長年の不眠症

不眠症の相談は多いのですが、すぐに改善できるタイプと、いくつかお薬を変えていってもうまくいかないケースがあります。

主に若い方や、夢を見る方、太っている方の不眠は改善が早く、高齢者の永年の不眠は難しいものです。

72歳の女性Oさん、ずいぶん昔から不眠の相談を受けていましたが、なかなかすっきり改善せず、時々薬を変えて使っていただいていました。この間その他の目的で漢方はいろいろお使いいただいていましたが、最近再び不眠が気になるとのこと。

そこで漢方薬はひと通り使い切ったので、今回は<健康食品S>をお勧めしました。ところがこれが良くて2日目から眠れるようになったとの報告をうけました。

この<健康食品S>は、気分がユーウツな方や、不安感がある方で、特に女性にはよく効く経験があり、今回も女性だから合うだろうと思い使ったところ、良い結果を得られました。
非科学的で漢方とは無縁な話ですが、すばらしい商品であることを実感しました。

口周囲の湿疹

昨日の話にも関連しますが、先日中国におられる方と<skype>によるビデオチャットで対応しました。

32歳の女性Kさん、中国に留学中ですが、夏ごろに当地の果物をたくさん食べた後、口の周囲に湿疹が発症、赤く腫れて、ジクジクし、口唇の皮膚がめくれてくるというものでした。

その後日本に一時帰国し、医師の診察を受け、薬も服用されていましたが改善せず相談にこられました。

食物によるアレルギーだけでなく、ストレスによる肝熱と考えて、疎肝薬の<逍遥丸>や清熱解毒の<銀翹散>を使っていただき、小康状態を保っていましたが、その後再び中国に戻られた後、再度悪化。

そこでskypeによるビデオチャットで話しながら処方を検討し、衛気を高める<衛益顆粒>、胃熱をとる<茵陳蒿湯>、頭部に上っている熱をさます辛涼解表薬を使っていただきました。また、外用に漢方クリームSを併用していただき、すっかり改善しました。

ビデオチャットは状態判断にとても役立つことを実感しています。

インターネットによるご相談

毎日たくさんの相談をお受けしていますが、特にこの夏多かったのが多汗症です。

いずれの疾患でもその体質的な原因はいくつもありますので、相談票で体質を判断し、それに対応する漢方薬を考えますが、多汗症の場合は複合要素が多く、難しい部類に入ります。

たとえば、身体に湿熱がこもっている場合は、熱を冷まし、湿を取り去るという方法で考えられますが、緊張により発汗するという精神的な要素が加わると、過敏な反応を抑制する漢方も必要になります。また、先天的な要素が含まれることもあり、メールでのご相談ではこれらがわかりにくいものです。携帯で写真を送っていただく場合もありますが、やはりできるだけご来店をお勧めしています。

皮膚病も同様で、状態を正確に把握するためには写真か来店をお勧めしていますが、現在<skype>や<messenger>でカメラを使い通信している方もありますので、今後さらにカメラを活用していきたいと思います。

中国の肝炎

肝炎には、経口感染のA・E型と血液感染のB・C・D・G型があります。

中国ではこのうちのA型、E型肝炎が衛生状態の悪い地方で流行することもあるようです。特に春から秋にかけては、食べ物による経口感染のA型が増えます。

日本ではあまり気にしたことがないのですが、中国に滞在していたYさんの話を聞いて、思い出しました。そして、再度仕事で長期間中国に行くかもしれないので、どうしたらよいか相談にこられました。完全な予防は難しいですが、少しでも役立つものとして、田七含有健康食品Kと板藍根含有ハーブティを紹介しました。

田七含有健康食品Kは中国では有名な肝炎の薬<片仔廣>のメーカーが日本向けに作った健康食品です。

また板藍根は中国では清熱解毒の生薬として日常的に使われています。

とにかくYさんが無事に中国で過ごされることを祈っています。

ニンニクで血圧調節?

