暑くなってくると湿疹が出る方があります。特に脚や脇、関節部位に多く、汗で悪化するケースが見られます。
82歳の女性Hさんも、毎年この時期に発症し、赤みはないのに痒みがあるとのことでした。そこで去風湿熱作用の<消風散>をお使いいただきましたところ、少しずつ改善してきました。
人により原因は異なり、薬も異なりますが、Hさんの場合は、汗の成分が肌を傷めているためと思われます。
特に睡眠不足というわけでも無いのに、昼に眠くなる方はよくあります。
その原因は様々ですが、よく見られるケースは、胃腸が弱い方や慢性的な精神の疲れによるものです。
25歳の会社員Hさんは、疲れやすく、日中に眠い、会社に行くと吐き気がする、咽がつまるなどの症状があり、相談に来られました。お聞きすると、ストレスが多く、緊張しやすく、そのため神経を消耗している、<気虚>の状態と思われました。そこで疎肝解欝止痛を目的として<柴朴湯>や、補気のための<補中益気湯>をお使いいただきました。
1週間後、眠気も吐き気も改善しましたが、ストレスは続くのでその後も継続してもらっています。
病院で検査をしても特に異常がない場合は、漢方がよく効きます。
女性にとって、抜け毛、薄毛、白髪は大きな悩みのようです。特に若い方は気分的にもショックを感じられるようです。
34歳のAさん、元々貧血傾向があったのですが、結婚してから特に白髪が気になりだし、増えてきたと相談に来られました。
漢方で髪は<血余>といい、血液の余りが髪を育てる、つまり血液が充分に毛根に補われると髪は育つと考えますので、Aさんには補血を目的に<婦宝当帰膠>と<首烏片>をお使いいただきました。2ヵ月余り使われた後、白髪は減ってきて良かったと報告をいただきました。まだ抜け毛は治まりませんが、時間とともに改善してきそうです。
これ以外にも、ストレスが多い方の場合や、血流の悪い方の場合は様々な漢方薬で改善する例はたくさんあります。
腎臓は握りこぶしより小さい臓器で、血液のろ過や身体の水分調節をする重要な臓器であるとともに、血圧を調節するホルモンの、レニン・アンジオテンシンを生み出しています。
このホルモンが、慢性腎臓病(CKD)の悪化に関与していて、検査の指標となっています。
定期的に行っている当店の社内研修会で、以前に内科医から教わったこともあるのですが、お客様に説明するのは難しいものです。
39歳の女性Kさんは、慢性腎臓病で病院にかかっておられましたが、当店にお越しにいただいた後、冷えの改善などに漢方薬をお使いいただいていました。そして、一番体調がよくなるということで、活血薬の<芎帰調血飲>と<真武湯>を継続されていたところ、前述のホルモンの値が正常値になり、病院でも不思議に思われたとのことでした。
芎帰調血飲は中医学では<活血作用>があり、真武湯は<温陽利水>とされ、Kさんの症状と体質に適合したものと思われます。
神経質で、ストレスを受けやすく、緊張しやすい方は多く見られますが、それも症状が強くなると、単に性格の問題では済まされず、相談に来られます。
30歳の女性Hさんは、長い間咽がつまる感じがし、咽は乾燥して痛く、口が渇き、舌はヒリヒリ、口臭が気になる、外では不安感があるなど、たくさんの症状を訴えられていました。
これらはすべて関連している症状で、理気化痰の<半夏厚朴湯>や潤燥の<麦門冬湯>などをお使いいただきました。
1ヵ月後お越しになり、咽のつまりや咽痛、舌のヒリヒリ、不安感などがまとめて改善してきました。最初気にしておられた口臭も、他覚的には全く感じなかったので、神経性のものと思われ、これらの薬で感じなくなったようです。
このような多岐にわたる症状は、西洋医学では個別に捉えられますが、漢方では元はひとつとして捉えますので、まとめて改善するケースが多くあります。