今年を締めくくるうれしいお便り

『声が出にくい』という相談を受けてから約1年間、Kさんとはメールでやり取りをしながらお薬を変えてきました。そして少ししずつ改善傾向はあったのですが、今日はずいぶん良くなって『まだ十分ではないですが、以前に比べると楽で、本当に嬉しいです。』とのご報告をいただきました。

Kさんは「話し始めに声が出にくく、力が入ってしまう」という症状で、漢方では<肺腎陰虚>の証ととらえ、滋補肺腎のお薬を使ってきました。

最初は<麦味参顆粒>で口渇と咽のかすれが改善し、次の<ケイギョク>で、声の出やすさは少し良くなり、<双料参茸丸>で使い疲れにくくなったなど、様々な改善はあったのですが、声が出にくいのがなかなかスッキリしませんでした。

そこで<百合固金湯>に近い煎じ薬をお使いいただきましたところ、一気に良くなり嬉しいメールをいただきました。

この症状の原因と対処法はわかっていても、使う処方によって結果に差が出ます。今回は最後の手段として煎じ薬を使っていただきましたが、これなら最初から煎じることをいとわず、お使いいただいたほうが良かったのかと思いました。

いずれにしても年末に良い報告をいただいたことが嬉しいです。Kさん、ありがとうございました。

これを食べてはいけない!

年末になると京都では、<京の台所>と言われる<錦市場>

http://www.kyoto-nishiki.or.jp/

にお正月の食べ物を買出しに行く人がふえ、今日もいっぱいの人で歩けないほどです。地元の新鮮なものや産地直送などが多く、安心して買えるのが特徴です。

話は変わって、先日から<これを食べてはいけない>という本を読みました。

http://www.mikasashobo.co.jp/book/ISBN4-8379-2248-1/?author=214&line=ka

今年問題になったニセモノ原料の食品や、添加物の問題などを書いたもので、以前には<食品の裏側>という同様の本もありました。

http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?isbn=22266-9

これらの本を読むと、食べてよいものが無くなるというほど、問題食品が氾濫していることがわかります。こういった添加物があって今の食品流通が成り立ち、恩恵をこうむっていることは否定できませんが、将来に食品公害といった禍根を残すことの無いよう祈るばかりです。漢方は3000年以上の臨床を積み重ねて安全性が検証されていますが、食品添加物はまだ数十年の歴史で、しっかり見ていく必要があると思いました。

お正月、飲んで食べての一時、退屈しのぎに?読んでみてください。

蓄膿症の再発

慢性鼻炎や蓄膿は体質が原因で起きることがほとんどで、体質が変わらなければ慢性化したり、再発を繰り返します。

40歳の男性Hさん、20年前に蓄膿の手術をしましたが今回再発し、相談に来られました。症状は鼻の周囲が腫れ、目の近くに蓄膿がある、熱っぽいとのこと。医師から手術をするよう言われているが、できればしたくないとの話でしたので、<荊芥連翹湯>と<排膿散及湯>を使っていただきました。

その後3ヶ月きっちり服用されたこともあり、痛みや腫れも治まり、手術も不要になったとの報告を受けました。Hさんは少し肥満気味で、漢方では痰湿タイプといい、水分が身体に溜まりやすい体質ですので、症状の改善後は体質改善に変えていくことになっています。

子供の喘息

文部科学省が公表した「平成19年度学校保健統計調査速報」によると、満5歳~17歳までの児童・生徒の健康診断の結果、子供の喘息が過去最多になったということです。

その結果、2007年度の喘息にかかっている子供の割合(被患率)は、幼稚園では2.2%、小学校3.9%、中学校3.1%、高等学校1.8%で、10年前の2倍になっているそうです。また、蓄膿症やアレルギー性鼻炎の子供も増加しています。

原因は様々で、環境汚染や食物の添加物、食事内容の変化などが考えられると思いますが、漢方の立場でから見ると一番気になるのは<冷飲・冷食> <クーラーなどによる冷え>が一番気になります。

そして、相談に来られた子供さんには<衛益顆粒> <葛根湯加辛夷川きゅう> <麻杏甘石湯>などを使い、滞った水分を減らし、身体を温め、アレルギー体質改善することで改善していきます。あわせてお母さんに対して、水分摂取を制限し、冷たいものを止めるように生活改善するよう話します。その方の環境によって原因様々でしょうが、結局ご両親が気をつけてあげることでかなり改善、または予防ができると考えます。

便利な生活が病気を生んでいますので、昔の生活を見直すことも必要ですね!