先日の新聞記事の話ですが、血管を広げる作用がある一酸化窒素(NO)が、血管内で増えるメカニズムが解明されたとの内容が掲載されました。

このNOの作用は、血管の外側にある平滑筋がゆるみ、血管が広がりやすくなることで、血圧の調節作用があるというものです。難しい話はわかりませんが、<冠元顆粒>の作用を説明するときに、NOによって血管が拡張して血圧が下がるのですということと同じです。そして記事では、NOを増やすものとして<ニンニクのにおい成分のアリシン>も同様に作用するとのことです。

このような記事が出ると、一斉にニンニクが売れるということがあり、あるいはニンニクに偏ってしまう方も出るのではと危惧します。食べすぎは胃腸を刺激し、マイナス面があります。報道内容は正しいことなのでしょうが、消費者の捉え方は間違ったものになりがちで、マスコミは「ニンニクを多く食べれば良いということではない」などの注意も書くべきとつくづく思いました。

手足の冷え

朝夕涼しくなり、そろそろ冷え症の相談が増える季節になりました。

冷えの原因も様々で、一般的に多いのは血液不足や、血流不良、水分過多によるものなどですが、時々<気滞>による手足の冷えの相談があります。これは、ストレスによって、血流が悪化し、陽気が四肢にまで及ばないものです。

以前の話ですが、40歳のTさん、冷え症でいろいろな漢方薬を試したが、どれも効かないため相談にこられ、補血作用の<婦宝当帰膠>やストレスの影響を軽減する疎肝作用の<逍遥丸>を使っていただきましたところ、いちばん良かったとのことことでした。

同様の相談でこられた67歳のHさん、手足が冷たく、ジンジンして痺れるとのこと。夏でも同様で、ホカロンを張っているとのことでした。これは単なる冷えではなく、ストレスによるものと思い確認したところ、家庭での心配事があるとのこと。そこで前述のTさんと同じ漢方薬を使っていただきました。

冷えも状態を詳しくお聞きし、対応するように心がけています。

秋晴れの比良山より

秋晴れの休日、久々に植物観察と渓流つりを楽しみました。

ところが肝心のデジカメを忘れて、気が付いたときはすでに山中!しかたなく、ケータイで撮りました。

この時期は田んぼの畦に咲く彼岸花(彼岸根)や、桔梗(桔梗の根)、りんどう(竜胆)、じゃのひげ(麦門冬)、エビスグサ(決明子)などの花が咲いています。いずれも生薬として漢方薬の原料になります。

今日は山中でヤマトリカブトの群生をみつけました。根には毒性がありますが、減毒し(附子)として使われる重要な生薬なのです。

この時期山を歩いてみませんか!

トリカブトの紫の花

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ボディプラスに掲載されました

カラダをきちんと磨いて、もっと輝く。そんな前向きな女性たちのための実用誌として知られる「ボディプラス」に当店が掲載されました。

今回は『漢方薬のオーダーメイド処方で、根本からしっかり体質改善』というタイトルで、読者モデルの米田さんが来店され、問診や舌診、血流測定などを行なって体質判断をし、消化器系と血流改善をアドバイスをさせていただきました。

当店の四条店・市兵衛薬局は四条烏丸のオフィス街にあるため若い女性がたくさん来られています。ゆったりとして気軽に相談できる雰囲気ですので、初めての方も安心してお越しください。

なお、「ボディプラス」は実業之日本社が発行する月刊誌です。

継続こそ力

漢方薬は用途により、即効性のあるものや、しばらく服用するもの、長期間服用を要するものなど様々です。

このうち長期間に渡るものはなかなか継続されないケースが多く、結果が明らかにならない場合があります。例えば、糖尿病やアトピーは少し良くなると止めてしまわれて続かない方が多いのです。

37歳Mさん、脱毛のため他店で煎じ薬を買っておられ、今まで5年間毎日煎じてこられたとのこと。脱毛は服用し始めて1年くらいから改善の傾向が現れ、現在では全快していますが、安心の為に続けたいと言われていました。

これほど継続している方は珍しいのですが、本来体質改善を考えるなら、それなりの期間が必要なことを今回実感しました。

日本中医薬研究会の大会に参加しました

中医学と中成薬の普及を進めている「日本中医薬研究会」の全国大会が、当地 京都で開催されました。

総勢700人の大会議と懇親会が出来るのは、京都では都ホテルぐらいでしょうか?さすがに圧巻ものでした。

今回は<中国中医研究院>の教授<陳 可冀>先生が、<漢方薬K>をテーマに講演されました。

先生は<冠心Ⅱ号複方>という処方の研究をはじめた方で、その後この研究成果として<漢方薬K>が生まれました。いわば生みの親の1人です。

そして、この薬が微小循環に大いに役立ち、最近言われるメタボリック・シンドロームによる心臓病などに重要な役割を果たす漢方薬であることを学びました。中国では丹参製剤の注射タイプもあり日本より進んでいますが、さらにこれらの中成薬が日本で普及し、皆様の健康に役立つものと期待しています。