が続いていましたが、1月から喘息のようにゼイゼイ言い出したので身内の方が相談に来られました。病院ではお決まりの薬が出ていたのですが、一向に改善せず、ひどくなって来ているとのことでした。検査では特に異常がなく、単に気管支炎との診断でした。

そこで、咳をとり痰をとる<麻杏甘石湯>と<蘇子降気湯>を2週間使っていただきましたところ、咳も痰も減少し、以前のように咳き込んで嘔吐することもなく、楽になりました。

また、水分を控えてもらい、痰を減らそうと指示しておいたのですが、効を奏して一時減少していた味覚も回復してきました。痰の多い方は間違いなく水分摂取過多なのです。

そして、あと少し粘る痰をとりたいとのことでしたので<竹葉石膏湯>をお使いいただきました。通して1ヶ月ですっかり改善するものと思われます。

冷え症がすっかり改善

この冬も冷え症の相談はたくさんありましたが、若い女性の場合には貧血やめまいを伴うケースが多く、補血作用の<婦宝当帰膠>をよく使います。しかし冷えの漢方薬はたくさんあり、それがピッタリ合うと大変喜ばれます。

34歳主婦Kさん、冷えが強く、指先が青くなり、冷えのぼせもありました。お腹も冷え、腹巻をすることも。便秘もあり、冷えの代表のような症状でした。

そこで<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>と<桂枝茯苓丸>を1ヶ月使っていただき、先日再来店されました・・・

結果、冷えはすっかり無くなり、身体も楽になり、便秘も改善して喜んでいただきました。あとは調子を見つつ、薬の量を減量して継続すことになりました。また、のぼせも<桂枝茯苓丸>によって血流がよくなり、熱のバランスがとれて解消しました。

Kさんのように、末端の冷えには<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>がよく効きますし、お腹が温まれば腸の動きも良くなり、便秘も解消するのは見えていました。この薬に限らず、体質や症状により処方の選択肢がたくさんあるのが漢方の特徴でもあります。自己判断せずに、かならずご相談ください。

睡眠時のトラブル

睡眠に関する相談は、不眠や中途覚醒、夢をよく見て寝た気がしないなどはよくあります。

先日、少し変わった症状で、睡眠中に唸る、大きな声を出す、息が荒くなる、という相談がありましたので紹介します。

60歳の男性Nさん、現在は特に大きなストレスはないのですが、会社に勤務している頃はいろいろなストレスがあったようで、本人は意識はしておられないのですが、その記憶が睡眠中に出てきているようでした。

そこで交感神経の興奮状態が原因と考え<抑肝散>と<温胆湯>を使っていただきました。1週間後、奥様の話では少し減ったとのことでしたが、2週間経てかなり改善しました。ご本人も夢を見なくなって、熟睡感があるとのことでした。その後は1日1回だけ服用していただいています。

抑肝散は古くから子供の疳の虫に使うことで有名な漢方薬です。子供でなくとも、神経の興奮状態を鎮めるには最適の薬です。

また、夢をよく見る方は、水分がお腹に残っている状態で睡眠についているというケースが多く、このような方に<温胆湯>を使いますと、化痰作用によって水分がさばかれ、熟睡できるようになります。ビールをよく飲む方には、むくみがとれ、血液をきれいにする薬にもなります。

高齢者の下痢

下痢に用いる漢方薬はたくさんありますが、高齢者の場合は西洋薬の止瀉薬より漢方薬が適します。止瀉薬を使うと、下痢が止まったと思えば便秘になるなど、調節がうまく行かないというケースがありますが、漢方薬はおなか全体を整えますのでその心配もありません。

85歳女性Kさん、ほぼ寝たきりの方で、先月より下痢が続き、時々腸が痛むとのことで家族の方が相談に来られました。医師からは薬をもらって2週間のんだが改善しないので、漢方の方が適しているのではと思われたそうです。

詳しく話をお聞きすると、腹部の冷えや年齢的なことが影響しているようでしたので、温腎利水の<真武湯>と<人参湯>を1週間分お使いいただきました。

今日再び来られ、結果は良好で、下痢は止まり、少し軟便程度になったとのことでしたので、漢方薬を調整し、また1週間使っていただくことにしました。

<真武湯>は身体を温め、元気をつけます。朝力の下痢にはよく効きます。また、<人参湯>も腹部をあたため、胃腸の働きを良くします。2種類をあわせたものを、とある医師が便宜的に<真理湯>と名づけられていて、私も活用させていただいています。