漢方薬を効能以外に使用する

漢方薬の外箱に書いてある「効能・効果」とは全く違った用途・目的に用いることがしばしばあります。

漢方を専門的に取り扱っている店なら、このような使い方は当然のことなのですが、お客様は不信感をもたれることがあり困ります。漢方薬を継続して使われている方は信頼しきっていただいていますので、薬の説明を全く要求されませんが、初めての方の場合は不安があり、理解できないようです。

今日来られた方、中性脂肪が長い間高く、なかなか下がらないとのご相談でした。この症状にはたくさんの漢方薬がありますが、体質や、脂肪肝傾向との話を総合し、<扁鵲>を紹介しました。しかし、外箱の効能・効果には『脂肪過多症』だけ記載され、中性脂肪の文字はありません。また、「そんなに太っていない」という意識があるようで、話しても理解は得られませんでした。

この漢方薬は水毒や体毒を去り、血液循環をよくすることで脂肪過多を改善し、中性脂肪軽減に実績があるのですが・・・。

また、<温胆湯>もコレステロールや尿酸値が高いような、痰湿タイプの方に用いるのですが、効能書きは『胃腸衰弱者の不眠・神経症』で、自分はそんなタイプとは違うと言われます。

西洋医学的な基準に基づく薬事法だから仕方ないのですが、効能・効果の表記内容は困ったものです。