熊胆の味は?

熊胆はクマノイともいわれ、熊の胆嚢・胆汁を乾燥したもので、昔から大切に使われてきました。昨今は動物保護の関係から流通量も少なく、高価なものになっています。

熊胆の効能は、中医学では清熱(胃熱をさます)・明目(目の腫れや炎症に)・解毒(解毒作用)・止痙(ひきつけや痙攣に)に使われますが、日本では古来より万能の胃腸薬として使われてきました。

天然ものだけに、使われるロットによって味が異なるのですが、長い間熊胆を愛用されているOさんは、甘い味がする熊胆は飲んでも胃がすっきりしないが、苦味が強いものは飲んですぐに効果が現れ、食欲が増し元気になるといわれます。

生薬は一般的に、成分分析の結果だけでなく、味や香りも大切な要素なのです。

長寿の秘密!

先日のテレビ番組で、中国南部にある広西チワン族自治区には、<天坑>とよばれる、山が突然陥没してできた大きな竪穴や洞窟がいくつもあることを紹介していました。そして、その周辺に住んでいる人たちが<長寿>であることや、できた洞穴に入ると病気が治ると言われています。

これを科学的に解明する研究が行われていますが、いまのところ地下水脈から発生するマイナスイオンが通常の10~20倍ほどあり、近隣に漂っているとのことです。例えば森林浴をした時のさわやかさや、山中で滝の前に立つとすごい力を感じたり、滝で修行がなされたり・・・自然は様々な力を持っています。

ちょうど今月の<チャイナビュー>(当店でお客様にお渡ししている中国情報誌)にその長寿村の特集が掲載されているのですが、その巴馬県では人口24万人に対し、100歳以上の人が74人いて、且つ元気に仕事をしているのが特徴ですごい!、世界5番目の長寿郷です。

中国には神秘な自然がたくさん残っていますね、また中国に行きたくなりました。

回転性のめまい

「気うつめまい」と「水毒のめまい」が重なっているようなめまいの方もあります。

29歳の女性Sさん、5年前に仕事が変わったとき初めてめまいを経験されました。病院ではストレス性と診断されて、服薬後改善していました。また、妊娠中は起こらず、出産後に起こるとのこと。疲れても悪化するという回転性めまいが続いていました。

そこでいろいろと調べられ、<加味逍遥散>や<半夏白朮天麻湯>などを指定され、試して見られましたが改善せず、相談にこられました。

詳しく状態をお聞きしたところ、確かにストレス性もあるのですが、胃もたれや、頭痛、吐き気などもあり複雑な状況があったので、とりあえず<回転性めまい>ということで<沢瀉湯>と<加味逍遥散>をお使いいただきました。

以前の<加味逍遥散>単独では全く効果がなかったのですが、今回は1週間ぐらいでめまいの頻度は少なくなり、少し楽になったと喜んでいただきました。頑固なめまいには、いろいろ考える前に<沢瀉湯>を使ってみるとよいことを再認識しました。

気うつめまい

昨日に続き、めまいの例です。

28歳の女性Yさん、2ヶ月ほど前にバスに乗った後からいつもめまいがするようになり、フラッとしたりムカムカの状態が続きました。そこで近所で求められた<漢方薬R>を服用されたのですが、改善の傾向なく遠方からの電話相談をいただきました。

お聞きした様子では、不安感や動悸もあり、以前にもパニック障害を経験したとのこと。

これは漢方でいうところの<気欝めまい>と捉え、なにか精神的な要素がかかわって発症しているのではと考えました。そこで化痰降逆作用の<半夏厚朴湯>を中心にした漢方薬を2週間お使いいただきました。結果、10日経過したところでお電話をいただき、めまいはずいぶん楽になったとのことでした。

この薬は半夏の化痰・降逆作用と厚朴の行気解欝作用が中心で、気分的要素のあるめまいにはとても良いものです。

水毒とめまい

遠方よりお越しの57才男性Tさん、7年前に回転性のめまいを起こしメニエールと診断されて以来、時折フラッとするめまいが続いていました。めまいの時は少し休むと治まりますが、長期間にわたるので相談に来られました。

体格は立派な方で、首が凝り、後頭部痛があり、めまいの時は吐き気や下痢があるとのこと。そこで水毒と考え、水分をさばく利水作用の<沢瀉湯>と後頭部の緊張をとる平肝作用の<釣藤散>を使っていただきました。

1ヵ月後、めまいは軽くなり、また頻度も少なくなりました。その後少し薬を変えながらも3ヶ月、現在順調に経過しています。水分をたくさん摂られているわけではないのですが、長い間にたまった水分が災いしているように思われます。

産後の生理と授乳の関係は?

