猪苓湯の効果

先日結石の方の話を書きましたが、漢方薬を服用後5日ほどで石が自然に排出されたとのことで、喜んでいただきました。石は小さなものだったのですが、出てしまうと痛みもすぐに消えました。

<猪苓湯>を使ったことは以前にも何度もありますが、ほとんどが1週間以内に効果が見られました。漢方薬の中でも即効性があり、期待を裏切らないものの一つです。

小豆粥

先日、1月7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草がゆ」の日、最近は「七草セット」が販売されていて簡単に手に入りますが、ご家庭で作られましたか?もし忘れた方は・・・この次は<小豆粥>です。

昔から小正月(15日)には、14日の夜にはずしたお飾りを15日の朝に燃やし、その火で小豆粥を炊き、お餅を入れて食べる習慣がありました。これで1年の邪気を払い万病を防ぐという意味が込められています。

小豆は生薬名<赤小豆>といい、その効能は、利尿消腫(小便を出しむくみを去る)、解毒排膿(瘡瘍などを治し、膿を排出する)などで、むくみ、脚気、黄疸、化膿症などに使われます。

七草粥とは一味違った小豆粥をお楽しみください。

甘草による偽アルドステロン症

漢方薬に含まれる<甘草>によって、まれに高血圧や浮腫を生じることがあります。

今年初めてのこの症例を紹介します。

43歳の女性Yさん、冷え症や疲れで相談を受け、<婦宝当帰膠>と、<加味逍遥散>をお使いいただきました。10日ほどして、急に体重が5Kgほど増え、おかしいと思って病院で検査を受けられましたが原因不明で、当店にこられました。

詳しくお聞きすると、明らかに<偽アルドステロン症>で、すでに漢方薬は中止しておられましたので、代わって浮腫をとるため<漢方薬T>をお使いいただきました。

Sさんは中医学にも明るい方ですぐに中止されていましたが、やはり驚かれたことと思います。

この漢方薬に含まれる甘草成分は1日量1,6gで少ないのですが、それでも発症する場合もあり、特に腎機能低下の方や疲れが酷い方のばあい注意が必要です。また、漢方薬以外にも健康食品、市販胃腸薬、醤油、のど飴、など食品の甘味料として使われているため、その分と重なると1日の摂取量が増えますので、それが原因となる場合もあります。

回を重ねるたびに慎重になります。

サルノコシカケ

山に行くと広葉樹だけでなく、松などにも大きな<サルノコシカケ>が付いていることがあり、これらを採ってきて買ってくれないかと持ち込まれる方がありますが、成分が明らかでなく使うことはありません。

当店では、信頼できる生薬メーカーからの<コフキ サルノコシカケ>を<寄生>として販売しています。

かつては民間薬として、解熱薬や心臓病の薬代わりに用いられていたこともあるとか。また免疫にも効果があり、癌の予防にも使われてきました。最近はその他のキノコ製品が増え、また飲みやすく錠剤や顆粒タイプのものがあり、お茶として使うものは少なくなりましたが、日ごろから健康茶として使うには最適の商品です。

ステロイド剤と漢方薬

ステロイドホルモン剤は様々な疾患に使われますが、その副作用軽減のためとして<柴苓湯>が病院から出されることがあります。

<柴苓湯>とは<小柴胡湯>と<五苓散>という薬を合わせたもので、効能は「和解半表半裏+利水」といいます。この意味は、病邪が身体に入ってきて、身体の防衛能力(正気)が負け気味な状態で出現する症状、例えば悪寒と発熱が交互にでる、食欲がない、ムカムカする、胸騒ぎがする、めまいがするなどを改善するというものです。

しかし、この薬がステロイドと併用すると良い結果が出ているので、『ステロイドには漢方薬S』のような誤った使い方がされる傾向にあります。お客様からもステロイドを使っているので漢方薬Sをくださいと言って来られることもあります。

○○病に○○湯という『病名漢方』は漢方の信頼を落とす場合がありますので、必ず相談の上でお決めください。

熊胆の味は?

熊胆はクマノイともいわれ、熊の胆嚢・胆汁を乾燥したもので、昔から大切に使われてきました。昨今は動物保護の関係から流通量も少なく、高価なものになっています。

熊胆の効能は、中医学では清熱(胃熱をさます)・明目(目の腫れや炎症に)・解毒(解毒作用)・止痙(ひきつけや痙攣に)に使われますが、日本では古来より万能の胃腸薬として使われてきました。

天然ものだけに、使われるロットによって味が異なるのですが、長い間熊胆を愛用されているOさんは、甘い味がする熊胆は飲んでも胃がすっきりしないが、苦味が強いものは飲んですぐに効果が現れ、食欲が増し元気になるといわれます。

生薬は一般的に、成分分析の結果だけでなく、味や香りも大切な要素なのです。

自然のめぐみ 3

今日は花を愛でる植物を紹介します。

<イカリ草>

雑木林の明るいところに、小さな紫色の花を咲かせているイカリ草を見つけました。

大きくなった葉を集めて乾燥したものを生薬<インヨウカク:淫羊かく>として用います。漢方では補腎壮陽、筋骨を強めるものとして使われ、また民間では滋養強壮のための薬用酒材料に用いられていて、当店も常時在庫しています。

今年もジオウの花が咲きました

春眠暁を覚えずといわれるように、春先は眠いものです。なんとなくだるくて、ボーっとするのもこの時期ですね。

そのため朝方起きられない方にお勧めしているのが<瓊玉膏>です。

滋養強壮剤となっていますが、漢方では<肺腎陰虚>に使うとされ、主成分の麦門冬や天門冬には肺の滋潤作用があり、地黄には補腎効果があります。また、人参や地黄には血糖降下作用もあり、様々な効果があわさって、身体を元気にしてくれます。

そして、今年も地黄(アカヤジオウ)の花が咲きました。

あかちゃんとマクリ

マクリとは紅藻類の海人草のことで、江戸時代よりアヤギヌ(鷓鴣菜)とともに虫下しとして使われてきました。

戦後も学校で蛔虫の駆除用に生徒はいっせいに飲まされました。くさくてマズイお茶でした。これを胎毒を下すものとして使われる方もあるようです。

一方あかちゃんの胎毒下しは、本来は生薬を組み合わせた漢方処方で、

海人草に加え

大黄・・・便通をつける

紅花・・・血流をよくする

黄連・・・解毒作用など、

いくつかの生薬をあわせてつくるものです。

産後早めに飲ませると、出産時に口から入った毒素を排泄し、アレルギーや様々なトラブルの予防になると言われます。今も時々求めてこられます。

田七人参の働き 2

バイアスピリンや血管拡張剤の副作用で出血傾向が現れた場合に田七人参含有健康食品を併用することがあります。

Kさんがこれを飲み始めてから8日ほど経過後、様々な変化がありました。

以前は少しでも手足がぶつかると内出血を起こしていたのが、その後は内出血がおこらない、

歯磨きをしたときの口中出血が減った、

病院で痔が再発したのですが、その出血が改善した、

その後の採血時の止血が早くなり、内出血を残さない

など、たくさんの症状が改善されととのことです。

田七人参は健康食品ですが、不思議な作用をするようです。