子供のアトピー

子供のアトピーの多くは親からの遺伝性のものです。1歳までに発症することが多いのですが、親はステロイドを使いたくないし、対応に苦慮されています。

幼児の場合は痒みを我慢をすることもできず、強く引っ掻きますので肌が荒れ、かわいそうな状態になります。また、漢方薬も大人のアトピーのように強い清熱剤は使えず、また飲むことも出来ないので、その代わりに外用で改善をはかります。

3歳のSちゃん、生後5ヶ月から関節部位に赤みが発症し、昨年の秋からは全身に広がり悪化してきました。皮膚は乾燥が激しく粉を吹くような状態で、部分的にひび割れし、痛々しいです。

身体は冷えやすく、食物のアレルギーもあるようでしたので、子供のアトピー治療の基本と考える<胃腸の機能を高める>ために<黄耆建中湯>と、滋陰(乾燥状態を改善する)のための<六味丸>を使っていただきました。いずれも昔から子供の発達促進に使われてきたものです。

そして外用には<漢方生薬を使った浴剤>と漢方クリームSを使っていただきました。これらにより、しっかり保湿し炎症を鎮めるようにします。乾燥が治まると痒みは治まるものと考えています。

また、アメリカから取り寄せられたサプリメントを使ってから、かえって悪化したとのことでしたので、全面的に中止していただきました。サプリメントは化学合生物が多く含まれていますので、幼児に対しては注意が必要です。