繰り返す腰痛

61歳のKさんは以前から慢性腰痛があり、7月下旬にはギックリ腰を起こされ、相談に来られました。

まずはギックリ腰や神経痛に使う<疎経活血湯>をお使いいただき、2週間程度で楽になったのですが、まだ股関節に痛みがあるので継続いただきました。

その後旅行に行くことがあり、心配しながら行かれたのですが、幸いにも途中で痛くなることも無く、元気に帰ってきたとお電話をいただきました。この薬がぴったり合ったようで、これからも継続してしっかり治したいとのことでした。

この<疎経活血湯>は、特に坐骨神経痛や股関節痛に使っていただき喜ばれます。漢方でも痛みの疾患には適するものもたくさんあり、体質や症状で異なりますので、ご相談ください。

色紙のことば

先日岡山のホテルで泊まったとき、部屋にあった色紙の言葉

『人生山あり谷ありといいますが上から見るとただの1本の道。ウームムムム・・』

いろいろな意味に解釈できるとおもいますが、私は『人生に限らず、物事は見る方角を変えれば、また違って見えるものだ』という勝手な解釈をしました。 困ったときは違う面からみると解決方法が見つかるかもしれないし、人生も小さなことに一喜一憂することなく歩けばよいということでしょうか? ちょっとした言葉に考えさせられました。

不整脈が改善

66歳のTさん、20年前から時々脈が飛び、最近その頻度が増してきたので病院で検査を受けられたところ期外収縮との診断で服薬しておられました。しかし改善の傾向がないため漢方を求めてこられました。

Tさんは血圧100/60程度で脈拍は50回程度。自分でも脈が飛んでいるのがわかると言われていました。そこで体質に合わせて<炙甘草湯>と、牛黄製剤の<牛龍黄>をお使いいただきました。

そして40日後、病院で再検査を受けられた結果、不整脈もなく、心電図も正常、医師も全く問題ないとの判断をされたとのことでした。こんなに早く効くとは! と驚き、喜んでいただきました。また、最近は脈拍も70近くに上がってきて、血圧も安定しているとのことです。

牛黄製剤は、比較的即効性があり、よく使う漢方薬のひとつです。

抑肝散の話

先日のNHK番組「ためしてガッテン」では「アルツハイマー病制圧3原則」というテーマで放映されました。

その概要は、

1、有酸素運動をすること、

2、話し相手を持つこと

3、生活習慣病にならない食生活

が予防の3原則ということです。

さらに漢方薬が紹介され、「抑肝散」に、妄想や興奮などの周辺症状を抑える効果が確認され、2週間~1ヶ月飲み続けると効果が出てくると言われていました。そのため、放映直後からお問い合わせが入ってきましたが、テレビの内容は説明不足を感じましたので、少し補足します。

まず紹介されていました<抑肝散>は、主に興奮や妄想や暴力的な方に用いられますが、その他<帰脾湯>は貧血傾向の方や虚弱な方で、物忘れや不眠傾向の方に用いられます。

その他東洋医学会の発表などでも様々な処方が発表されています。例えば、<釣藤散>、<六味丸>、<補陽還五湯> <牛黄製剤>なども認知症に使われます。いくら認知症に使われるといっても、その方の症状と体質に合う必要があります。ご相談ください。

のぼせによる顔の痒み

56歳のYさんは、冷えのぼせのため顔が赤くなり、そのため肌が乾燥し痒くなるという相談を受けました。

詳しくお聞きすると、気分的にも不安定な時があるとのことでしたので、気分と冷えのぼせを一度に改善するため、血の道症に使う<加味逍遥散>をお使いいただきました。
さらに乾燥もあるため滋陰作用の<滋陰降火湯>を併用していただきました。

その後1ヵ月でのぼせも痒みも軽減し、2ヶ月で上部と下部の熱のバランスが改善されたのか、冷え症もよくなり、痒みはすっかり消えました。

Yさんは元々軟便気味だったのですが、この薬でおなかの調子もすっかりよくなりました。胃腸薬を使わなくても、全身の状態が良くなればおなかも良くなったようです。

漢方薬は少ない種類で多くの症状をまとめて改善出来るのが特徴で、今回はそれがよくわかるケースでした。

慢性的なむくみ

2年前からお越しのKさん、顔や脚のむくみが酷く、時には膀胱炎のような症状もありました。最初のころは利尿効果の<猪苓湯>などを使っていただいたのですが、あまり改善しないので<麻黄剤>に変えたところ顔のむくみが楽になりました。

