アトピーが改善
暑くなってくると身体に熱がこもり、また汗のためにアトピーの方にとっては注意が必要な季節です。赤みが強くなったり、汗でかゆみが強くなったり様々です。
26歳の女性Hさん、先月アトピーで相談に来られました。子供の頃に発症したのですが、大学時代に再び悪化し、その後症状が続いていました。首周りや顔に紅斑がひどく、肌は乾燥し、皮ふが剥落し、夜間にかゆみ強く、便秘気味とのこと。
そこで清熱通便の作用の<清営顆粒>や<温清飲>などを使っていただいた後、便通は良くなり、熱感も引き、皮膚の剥落はなくなり、赤みも改善しました。
清営顆粒は<血熱>を冷まし、便通を良くする事で体内にこもる熱を下すもので、早い効果が期待できます。最近暑くなってきたので少し清熱剤を増やし、継続していただいています。
ニキビの根本的改善
ニキビの原因も様々で、主なものは<肺熱><風熱><湿熱>など熱がこもるものや、胃腸の働きが悪いもの、血流が悪いものなどです。いずれもニキビができる体質を改善することが大切です。
Oさん24歳女性、頬や口にニキビができるとのことで相談を受けました。よく聞いてみると、冷え症で、生理痛が強く、舌を見ると<お血>の証があり、生理の前にニキビが悪化するとのことでした。
ニキビだけを考えると、赤みや炎症をとる薬が必要なのですが、身体の冷えや血流の改善をすし、皮膚の代謝を高め、ホルモンバランスを整えることによって、結果としてニキビの改善に繋がると考え、冷えを改善し補血する<婦宝当帰膠>や、血の道症を改善する<加味逍遥散>などをお使いいただきました。
まず体調を整えてから、その後にニキビを考えるという、通常の順番と逆の方法で対応することになりました。もし、ニキビだけがきれいになると、全身の体調を整えるまで続けられないのではと考えた結果です。急がば回れということでしょうか・・・。
モモの葉ローション
7月に入って暑い日がふえ、あかちゃんにアセモが出始めたのか、若いお母さん方が<モモの葉>を求めて来られます。
<モモの葉>は昔からあせもの民間療法として知られており、浴剤として使ってきました。最近はシャワー生活が増えてきたので、モモの葉の使い方も変わって来ました。
まず入浴剤として使う場合は、モモの葉一握り(20g程度)を2リットル程度の水で15分程度煮出し、カスを去ってお風呂に入れます。大きな浴槽の場合はモモの葉を2つかみ程度にしてください。また、お風呂から上がるときは、シャワーで流さないでください。
また浴槽を使わない方はローションとして使えます。一握りのモモの葉(15~20g)を1リットルの水で20分以上煮て、約半分にしカスを去り、密封できる容器に移します。冷蔵庫に保存すれば2~3日分として使えます。使うときはパッティングを繰り返します。
市販ローションもあるようですが、ヒアルロン酸や添加物も無く、あかちゃんでも安心して使えます。
効果も早く、赤みやかゆみも早く消えるようで喜ばれています。
若い方の自律神経失調
以前にも書きましたが、若い女性で、様々なストレスにより自律神経失調症を患っている方は意外と多いのです。
仕事は普通にしておられるのですが、夕方になると息苦しくなったり、微熱が出たり、夜は気分が沈んだり、動悸がしたり・・・と、様々な症状が現れ、安定剤や睡眠導入剤を使われています。
28歳のYさんも、デパス、パキシル、ハルシオンなどを長期間使ってこられました。しかし、いつかはやめなければと思われ、相談に来られました。その後3ヶ月が経過し、気分も落ち着いてきて調子よく、ハルシオンは以前の1日2錠だったのが、現在は1/2でも寝られるし、やめられそうですと喜んでいただきました。
自律神経疾患には波があり、良い時や悪い時が繰り返しますので予断は許せませんが、少しずつでも改善していることは、ご本人の表情を見ても明らかになってきました。
Yさんに使っていただいたのは、冷えと貧血を改善する<婦宝当帰膠>、リラックスハーブティ、不眠改善に<帰脾湯>などを状況に合わせて順次使っていただきました。
男性の頻尿
男性では前立腺炎や前立腺肥大が原因で頻尿になる方が多いのですが、冷えやお血が原因で起こるケースがまれにあります。
52歳の男性Tさん、手足や下半身が冷えて、昼間に頻尿になるとの相談を春先に受けました。病院では膀胱炎だろうといわれて、抗生物質をもらい飲んでいましたが全く改善の傾向がなかったとのことでした。
そこで、お風呂に入ったり、動いたりして血流が良くなると少し改善するとのヒントから、活血作用の<冠元顆粒>で血流を良くし、<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>で末梢をあたためるような処方にしました。
その後この方は来られなくて、どうだったか気になっていたのですが、3ヶ月ぶりに来店され、『あの薬はよく効いて、調子の悪い時だけ飲んでいたら今になった』と喜んでいただきました。そして最近はクーラーが効いているため再び同じ症状が出るので、来店されたようです。
これからはクーラー冷えによるトラブルの方が増えるものと思います。
雑草を食べる
当店スタッフの息子さんが、大学の課題として「雑草を食べる」というブログを書いています。内容は、地震・洪水・食糧難のときに雑草が食べられるかということを試しているという楽しいもの。
そういえば昔はいろいろなものを食べてきました・・・。
例えば、おやつ代わりにスイバ(酸葉、スカンポ、スイコともいう)に塩をつけて食べると結構おいしいものです。イタドリなどは今でも山に入って取ってきますが、おいしいものは、太くて乾燥しておらず、少し白い部分がある若い芽です。
その他、漢方薬G、カキドウシ、雪ノ下、ぺんぺん草、たんぽぽなど、野山にはたくさんの食べられるものがあります。これらのものは漢方の生薬として使われるものや、民間薬として各地で使われるものも少なくありません。野草のサイトもたくさんありますので是非見てください。
野草はアクは強いですが、ミネラル分が豊富です。そして栽培された清浄野菜と違って、自然のものは土と水と太陽からの「気」を受けていますので、食することで身体に「気」を受ける感じがします。但し、道端のものは不衛生ですので、人が立ち入らない場所で採ってくださいね。
漢方の胃腸薬
胃腸薬といっても、たくさんの種類があり、微妙に使い分けます。
例えば<六君子湯>は比較的体力のない胃弱や胃液分泌の多い方に、<香砂六君子湯>は香附子と縮砂が加わった六君子湯で、神経症を持っている気滞タイプに、<半夏瀉心湯>はおなかが鳴る、あるいは下痢するタイプ、<補中益気湯>は疲れやすく、食欲がないタイプなどに使いますが、これらをあわせて使うこともあります。
68歳女性Kさん、元々胃弱でしたが、背骨の圧迫骨折をされたために腹部にコルセットをはめることになりました。かなり腹部を圧迫するため食欲もなくなり、身体は疲れやすく、体重も低下してきました。そこで<香砂六君子湯>と<補中益気湯>を合わせて使っていただいたところ、食欲も気分もよくなりました。
しかし、腸のあたりでゴロゴロといつも鳴り(これを雷鳴といいます)気になって仕方ないとのことで、2回目は<半夏瀉心湯>と<補中益気湯>に変更しました。
1ヶ月でほとんど気にならなくなりました。
ちょっとした処方の変化が正直に現われているようです。