動物生薬のはなし 3

動物生薬でみなさんよくご存知の<鹿茸>は、マンシュウジカのまだ骨質化していない幼角を使います。この角は、鹿の生後3年目から毎年生え変わるもの、それを切り落として使われます。

鹿茸は、発育や造血機能を促進する作用があるといわれ、漢方では補陽薬、補腎薬としてよく使います。不妊症、発育不全、疲労回復、自立神経などに使いますが、精力剤としても人気があります。特に高齢で冷える方には即効性が期待できます。鹿茸は少し臭いがありますので、カプセル入りが飲み易いようです。

動物生薬のはなし 2

昔から日本でよく使われている動物生薬に「牛黄=ごおう」と「熊胆=ゆうたん」があります。

   

いずれも以前からニセモノや粗悪品が多くあり、仕入業者や製造業者は細心の注意を払っておられるようです。ニセモノでなくても天然のものだけに、入荷する毎に味や色が異なりますので気を使います。

  

牛黄は独特の苦味と香りがあり、飲んでしばらくしたら甘みのようなものもあります。熊胆は苦味が強いほうが良いようです。当店にも熊胆ご愛用の方がおられるのですが、生産ロットの異なる毎に味が異なり、飲んだ感想を教えていただけます。苦味の強いものは食欲が出るのですが、甘みがあり粘りがあると気分が悪くなり、食欲は低下するようです。それほど動物生薬は良く効きますし、即効性があります。

  

牛黄製剤の使用例を、最新のメルマガに詳しく紹介していますので是非ご覧ください。きっとお役に立つと思います。   

動物生薬のはなし 1

動物生薬は、人間に不足しているために起こる症状に対して、他の動物の同じ臓器からとってきて補うという考え方で使われています。

  

例えば、胎盤のエキスが紫河車とかプラセンタとしてホルモン様作用を期待して使われ、虎の骨が関節炎の痛みに使われましたが、現在「虎骨」は動物保護の関係上使用禁止になっています。また豚の肝臓エキスは、レバー製剤として肝臓の働きを助ける薬になり、熊の胆嚢(熊胆=ゆうたん)が胃腸薬や胆石に使われています。鹿茸は補陽剤として体を温め、強壮剤としてよく使います。

  

いずれも、植物系の生薬より効果が早く、良く効くもので、即効性を求める現代人には大いに適しているのではと思っています。

ちょっと一息

山道で雨にぬれたサラシナショウマの白い花を見つけました。夏になるとさらに大きくなります。生薬名は升麻といい、漢方薬では脱肛に用いる漢方薬<補中益気湯>や、はしかのとき、発汗解熱剤としての漢方薬<升麻葛根湯>に用います。

 

近くにはヤブカンゾウの花が鮮やかなオレンジ色で咲き誇っていました。民間薬として利尿に用いられます。古くから「忘れ草」ともいわれ、辛いことを忘れることが出来るそうです。

 

漢方好きの子供

子供に漢方薬を飲ませるとき、まずくて子供が飲まないという方は、たいてい親も飲めない方が多いのです。薬は苦いもの、薬はまずいものという親の感覚が子供に伝わり、飲まなくなってしまうのです。

  

逆に、親が漢方薬を飲んでいる方の子供さんは、2歳の子でも平気で飲みますし、飲みすぎにならないよう注意が必要なくらいです。

野菜や果物(トマト・スイカ・リンゴ・トウキビ)など、すべて甘いものが良いもののように言われ、且つ好まれる時代だからこそ、『苦い味』も子供に教えておくことも必要と思います。

梅雨時期の漢方 6

大雨かと思えばまた猛暑、全く不順な天候に身体もついていかない今週でした。

そのため今日も同じような問合せが続き「足がむくんで、夕方になると重くなって

身体がしんどい、今の薬が合わないのでは?」ということでした。

その他には、頭帽感で頭が重い、鼻が詰まる、顔が腫れるなどの問合せもあります。

すべてこの時期の『湿気』が原因で、7月中旬になれば解決すると回答していますが、あまりひどい方には<五苓散>を使っていただきました。暑くなって水分の取りすぎになっているのも一因ですので、生活上での注意は、《クーラーで冷やさないこと》《夜間に水分を取りすぎないこと》 をしっかり守るとさらに改善します。