その後保険が使える漢方薬を求めて病院に行かれたのですが、<五苓散>や<防己黄耆湯>などをもらわれてもむくみは改善せず、再びお越しいただきました。

睡眠状態を聞いてみますと、夢を見ない日がない、それもはっきりと見えるというので、今回は清熱化痰作用の<温胆湯>を使っていただきました。
このような水分代謝が悪く、且つ夢をよくみる方のファーストチョイスとして<温胆湯>をよく使います。Kさんはこれでむくみも睡眠も楽になったとご報告いただきました。

首がつまり苦しい

首から後頭部にかけて詰まった感じがし、ときには頭痛や頭重感がするケースはよくあります。同じような相談が連続してありましたので紹介します。

58歳の男性Yさん、後頭部が詰まって重苦しく頭重感がすると相談に来られました。実は以前にも同じ症状で来られ、<釣藤散>を5日分お渡ししたのですがそれが良く効いたのでまた同じものが欲しいとこられました。

釣藤散の効能は「慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向にあるもの」ですが、作用部位は後頭部を目標に使います。今回は3分でよいとのこと、効く事がわかっておられるようでした。

43歳の女性Kさん、肩こりから首がつまり、頭痛になる、背中も痛くて・・・という相談でした。舌診や望診では<お血タイプ>で、活血作用の<冠元顆粒>をお使いいただきました。1週間ほどで楽になりましたが、止めるとまた詰まるので、当面続けることにしました。血流を良くすることが根本治療になるかと考えられます。

肩こりでも人によって、体質によって薬は変わりますので、かならずご相談ください。

漢方サロンを開設しました

市兵衛薬局のすぐそばのビル内に<古村漢方サロン>をこのたび開設しました。

ここでは<女性相談会> <アトピー相談会> <美容相談会> などを、ゆったりした環境の中で行ってまいります。また、<食養生講習会> や <漢方ミニ講演会>など様々なイベントも企画中で、漢方普及、情報発信基地として取り組んでまいります。

詳細は逐次店頭で紹介させていただきます。

烏丸通りに面していて便利 

待合室

相談室

早速にミニ講演会を開催しました

頭重感の漢方

今日は京都は雨です。このようなときに頭が重くなり、あるいはずしんとした痛みが出る方があります。原因は外部の湿気や気圧が影響しているようで、漢方では水分の代謝をはかるものを使います。

40歳の女性Cさんは、以前からめまいや耳鳴り、耳閉感などで相談を受け、その都度改善していました。先日、上記のような雨天の時に頭が痛くなり、ムカムカするとのことでしたので、化痰・安神作用の<温胆湯>を1週間お使いいただきましたところ、その後の大雨のときも大丈夫だったと報告いただきました。

そこで薬をやめられたのですが、今日は再び重くなったと相談に来られました。漢方を飲んでいるときは良いのですが、1週間では当然根本的な解決にはなっていませんので、しばらく継続していただくことになりました。体質が変わるには時間がかかることを理解いただきました。

頭重感に使う漢方薬は、これ以外にもいくつかあります。体質によっても異なりますのでご相談ください

倦怠感が続く

38歳の女性Hさんは数年前から倦怠感があり、頭がボーとする、朝起きが不調、集中力がない、食後眠くなるなどの症状があり、特に病気でもないので漢方薬を求めて来られました。

このような症状は漢方で<気虚>といい、これに対応する代表的な処方<補中益気湯>などを使っていただきました。漢方薬Hについては先日のブログにも書きましたが 様々な方に使える有名なお薬です。

Hさんにはまず2週間お使いいただきましたが、短期間で身体が楽になり、朝起きもよく、眠気も軽減したと喜んでいただきました。

漢方薬Hは主として<補気健脾・升提>に使いますが、このほか低血圧や自律神経障害、脱肛、アトピー、男性不妊、慢性疾患など書ききれないほどのたくさんの症状に応用される優れたお薬です。