蕁麻疹とあせも

皮膚病は症状が多岐で、皮膚科では様々な診断名が下されますが、漢方では病名にこだわらず、出ている症状から漢方薬を決めていきます。

11歳の女子Hさん、背中や腹部に赤い発疹が出て、全身に広がってきた、温まると痒く、寝ているときも痒い、汗をよくかく、とのことでした。皮膚科では蕁麻疹との診断でしたがよくならないので相談に来られました。

状態をよく見ると蕁麻疹というより、あせものようでしたので、あせもによく使う<桂枝加黄蓍湯>と熱を冷ます<黄連解毒湯>を使っていただき、あわせて<桃の葉>を入浴剤として併用いただきました。

1週間後にこられ、上半身はほとんど発疹や赤みが引いて、かゆみもなくなり、予想以上の早い改善でした。まだ下半身に残っているとのことでしたので、今度は<桃の葉>でローションを作っていただき、スプレーしてもらうように伝えました。

この例は、皮膚科で蕁麻疹と診断されたが、実はあせもだったというものです。ついつい蕁麻疹という診断名に惑わされますが、症状と体質で考えることが大切なこととを再認識しました。