生薬・民間薬
初めて知った梹榔(ビンロウ)
お正月を利用してある地に行ってきました。それぞれの国や地域には様々な<変ったもの>がありますが、今回は<梹榔・ビンロウ>を知りました。
ビンロウは椰子科の植物で、葉っぱに石灰を塗りつけ、ビンロウの実に巻いたものが道路際にたくさん売られていました。元は台湾の先住民族の嗜好品といわれますが、今は台湾では煙草と同じような嗜好品として売られています。
このビンロウには覚醒作用があり、興奮状態や目覚ましの効能があると言われ、運転手に好まれます。ビンロウを噛むと真っ赤な唾液が出てきます。これは飲まず吐き捨てます。そのあと、汗が出てきて、神経を刺激しているのがわかります。しかし、美味しいものではありません。
日本では麻薬に分類されているようで持ち込み禁止ですが、台湾では合法で18歳未満の者だけ販売禁止となっています。農家の貴重な収入源ですので、台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う状況のようです。
なお、漢方では檳榔子の果皮である<大腹皮>という生薬を、整腸作用や利水作用に利用し、腹痛などのときの薬として使われます。
梹榔の実と石灰を塗った葉
出来上がった<梹榔>
噛んだあとの真っ赤な口
食物繊維摂っていますか
先日のテレビ朝日「たけしの本当は怖い家庭の医学」は、食物繊維と血糖値の話題でした。
糖尿病の要因としては、家族性、過食、糖分の摂りすぎ、運動不足などがありますが、特に注意することは食後血糖値が急激に上がらないようにすることです。日本人の主食の米飯には100g中に約32gの糖分が含まれますので、意外と知らないうちに糖を摂っているのです。
そこで番組では、血糖値の上昇を緩やかにする<水溶性食物繊維>を豊富に含んだ食材を組み合わせて取る、たとえばひじき、キノコ類などがよいと紹介されていましたが、毎日継続することが大切になります。
当店では、食事や運動などの生活改善に加え、オオバコの種皮成分であるサイリウム(ほとんどが水溶性食物繊維)を多く含む健康食品</HJ0132.html”>健康食品I>を、食後にとることをお勧めしています。
食物繊維は大腸に生息するビフィズス菌の栄養源となり、悪玉菌の増殖を抑える働きもあります。
1日に必要な食物繊維量20g以上を摂ろうとすると、干しシイタケで50gとか、切干大根の乾燥したもの120gを食べる必要があります。もちろんその他の野菜で摂取できるのですが、意識的に食べないとなかなか必要量にならないようです。お通じを良くするためにも必要な栄養素なのです。
婦宝当帰膠の事例を紹介します
当店のお客様が綴られているブログ<ど35生活>は、京都の美味しい店や美味しいもの、特にパンについてはダントツの種類が写真とともにアップされているという、食通+パン通には欠かせないものです。
そしていずれの写真も美味しさが溢れんばかり、アングルもプロ級の写真で構成されています。
以前にもこのブログに当店を紹介いただきましたが、
http://sanko35san.exblog.jp/9747902/
今回は<婦宝当帰膠>の効果を紹介いただきました。
http://sanko35san.exblog.jp/9886290/
さんこさんは以前から貧血気味でヘモグロビンの値が低かったのですが、2週間前から漢方薬Fの服用を再開され、検査を受けられたところ、数値が11.0まで改善したとのことでした。そしてさらに値を高めるべく、<胆煮>を作って頑張っておられます。元気の源はやはり食事ですね。
さんこさんは、元々飲食系のお仕事なので料理はお得意なのでしょうが、ブログからその香りが漂ってくるような迫力ある写真で、一挙に食欲がわいてくる<胃薬>のような?作品です。ぜひご覧ください。
抑肝散の話
先日のNHK番組「ためしてガッテン」では「アルツハイマー病制圧3原則」というテーマで放映されました。
その概要は、
1、有酸素運動をすること、
2、話し相手を持つこと
3、生活習慣病にならない食生活
が予防の3原則ということです。
さらに漢方薬が紹介され、「抑肝散」に、妄想や興奮などの周辺症状を抑える効果が確認され、2週間~1ヶ月飲み続けると効果が出てくると言われていました。そのため、放映直後からお問い合わせが入ってきましたが、テレビの内容は説明不足を感じましたので、少し補足します。
まず紹介されていました<抑肝散>は、主に興奮や妄想や暴力的な方に用いられますが、その他<帰脾湯>は貧血傾向の方や虚弱な方で、物忘れや不眠傾向の方に用いられます。
その他東洋医学会の発表などでも様々な処方が発表されています。例えば、<釣藤散>、<六味丸>、<補陽還五湯> <牛黄製剤>なども認知症に使われます。いくら認知症に使われるといっても、その方の症状と体質に合う必要があります。ご相談ください。
補中益気湯は医王湯
補中益気湯は、食欲がない方、病後の体力低下や、男性不妊で精子問題がある方、あるいはガンの方もよく使われ、比較的知られた漢方薬です。
この薬、元々は中国の金代に李東垣という人が考えた処方で、それ以来750年間使われてきた<名処方>です。それゆえ、脾胃を補う医の中の王道の妙剤として<医王湯>とも言われます。
ところがこの薬は弱ったところを補う薬で、元気な人が服用してもあまり実感がないものだと思っていたのですが、これが間違いであることに最近気づきました。それはお客様から教えてもらったのです。
不妊症で奥様が漢方相談にこられていた方、<夫婦同治>の意味でご主人の精子も良い状態にしておきたいと奥様が買っていかれたのですが、それを飲んだご主人が疲れなくなってとても調子がよいとのことでした。
50歳代の会計士さん、最初は知人から聞いて漢方薬Hをお使いいただいたのですが、ちょっと疲れている時にこれを飲むとすぐに回復するとのこと。特にこの時期は夏ばてになりがちですが、この薬で毎年元気に過ごせるようです。
つまり、元々元気なタイプ、漢方では実証タイプの方でも、疲れが酷くなると漢方薬Hが適応するのです。人間の元気の源は脾胃(胃腸の働き)にありますので、それを元気にする<漢方薬H>は薬の王様ともいえますね。
民間薬・メグスリノキ
日本の民間薬はたくさんありますが、その中でもよく問合せを受けるのが<メグスリノキ>です。かすみ目や疲れ目などにお茶として使っていただいていますが、最近は白内障や網膜症などの予防効果も言われています。
この植物はカエデ属カエデ科の落葉広葉樹で、東北地方に多いと聞きます。この樹皮に含まれる成分のロドデンドロールが、肝機能を高め、解毒作用があると言われいます。漢方では肝臓と目は強く関係していると捉えますので、メグスリノキも肝臓に働いて目に作用するということがわかります。
当店で一番長くお使いになっている58歳の男性Kさんは、今から13年前に野球をしていてボールが目に当たり、病院では網膜剥離寸前の状態との診断を受けました。その後<メグスリノキ>と<杞菊地黄丸>を13年間根気よく続けられ、現在も全く異常なく過ごされています。
メグスリノキが効いたのか、漢方薬Kが効いたのか、あるいはKさん自身の治癒力によるものなのかはわかりませんが、結果として失明することなく元気に過ごされていることは本当にうれしいものです。民間薬は作用は穏やかでお茶として使われますが、長期に続けることによって効果を発揮するものもたくさんあります。先人の知恵を活用したいものです。