ニンニクで血圧調節?

先日の新聞記事の話ですが、血管を広げる作用がある一酸化窒素(NO)が、血管内で増えるメカニズムが解明されたとの内容が掲載されました。

このNOの作用は、血管の外側にある平滑筋がゆるみ、血管が広がりやすくなることで、血圧の調節作用があるというものです。難しい話はわかりませんが、<冠元顆粒>の作用を説明するときに、NOによって血管が拡張して血圧が下がるのですということと同じです。そして記事では、NOを増やすものとして<ニンニクのにおい成分のアリシン>も同様に作用するとのことです。

このような記事が出ると、一斉にニンニクが売れるということがあり、あるいはニンニクに偏ってしまう方も出るのではと危惧します。食べすぎは胃腸を刺激し、マイナス面があります。報道内容は正しいことなのでしょうが、消費者の捉え方は間違ったものになりがちで、マスコミは「ニンニクを多く食べれば良いということではない」などの注意も書くべきとつくづく思いました。

手足の冷え

朝夕涼しくなり、そろそろ冷え症の相談が増える季節になりました。

冷えの原因も様々で、一般的に多いのは血液不足や、血流不良、水分過多によるものなどですが、時々<気滞>による手足の冷えの相談があります。これは、ストレスによって、血流が悪化し、陽気が四肢にまで及ばないものです。

以前の話ですが、40歳のTさん、冷え症でいろいろな漢方薬を試したが、どれも効かないため相談にこられ、補血作用の<婦宝当帰膠>やストレスの影響を軽減する疎肝作用の<逍遥丸>を使っていただきましたところ、いちばん良かったとのことことでした。

同様の相談でこられた67歳のHさん、手足が冷たく、ジンジンして痺れるとのこと。夏でも同様で、ホカロンを張っているとのことでした。これは単なる冷えではなく、ストレスによるものと思い確認したところ、家庭での心配事があるとのこと。そこで前述のTさんと同じ漢方薬を使っていただきました。

冷えも状態を詳しくお聞きし、対応するように心がけています。

秋晴れの比良山より

秋晴れの休日、久々に植物観察と渓流つりを楽しみました。

ところが肝心のデジカメを忘れて、気が付いたときはすでに山中!しかたなく、ケータイで撮りました。

この時期は田んぼの畦に咲く彼岸花(彼岸根)や、桔梗(桔梗の根)、りんどう(竜胆)、じゃのひげ(麦門冬)、エビスグサ(決明子)などの花が咲いています。いずれも生薬として漢方薬の原料になります。

今日は山中でヤマトリカブトの群生をみつけました。根には毒性がありますが、減毒し(附子)として使われる重要な生薬なのです。

この時期山を歩いてみませんか!

トリカブトの紫の花

200908300811000

ボディプラスに掲載されました

カラダをきちんと磨いて、もっと輝く。そんな前向きな女性たちのための実用誌として知られる「ボディプラス」に当店が掲載されました。

今回は『漢方薬のオーダーメイド処方で、根本からしっかり体質改善』というタイトルで、読者モデルの米田さんが来店され、問診や舌診、血流測定などを行なって体質判断をし、消化器系と血流改善をアドバイスをさせていただきました。

当店の四条店・市兵衛薬局は四条烏丸のオフィス街にあるため若い女性がたくさん来られています。ゆったりとして気軽に相談できる雰囲気ですので、初めての方も安心してお越しください。

なお、「ボディプラス」は実業之日本社が発行する月刊誌です。

継続こそ力

漢方薬は用途により、即効性のあるものや、しばらく服用するもの、長期間服用を要するものなど様々です。

このうち長期間に渡るものはなかなか継続されないケースが多く、結果が明らかにならない場合があります。例えば、糖尿病やアトピーは少し良くなると止めてしまわれて続かない方が多いのです。

37歳Mさん、脱毛のため他店で煎じ薬を買っておられ、今まで5年間毎日煎じてこられたとのこと。脱毛は服用し始めて1年くらいから改善の傾向が現れ、現在では全快していますが、安心の為に続けたいと言われていました。

これほど継続している方は珍しいのですが、本来体質改善を考えるなら、それなりの期間が必要なことを今回実感しました。

日本中医薬研究会の大会に参加しました

中医学と中成薬の普及を進めている「日本中医薬研究会」の全国大会が、当地 京都で開催されました。

総勢700人の大会議と懇親会が出来るのは、京都では都ホテルぐらいでしょうか?さすがに圧巻ものでした。

今回は<中国中医研究院>の教授<陳 可冀>先生が、<漢方薬K>をテーマに講演されました。

先生は<冠心Ⅱ号複方>という処方の研究をはじめた方で、その後この研究成果として<漢方薬K>が生まれました。いわば生みの親の1人です。

そして、この薬が微小循環に大いに役立ち、最近言われるメタボリック・シンドロームによる心臓病などに重要な役割を果たす漢方薬であることを学びました。中国では丹参製剤の注射タイプもあり日本より進んでいますが、さらにこれらの中成薬が日本で普及し、皆様の健康に役立つものと期待しています。

