甘草による偽アルドステロン症

漢方薬に含まれる<甘草>によって、まれに高血圧や浮腫を生じることがあります。

今年初めてのこの症例を紹介します。

43歳の女性Yさん、冷え症や疲れで相談を受け、<婦宝当帰膠>と、<加味逍遥散>をお使いいただきました。10日ほどして、急に体重が5Kgほど増え、おかしいと思って病院で検査を受けられましたが原因不明で、当店にこられました。

詳しくお聞きすると、明らかに<偽アルドステロン症>で、すでに漢方薬は中止しておられましたので、代わって浮腫をとるため<漢方薬T>をお使いいただきました。

Sさんは中医学にも明るい方ですぐに中止されていましたが、やはり驚かれたことと思います。

この漢方薬に含まれる甘草成分は1日量1,6gで少ないのですが、それでも発症する場合もあり、特に腎機能低下の方や疲れが酷い方のばあい注意が必要です。また、漢方薬以外にも健康食品、市販胃腸薬、醤油、のど飴、など食品の甘味料として使われているため、その分と重なると1日の摂取量が増えますので、それが原因となる場合もあります。

回を重ねるたびに慎重になります。