月別: 8月 2007
こどもの痙攣発作
先日てんかんの話を書きましたが、病院でてんかんと診断されてはいないが痙攣を起こすというケースがあります。
10歳の女の子、今年になってから3回痙攣を起こし、病院ではてんかんの薬を勧められましたが、服用が気になるので漢方を希望され相談を受けました。
詳しくお聞きすると、以前より大きな音に敏感であったり、癇が強い、疲れると発作が出るようだとのこと。そこで気分を安定させるため<桂枝加竜骨牡蠣湯>を使っていただいたところそれ以降痙攣発作は起きず、2ヶ月経過して身体も疲れにくくなり、順調にすごしておられます。
子供の痙攣は西洋医学的な検査が必要ですが、病院で特に問題ないとされた場合は漢方薬が安心して使え、且つよく効きますのでお勧めです。
ストレスと湿疹
湿疹の原因は様々で、なかなか治りにくいものや思わぬことで良くなるケースもあります。今日はその良いほうの症例です。
23歳の男子学生さん、胸部、腹部、腕、背中などに赤く小さな発疹がたくさん発生し、汗で悪化したり、食後やお風呂で温まった時に痒みが強くなり、睡眠中も引っ掻いているようでした。また便秘気味で、季節に影響すること、上半身に集中していることなどを考え合わせ、神経症状に使う<加味逍遥散>や、清熱作用で便通をよくする<清営顆粒>を使っていただきました。
14日後、少し熱っぽさは取れたものの湿疹は良くならず、さらに<黄連解毒湯>を加えて14日経過し、湿疹はすっかり消えてしまいました。
あまりの早さに驚き、詳しく経過を聞いたところ、難しい国家試験を受けるため無理してきたことが関連していたようで、テストが終わってから良くなって来たとのこと。漢方薬だけでなく、ストレスから開放されて、血熱がとれたことがポイントとなったようです。
ストレスが身体にいかに影響するかを学びました。
プラタナス・グンバイ
最近当店周辺のプラタナスの葉が変色して黄色くなってきたので、これは猛暑のせいかと思っていたところ、実はプラタナス・グンバイという北米産の昆虫が食い荒らしていることがニュースで報道されていました。(写真:右は正常、左は枯れ始め)
この昆虫は3mm程度の小さなもので、かなり繁殖している様子で、急激に葉が減少してきています。
人間も鳥インフルエンザやSARS,狂牛病のように国際的な感染がいつも問題になりますが、昆虫も国際化していることを実感しています。そして地球温暖化に伴って、動物や昆虫の動きがさらに異常になったりすると、環境破壊が進んでいることへの警鐘なのかなとも感じます。
この2~3日の異常な暑さも同様で、地球の未来に不安を感じざるを得ません。
てんかんの症状?
昔から<てんかん>は、突然倒れて泡を吹く病気とされてきましたが、最近は必ずしもそうではないといわれます。
またその原因は、脳の損傷や神経の異常とみられていますが、根本的な原因は明らかではありません。症状は個人差があり、病院の判断もマチマチのようです。
8歳の男の子、3歳頃から毎日腹痛を訴えたり、集中力がなかったり、目をまばたきさせたり、チック症のような症状も続いていました。病院ではてんかんと診断が出て、西洋薬を服用していましたが、しばらくすると薬が効かなくなるため困っておられました。
また、別の病院では<てんかん>でないとの診断を受けたため、漢方相談にこられました。
漢方では病名には関係なく症状や体質によって考え、この子供さんには<抑肝散>のエキス散剤を使っていただきましたところ、腹痛が治まり、落ち着きが出てきて、さらに夜尿症も改善しました。その後中断していましたが、再び症状が出始めたため再度来店され、継続することになりました。
昔から子供の<疳の虫>が強い、<肝気>の高ぶりには、漢方薬が安全で、且つ長期間使えることをお話しておきました。しばらくすると再び改善するものと思われます。