蕁麻疹とあせも

皮膚病は症状が多岐で、皮膚科では様々な診断名が下されますが、漢方では病名にこだわらず、出ている症状から漢方薬を決めていきます。

11歳の女子Hさん、背中や腹部に赤い発疹が出て、全身に広がってきた、温まると痒く、寝ているときも痒い、汗をよくかく、とのことでした。皮膚科では蕁麻疹との診断でしたがよくならないので相談に来られました。

状態をよく見ると蕁麻疹というより、あせものようでしたので、あせもによく使う<桂枝加黄蓍湯>と熱を冷ます<黄連解毒湯>を使っていただき、あわせて<桃の葉>を入浴剤として併用いただきました。

1週間後にこられ、上半身はほとんど発疹や赤みが引いて、かゆみもなくなり、予想以上の早い改善でした。まだ下半身に残っているとのことでしたので、今度は<桃の葉>でローションを作っていただき、スプレーしてもらうように伝えました。

この例は、皮膚科で蕁麻疹と診断されたが、実はあせもだったというものです。ついつい蕁麻疹という診断名に惑わされますが、症状と体質で考えることが大切なこととを再認識しました。

子供のアトピー

子供のアトピーの多くは親からの遺伝性のものです。1歳までに発症することが多いのですが、親はステロイドを使いたくないし、対応に苦慮されています。

幼児の場合は痒みを我慢をすることもできず、強く引っ掻きますので肌が荒れ、かわいそうな状態になります。また、漢方薬も大人のアトピーのように強い清熱剤は使えず、また飲むことも出来ないので、その代わりに外用で改善をはかります。

3歳のSちゃん、生後5ヶ月から関節部位に赤みが発症し、昨年の秋からは全身に広がり悪化してきました。皮膚は乾燥が激しく粉を吹くような状態で、部分的にひび割れし、痛々しいです。

身体は冷えやすく、食物のアレルギーもあるようでしたので、子供のアトピー治療の基本と考える<胃腸の機能を高める>ために<黄耆建中湯>と、滋陰(乾燥状態を改善する)のための<六味丸>を使っていただきました。いずれも昔から子供の発達促進に使われてきたものです。

そして外用には<漢方生薬を使った浴剤>と漢方クリームSを使っていただきました。これらにより、しっかり保湿し炎症を鎮めるようにします。乾燥が治まると痒みは治まるものと考えています。

また、アメリカから取り寄せられたサプリメントを使ってから、かえって悪化したとのことでしたので、全面的に中止していただきました。サプリメントは化学合生物が多く含まれていますので、幼児に対しては注意が必要です。

不眠の方のハーブティ

47歳の女性Mさん、もともと心療内科にかかっておられましたが、西洋薬を思い切ってやめ、漢方薬に変えられ順調に経過していました。

今回海外に出かけるにあたり、準備などで神経が疲れ気味で、みぞおちがつまり苦しくなる、睡眠が浅いとの相談を受けました。漢方では<心下痞硬>という状態の神経的な緊張によるもので、柴胡剤と、リラックスハーブティとして女性に人気のある<健康食品SN>をお使いいただきました。

2日後に来られ、すごく楽になり、睡眠も<健康食品SN>だけでよく寝られたと喜んでいただきました。そして、ご主人もこれを飲んだところ熟睡できたので、しばらく続けたいといわれたとのことでした。

ハーブティも漢方以上に効果を発揮することがあり、上手に紹介していきたいと思いました。

口臭、気になりますか

昨日のテレビ朝日の番組で口臭の話がありました。

通常、口臭は<胃腸の機能低下><過食によるもたれ><血糖値が高い><歯周病>などが原因となり、それぞれに対応して改善する漢方薬はあります。

しかし、これらの要因がなく、他人から言われたことがきっかけで、心理的に過敏になって「口臭がある」というのを『自臭症』というようです。

このような相談は店頭でもよくあります。明らかに精神的なものとわかる場合でも、カウンセリングに加え、安神作用の<柴胡加竜骨牡蠣湯>や<半夏厚朴湯>を使っていただきます。これを使うことで、良くなっていくと安心感が芽生えると、心理的効果が早くでます。

心の病は難しいですが、『大丈夫!気にしないで』というだけでなく、薬によってさらに安心感が出るという、いわばプラセボ効果(薬を飲んだという意識から治療効果が出ること)ですね。