一般的に出産後に母乳を飲ませていると、赤ちゃんが吸う刺激によりプロラクチンというホルモンが分泌され、このプロラクチンには排卵を抑制する働きがあるので、生理が来ない方が多いといいます。

しかし現実は授乳中でも生理は来ますし、妊娠もします。

ある統計では出産後2~4ヶ月に生理が来る方が最も多く、次いで2ヶ月未満、そして4~6ヶ月という順になっていました。また1年を超えても授乳を続けている方もあり、その場合は生理も1年以上来ないケースもあります。すべてゴナドトロピンなどの性ホルモンのコントロールによって決まるものですが、個人差があるのには驚かされます。

そして2人目の子供を希望されて、早く断乳したいといって相談に来られる方もありますが、漢方では健康食品<炒り麦芽>を用いるものの、短期間でとまる場合と1ヶ月を経過してもとまらない場合があり、やはり個人差があります。

ホルモンの働きは複雑で緻密なものであることを感じます。

光がまぶしい!

目のトラブルはたくさんありますが、そのひとつに<光が異常にまぶしい>ということがあります。

64歳の女性Uさん、3年前から眼瞼痙攣や眼瞼下垂が発症し、また、光が異様にまぶしい症状があり、ボトックス治療を受けておられました。しかし、治療後は楽になるもののしばらくすると再び不調を繰り返すため、相談に来られました。

漢方では神経の興奮を鎮める平肝作用の<抑肝散>や、筋肉の緊張を緩和する<芍薬甘草湯>などを用いますが、Uさんの場合は睡眠も不調で、不安感もあるため<温胆湯>を併用していただきました。

2週間後に再来され、まずは<まぶしさ>が楽になったとのこと。まぶしさの多くは、中医学で<脾気虚>が原因とされ、<半夏白朮天麻湯>や<苓桂朮甘湯>などを使いますが、Uさんの場合は<漢方薬U>が効を奏したようです。

しばらく続けて、次の課題、眼瞼痙攣を早く改善したいものです。

子供の鼻閉や中耳炎

子供の鼻水や鼻閉、喘息傾向、中耳炎の相談はよくあります。原因はアレルギーの体質遺伝によるものや食生活によるものなどがあります。

5歳のKくん、年中鼻が詰まっていて息苦しく、口呼吸のためか風邪も引きやすく、咳がでるなど喘息傾向があり、相談にこられました。

お父さんがアレルギー体質ですので、子供さんも体質改善を兼ねて<衛益顆粒>と、鼻詰まりの対処に<鼻炎丸>を使っていただきました。

また、水分や冷たいものをとり過ぎないように注意していただき、1ヶ月間お使いいただいた結果、ほとんど改善しました。しかし、良くなったので先月は薬をやめたところ、再び症状が再燃したので、しばらく継続していただくことになりました。

子供の鼻のトラブルは、ほとんどが<水毒> すなわち水分や冷たいものの取りすぎで発症していますので、親が水分に注意するだけでもかなり改善するものです。

明日は母の日

若い男性が「母親が目が悪く白内障のようなんですが、何か目に良いものはありますか?」といってこられました。

特に病気はなく体調も良いが、目だけのトラブルとのことでしたので<杞菊地黄丸>をおすすめし、求めていかれました。帰り際、「そうそう明日は母の日ですね」というと、「そうです、母に贈るんです」とのこと。

こんな青年もいるんだなあと嬉しい気持ちになりました。

多汗症のご相談

急に熱くなって、多汗症の相談が増えてきました。

多汗症と言っても体質遺伝によるものや、子供の頃からの症状、成人になってから酷くなったなど様々で、また精神性や温熱性、味覚性などにも分類されていますが、それぞれ経過と体質をお聞きし、対応しています。

病院で交感神経遮断術を受けられてよくなる方はよいのですが、代償性発汗で別の部位に出る方などは難しくなります。いずれも長期戦になり、お客様と同様に当店も苦労する疾患のひとつです。