てんかんの症状?
昔から<てんかん>は、突然倒れて泡を吹く病気とされてきましたが、最近は必ずしもそうではないといわれます。
またその原因は、脳の損傷や神経の異常とみられていますが、根本的な原因は明らかではありません。症状は個人差があり、病院の判断もマチマチのようです。
8歳の男の子、3歳頃から毎日腹痛を訴えたり、集中力がなかったり、目をまばたきさせたり、チック症のような症状も続いていました。病院ではてんかんと診断が出て、西洋薬を服用していましたが、しばらくすると薬が効かなくなるため困っておられました。
また、別の病院では<てんかん>でないとの診断を受けたため、漢方相談にこられました。
漢方では病名には関係なく症状や体質によって考え、この子供さんには<抑肝散>のエキス散剤を使っていただきましたところ、腹痛が治まり、落ち着きが出てきて、さらに夜尿症も改善しました。その後中断していましたが、再び症状が出始めたため再度来店され、継続することになりました。
昔から子供の<疳の虫>が強い、<肝気>の高ぶりには、漢方薬が安全で、且つ長期間使えることをお話しておきました。しばらくすると再び改善するものと思われます。
減少する野菜の栄養
最近は野菜が年間を通して何でも手に入り、個々の野菜の旬がわからなくなってきました。いわんや子供たちは野菜がどのように育っているか知らないことも多いのではないでしょうか?
それよりも大切なことは、野菜の栄養が極度になくなっていることが「日本食品標準成分表」で明らかになっています。
例えば、ほうれん草に含まれるビタミンAは、昭和25年の「成分表」で100g中に8000 IU あったのが、平成12年の表では700 IU になり、8.8%まで減少しています。同様に鉄分は13mgが2mgまで減少しています。その他の野菜も同様に大幅に減っています。
その原因は、土壌の劣化や栽培しやすさを求めた品種改良など様々な要因がありますが、野菜がビタミンなどの栄養源でなくなり、甘みや旨みだけが重視されることに疑問を感じます。
いずれビタミンはサプリメントで充分という『不思議な世の中』になりそうです。
皆さんはこの現実をどう思われるのでしょうか?
暑いと発症するめまい
めまいの症例はたくさん書きましたが、少し変わったタイプのめまいを紹介します。
27歳の女性Wさん、回転性のめまいが時々起こると相談に来られました。
体質は色白で冷え症、肩こりがあり、緊張しやすく、デリケートで、回転性のめまいは半年に一度程度ですが、普段はクラッとするような感じで治まります。
また、疲れやすい、午後に多い、などをお聞きし<気虚>と<水湿>と捉え、半夏白朮天麻湯や釣藤散などを順次お使いいただきましたが、4ヶ月間変化が見られないままでした。
今までは、めまいは2週間~1ヶ月で改善するものと自信を持っていただけに困り果て、最初から考え直すことにしました。そして初期の頃から訴えられていた<暑いと調子が悪くなる>、<冷え症なのに身体が熱い>という言葉をヒントに清肝瀉火の<竜胆瀉肝湯>を使ったところ、ようやく改善傾向が見られました。
<竜胆瀉肝湯>は<肝火上炎>や<肝胆湿熱>などに使う漢方薬で、Wさんのようなタイプには適しないと思われるのですが、結果から見るとちょうどよかったようです。
表に出ないイライラやのぼせがあるのを聞き出せていなかったのか?と反省し、お客様を通じて学ぶことができました。
食品添加物 2
昨日の続きになりますが・・・、
先週のNHK「生活ほっとモーニング」でも食品添加物の話題が放映されていました。
それによると、食品安全委員会が健康影響の評価を行っていたり、動物実験のデータをもとに、長期間摂取、胎児への影響、2世代に渡る影響、発癌、アレルギーなどの影響を調べた上で、1日摂取許容量が定められているとのことでした。そして添加物は一概に「悪」とはいえないとのこと。
しかし、添加物は身体には異物であり、アレルギーの引き金になるとか、添加物によって商品をよく見せることにより売りやすくするとか、問題はあるように思います。
化学だけの安全性でなく、濃い味が普通の子供が増え、食物の本来の味を知らない人が増えてくるのは、背筋が寒くなる感じがします。
今日はちょっと愚痴ってみました。
食品添加物
