年に一度のかすれ声

人それぞれ体質的に弱い箇所をもっているため、季節の変化に伴い毎年同じ時期に同じ症状が出る方があります。

その典型が花粉症です。昨年使った漢方薬が良く効いて花粉症の時期が楽に過ごせたので、今年も同じものがほしいといって、年に一度だけ来られるお客様もあります。

昨日お越しの73歳女性Mさんは朗読をしておられるのですが、昨年のこの時期に<息苦しく、声が出にくい>との相談を受けました。声がかすれるのは<肺陰虚>といって気管支系が乾燥しているためで、乾燥を改善する<麦門冬湯>や、補気補陰作用の<麦味参>をお使いいただきました。

その後来られなかったのですが、昨日1年ぶりに来店され、昨年のが良く効いたので今年もほしいと求めてこられました。年に一度のお客様ですが、覚えていただいていることはとても嬉しいものです。

潰瘍性大腸炎

38歳の主婦Wさんは、潰瘍性大腸炎のため20歳代から時々血便や下痢があり、それに伴って貧血もひどく立ちくらみなどがありました。また体重も少なく体力も低下気味でした。

そこでまずは出血を止め、貧血を改善することから考え、<婦宝当帰膠>や<ウコギ含有健康食品D>をお使いいただきました。また、小康状態を保っているときは健脾薬や、補気補血薬などに変更し、2年以上継続されています。

昔からステロイドは使わないと決めておられ、漢方薬だけお使いですが順調に経過しています。クローン病や潰瘍性大腸炎で症状が強く下痢や痛みなどがひどい方の場合も漢方薬が症状改善に有効ですが、Wさんの場合は比較的症状が軽いケースです。

JEUGIAカルチャーを担当しています

今月4日から、JEUGIAカルチャーKYOTOさんが主催するカルチャー教室にて、当店が『わかりやすい漢方教室』を担当することになりました。

最近は週刊誌や女性誌などで漢方が特集されることもあり、若い人々の間に広く知られ、多く使われるようになりました。そして今回の教室も、当初は熟年や高齢の方が多いかなと思っていたのですが、開いてみると20代から50代まで、比較的若い方が会場上限の16名参加いただきました。

漢方が病気にならないための予防医学として、さらに普及することを望んでいます。なお、当日は講義のほかに、おいしい<甘茶>や<漢方薬H>の試飲で体感していただきました。

肩のこりと首のつまり

雨の前後に、肩がこる、後頭部が詰まったようになり、息苦しく重くなる方がおられます。特にムチ打ちを経験した方にはよくあることです。

西洋医学では矯正、牽引などが行われますが、漢方薬も軽い症状には良く効きます。

36歳の女性Kさん、雨が降った後はいつも肩や首が詰まってユーウツになるとの訴えでした。肩こりには<葛根湯>とばかり、まずは使っていただいたところ、15分ほどして効果が現れ、首の後ろにあった何かがすっきり消えて楽になったと驚かれました。

漢方薬Kは、『熱や凝りを発散させる』という作用があり、効くときはほぼ即効性で効くものです。昔から<葛根湯医者>という言葉がありますが、馬鹿にはできません。とても優れた漢方薬です。

赤ちゃんには母乳だけでよい?

先日、赤ちゃんの乳児湿疹でご相談にこられた方が、出産時に産婦人科医から『7ヶ月までは母乳だけで育て、お茶やお白湯などは一切あげないほうが良い』といわれて実行しているとのことでした。私も初めて聞いた話で驚いたのですが、反論する根拠もなく、常識では考えられないですねとお答えしておきました。

そして、以前より『ひよこの会=当店で行っている子供の発達相談の集い』でご指導いただいています小児科医に問い合わせたところ、そんな極端なことはおかしいとの判断でした。これから暑くなる時期、水分を充分に補給してあげないといけないのですが、母乳だけで賄うのは無理があります。

医師の言葉は患者にストレートに入っていきますので、注意してほしいものだとつくづく思いました。

あかちゃんとマクリ

マクリとは紅藻類の海人草のことで、江戸時代よりアヤギヌ(鷓鴣菜)とともに虫下しとして使われてきました。

戦後も学校で蛔虫の駆除用に生徒はいっせいに飲まされました。くさくてマズイお茶でした。これを胎毒を下すものとして使われる方もあるようです。

一方あかちゃんの胎毒下しは、本来は生薬を組み合わせた漢方処方で、

海人草に加え

大黄・・・便通をつける

紅花・・・血流をよくする

黄連・・・解毒作用など、

いくつかの生薬をあわせてつくるものです。

産後早めに飲ませると、出産時に口から入った毒素を排泄し、アレルギーや様々なトラブルの予防になると言われます。今も時々求めてこられます。

脇の汗

脇の汗もワキガを生み、気になる症状です。

これも原因は様々ですが、よく見られるのが<肝胆湿熱>タイプといい、ストレスが多い、イライラ感、ためいきをつく、湿疹が出やすい、口が苦い、尿が色濃いなどの方に多いようです。この場合は尿の排出を促進して、身体の中にこもった熱を冷ますことで、汗を抑制します。

漢方薬は清熱利湿作用の<竜胆瀉肝湯>や衛気を高める<衛益顆粒>を併用する場合もあります。汗の漢方薬ではないのですが、体質改善を目的として様々な症状に使われます。

虚弱体質と多汗症

抵抗力が弱く、風邪を引きやすい、皮膚が弱いなどの体質を<表虚>と言います。

このような方は<衛気=身体表面を守る力>を強めることで、外部からの刺激に対抗する必要があります。このために使われる生薬が<黄耆>です。黄耆は体表や粘膜の元気つけをしてくれます。

体表が弱ると汗がもれて出るという考え方から、多汗には黄耆を使った漢方薬、例えば<衛益顆粒>などがおすすめです。あるいは、他のタイプの多汗症の場合も、この漢方薬を併用するとよくなる場合があります。幅広くカバーしてくれるスグレモノです。

食生活と多汗症

多汗症は元々の体質に関連しているものが多いのですが、中には食生活によって起こるものもあります。

例えば、油濃いものや辛いものなど熱を産生するような食品を継続してたくさん摂ると体内に熱がこもり、発汗しやすくなります。漢方では<湿熱>体質と言います。

湿熱の多汗に対しては、内熱をさまし、消化を促進し、水分代謝を改善するような漢方薬の、例えば 清熱利湿作用の<茵陳蒿湯>や、和胃消痞の<半夏瀉心湯> などを用いますが、いずれにしても食生活改善が優先します。

水分代謝不良と多汗

比較的肥満で、水太り傾向の方の多汗は、いわば身体の中の水分があふれ出して汗になっていると捉えます。摂取水分量が多すぎるのか、尿がしっかり出ていないのか、いずれにしても水分をしっかり出させることが必要です。

このようなケースでは、<防己黄耆湯>がおすすめです。水肥りの方のダイエット用としてよく知られた漢方薬ですが、多汗症でもよく使います。