治りにくい咳

風邪の後に咳だけ残ることはよくありますが、風邪に関係なく咳がいつまでも続いて治らないというケースが最近多く見られます。

59歳の女性Oさん、以前に比べ最近咳が治りにくくなったと相談に来られました。状況をお聞きすると、痰はなく乾燥の咳で、朝方は楽なのに昼から夕方にかけて酷くなり、咽の痛みはないが乾燥感があるとのことでした。年齢的にも身体の<津液>が失われて乾燥しやすい体質<陰虚>になると考え、乾燥咳の代表処方の<麦門冬湯>にあわせて<滋陰降火湯>をお使いいただきました。

その後1週間ほどで咳はほぼ改善しましたが、薬がなくなると再び咳が出るようですので、しばらく継続していただくことにしました。このような咳には漢方薬はほぼ即効性があります。

ポリープができやすい

85歳の女性Oさん、足取りもしっかりとし、顔色も良く、その年齢には見えない元気な方です。3年前に大腸ポリープが見つかり、2回にわたり内視鏡で切除されたのですが、85歳という年齢のこともあり、手術せずに治らないかと2年前に相談にこられました。

それ以降<ササヘルス>をお続けいただき、また便秘がありスッキリ出ないとのことでしたので、穏やかな便秘薬の<ハーベルシー>に加え、腸内をきれいにし、便をスッキリ出させる<イサゴール・プラス>をお使いいただきました。

その後便通は良くなり、便秘薬も半分で、時々使うだけでよい快便になり、今回大腸検査をされた結果もポリープは小さいものがあるだけで切除は不要との結果でした。ポリープに対しては以前から<ササヘルス>をお勧めしてきましたが、いつも期待に応える結果をもたらしてくれます。また、<イサゴールプラス>の食物繊維の併用が良かったのかもしれません。

いずれにしても高齢の方の場合は、できるだけ身体に傷をつけることなく改善できるのが望ましいと思います。

子供が風邪をひきやすい

風邪が流行っています。特に子供はちょっとした気候の変化で風邪を引きやすく、学校でもらってくることも多くなります。

風邪を予防するために、この季節には大人も子供も<板藍茶>をお勧めしていますが、根本的に風邪を引かない身体をつくるため子供には胃腸を丈夫にすることを優先します。

7歳の女の子Hちゃん、元々風邪を引きやすく、体重は18Kgで平均値23Kgを下回ります。寒がりで、食も細く、食後に時々胃痛も起こるので相談にこられました。そこで子供の漢方薬として昔から使われる<小建中湯>と風邪を引きにくい体質をつくるため<衛益顆粒>を使っていただきました。

1ヵ月後、胃痛は起こらなくなり、2ヵ月後減少していた体重も元に戻り、元気になってきました。少し状況が好転したので、今回は<黄耆建中湯>に変え、継続していただいています。

子供は冷たいものを欲しがりますが、おなかが冷えると胃腸機能も低下しますので、これから寒い季節は特に冷たいものを与えないよう、親が気をつけるべきです。最近は様々な点で子供に対する厳しさが低下しているように思われますので、店頭では努めて親に注意するよう話しています。

リウマチ様症状が増えています

寒くなってくると特有の相談が増えます。

一番は冷え症と風邪や咳ですが、その他頻尿、膀胱炎、神経痛、頭痛、そしてリウマチに見られるようなこわばりや関節炎です。

リウマチの診断基準は次の6項目の内の3項目が該当すればリウマチと判定するようです。

①3つ以上の関節の圧痛と運動痛 
②2つ以上の関節の腫れ 
③朝のこわばり 
④リウマトイド結節(皮下結節) 
⑤CRP陽性・血沈値が20mm以上 
⑥血液検査でリウマトイド因子がある

