高齢者の下痢
長い間お越しいただいているKさんのお母さんは88歳で、ほぼ寝たきり状態です。
元々胃下垂があり、胃弱なため、食べ過ぎたら下痢や腹痛をおこしておられました。医師からは止瀉薬や胃腸薬をもらわれたのですが、調節が難しく、そのためKさんも世話が大変なため、漢方薬を使うことになりました。
体が冷えて、おなかも冷たいとのことでしたので補陽利水の<真武湯>と<人参湯>をあわせて使っていただいたところお腹は温まったのですが、まだ軟便気味とのこと。そこで<参苓白朮散>に変更しました。
その後これらの薬を交互に使っていただき、すっかり改善し、現在は1日1回の服用で順調とのことです。
高齢者には漢方薬の穏やかな効き目がピッタシのようです。
熱体質・寒体質
先日のTV番組「発掘!あるある大事典II」では、暑さに対する人間の体質は「熱体質」「寒体質」に分けられるというテーマでした。
その内容は、汗をかきやすい人は「熱体質」、かきにくい人は「寒体質」で、体内水分量が少ない熱体質の方が熱がこもりやすく夏バテしやすいとのこと。
漢方では<熱証・寒証>といい、いわゆる<熱がりタイプ>と<冷え性タイプ>でとらえます。
そして、熱がりは水分を摂っても汗で発散してしまいますので、単に水を補給するのでなく、例えば<漢方薬B顆粒>のような<補陰作用=細胞に水分を保持させる>ような漢方薬を使い、疲労を軽減します。
また、冷え性タイプは水分を身体に保持しやすく、それがまた冷えを生むという悪循環に陥るのです。そこで、夏でも身体を温め、代謝をアップするようなもの、例えば<婦宝当帰膠>や<桂枝茯苓丸>を用いることにより、余分な水分を溜め込まなくなります。
食べ物ではTVでも紹介のように、熱証の方はトマト、キュウリ、ナスなどの夏の野菜で身体の熱を冷まし、冷え性の方はネギ、ニンニク、ショウガなどで胃腸の働きを高め、水はけをよくします。
これらの考え方は、昔から漢方の基本にあります。
梅雨の関節炎
以前から来られている68歳の女性Kさん。7月の上旬から足首がや足指付近が赤くなって脹れあがり、痛いとの相談を受けました。
当然、整形外科を既に受診され、通風や、リウマチなどの疾患の検査を受けられましたが、尿酸値も血液検査値も異常なく、CRP(炎症反応)も正常範囲で、原因不明とのこと。そこで、少し大きい病院の診察も受けられましたが、医師の診断はマチマチで、確定診断がなく、結局原因不明の関節炎だろうということになりました。
そこでまずは、炎症を沈め、浮腫をとる目的でリウマチに使う<越婢加朮湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。1週間後、脹れは引き、痛みも軽くなり、押さない限りは問題ないところまで改善しました。
Kさんはその間もMRIなどの検査を受けておられたのですが、すべて正常で、やはり原因不明状態でした。そして漢方薬が切れて後、また腫れが出てきたため、再び来られました。
今回は<よく苡仁湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。
この症状は、長引く梅雨により<湿>が身体に停滞して起こっているものと考えています。そして梅雨が明ければ改善するのではと思います。
水イボ 1
子供の疾患で多いもののひとつに<水イボ>があります。
以前よりお越しのお母さんから水イボのお問い合わせをいただき、その後早い改善が見られましたので紹介します。
『3歳半になる娘が今年の5月ごろに肘裏に5ミリぐらい大きさの水いぼが2つができ、皮膚科でもらった塗り薬を毎日朝晩塗ってます。漢方の方法も試してみたいのですが、飲みやすいものがありませんか?』とのことでした。
しばらくして来店され、状況をみた結果<馬歯けん含有健康食品>と<ヨクイニン>のエキス剤をお使いいただきました。
そして1週間後にその結果をメールで報告いただきました。
『さっそく、先生からいただいた<健康食品>と<ヨクイニン>を飲ませたところ、なんと2日目に母親イボがすでに小さくなり始め、一週間経った今は見えないぐらいまで治っています。これほどてきめんな効果がでると思わなかったので、正直に驚いています。感謝のお礼を申し上げます。』と喜んでいただきました。
これほど早く効くとは・・・予想外でした。