先日、中国のウナギから薬品が検出されたとのニュースが流れましたが、中国だけでなく日本でも自分が知らない間に<許可された添加物>が含まれる食品をたくさん食べているのです。
このことを詳しく書いた本があり以前に読みましたが、それ以来気にしながら結局食べざるを得ない状況に追い込まれていることがわかりました。
書名:食品の裏側(安部司 著) サブタイトル:知れば怖くて食べられない
そして昨日参加したある研修会で知ったことですが、米を煮る時に分解酵素の添加物を入れると、ふっくらと甘いご飯が炊け、寿司用に使われているとか・・・。まるで<古米>が<コシヒカリ>に変わる魔法の薬のようです。いままで普通米を上手に炊いているのだと思っていた自分が恥ずかしくなり・・・驚きでした。
消費者がうまい物を求め、それに応じて企業が添加物を考え出すという繰り返しのようでしかたないことかもしれませんが、何か忘れられていますね?。
野菜も土質の劣化や栽培方法の変化などで、昭和25年の頃の野菜に比べ、最近のものは栄養価が1/4以下になっています。
食の問題は健康被害も含め、今後さらに大きくなっていくと考えます。
様々な病名を調べる方法
毎日たくさんのご相談をお受けしますが、病院の診断名をお聞きすると実にたくさんの病名があります。
一般的なものはわかりますが、表現方法が変わったものや、日本語から英語表現になったもの、遺伝子に係わる新しい疾患など、どんどん増えてきます。この時、正しい知識を得るため、ネットで調べるのはもちろんですが、私はよく<メルクマニュアル>を使います。 http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/index.html
この情報は、米国のメルク社がつくり、日本では万有製薬が提供するもので、世界で最も信頼できる医学情報です。先日もソトス症候群(先端巨大症)のお問い合わせがありましたが、正確に状態を知り、病理、病機を知ることで、漢方としての捉え方ができ、適切な処方が考えられます。
ネットでの情報は玉石混淆で、正しいものばかりではありませんので、注意をして活用しています。
久々のアトピー再発!
アトピーの相談はよくあります。
症状がひどくても短期間で改善するケースと、症状は軽く改善は容易かと思ったものに限って、なかなか改善せず苦労するケースなど様々です。
33歳の女性Kさん、小児アトピー以来、長い間アトピーは治まっていたのですが昨年の夏から再発し、少しずつ悪化するので1月に相談にこられました。
肌は乾燥し、紅い部位が散在し、温まると痒みが強くなり、また目の周囲も赤くなっていました。漢方で<血熱燥風>という状態でしたので<温清飲>と<梔子柏皮湯>を使っていただきました。外用には評判の<漢方クリームS>を併用いただきました。2週間後、痒みは軽減し、1ヵ月後には赤みも改善しました。
その後来られなかったのでどうなったか心配していたのですが、先日再度来店され、前回はすっかり治ったので薬はやめたのですが、3週間前から再び発症してきたとのこと。今回は前と症状が異なり、少しジクジクしていたので、<消風散>を使っていただきました。
皮膚病の場合は特に、症状の程度ではなく、体質を正確に捉えられるかが改善のポイントになることを確認するものでした。
背筋が寒い!
一般的な冷え症の相談に対しては、<婦宝当帰膠>や<真武湯>などの補血剤や補腎剤をお使いいただいて改善しますが、背筋が寒いとか芯が冷え切っているという方にはこれらの漢方薬では力不足で、充分な改善が望めないケースがあります。
66歳の女性Kさん、肩こりが強く、肩の周囲も痛いと相談にこられました。体質は明らかな<お血体質>で、血流をよくして痛みをとるため<冠元顆粒>と<独活葛根湯>をお使いいただきました。
その後2週間でずいぶん楽になりましたが、今度は背筋が寒く、時々どこかに落ちていくような感触になる、また毎年夏でも背中にホカロンを入れているとのことでした。
これは血流が悪いために生じている症状と思われたので、その後も<冠元顆粒>を継続いただきました。そして1ヶ月後、身体は温まる感じがし、ホカロンが不要になりました。
長い間の症状だけに、1ヶ月でここまで改善するとは思いませんでしたが、ピタリと適合すれば漢方薬も早い効果が出るもので、とても喜んでいただきました。