しかし、最初からリウマチの検査に行かれる方は少なく、冷えによる関節炎と思われて漢方相談に来られます。

漢方ではこれらの原因の多くが<寒湿>と捉え、身体を温めることと湿気の滞留をなくするような漢方薬を使います。例えば<桂枝加朮附湯>や<よく苡仁湯>など、症状と体質にあわせて使いますと、短期間で症状改善は望めます。しかし、リウマチであるか否かは判断できませんので、合わせて専門医の診断を受けるよう薦めています。

昨今、冬の時期になっても若い女性の間ではショートパンツをはいている方を多く見かけますが、冷えが様々な病気の原因になっていることに気づいてほしいものとつくづく思います。

慢性腰痛の原因は?

先日の新聞記事で慢性腰痛の話が書いてありました。

福島県立医科大学の紺野先生によると、従来腰痛の原因は腰椎の変形や異常によるものと考えられてましたが、異常がなくても腰痛がある人が7割、MRIで異常が認められたのが3割とのことです。そして異常のない腰痛の原因は、不安やストレスなど、心理的、社会的要因が関連しています。また、椎間板ヘルニアの人でも、手術をしなくて治る人が約半数あるようです。こういった整形外科の疾患でも、ストレスが大いに関連していることを再確認できました。

実は、漢方では以前から腰痛やギックリ腰はストレスに関わるとしてよく知られていて、漢方医の故・相見三郎先生は気分の病(現代の言葉では、自律神経失調症に相当する病)による腰痛には<桂姜棗草黄辛附湯>という漢方薬が即効性があるといわれ、以来漢方界ではよく使われて実績があります。

昔から行われていた漢方の智恵が、西洋医学でますます明らかになっていくことは喜ばしいことです。

そういえば先日から当店のスタッフも腰痛を発症していましたので、このブログを読むように言わなければ!

インフルエンザに漢方薬

インフルエンザが流行しはじめたことはメルマガにも書きましたが
http://kanpou.cocolog-nifty.com/kanpou/2007/12/20071205_b3c5.html

今年は抗インフルエンザ薬の<タミフル>が10代では使えなくなりました。また、吸入タイプの<リレンザ>も副作用が発生との新聞記事がでて、注意を呼びかけています。

これらの新薬の良い点もありますが、漢方薬も見直されています。昨年は漢方専門医もたくさん<麻黄湯>を使われ、良い成果が報告されています。

私が説明するより、日経BPの記事にまとめられていましたので、一部紹介します。ぜひ参考にしてください。
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/353/353538.html

以下、日経BPより

麻黄湯は、添付文書にも、「インフルエンザ(初期のもの)に効果がある」と記されている。麻黄湯は古くから、発熱や頭痛、首筋・肩・背中・腰など全身の筋肉や関節の痛み、動悸(どうき)、息切れ、寒け、咳、鼻詰まり、のどの痛みなど、さまざまな症状に効くといわれてきた。こういった症状が、現在のインフルエンザでみられる症状と一致していると考えられ、医師にも広く使われている漢方薬だ。(中略)

最近、A型インフルエンザだと診断された患者を対象に、抗ウイルス薬、総合感冒薬、麻黄湯のそれぞれを投与して、効果を比較した研究が報告された。この研究によれば、麻黄湯を投与した群で、総合感冒薬に比べると、急性気管支炎、肺炎の発生率が低下することが明らかになった。

さらに、発熱日数を比較したところ、麻黄湯を投与した群は、抗ウイルス薬と同じくらいの短期間で済んでいることが分かった。最も発熱期間が長引いたのは、総合感冒薬だった。古くからある漢方薬は、新しく登場してきた薬に負けず劣らずの力を秘めているのかもしれない。