うんちの話 2

うんちは食べ物によって形態が様々です。高脂肪食品や肉食などが多いとアルカリ性になり、黒褐色で悪臭が生じやすくなります。また食物繊維や野菜、昆布などが多いと酸性に傾き、黄色く臭わないうんちになります。辛いものや酒が多い方はドロドロで臭いも強くなります。赤ちゃんのうんちは酸性度が高く、PH4~4,5と聞きました。自分のうんちはいかがですか?

『便』は身体の『便り』なのです。特に女性では2人に1人が便秘で、3日間便秘は普通という方もありますが、大腸内の有害菌が内臓に影響し、ガンなど免疫疾患に係わっているという意見もあります。

その予防としてお勧めしているのが、便秘薬の<ハーベルシー>と、食物繊維たっぷりの健康食品を合わせて使う方法です。これによって腸内もきれいになり、便がスッキリと出ると好評です!

うんちの話

昨日は大阪での研修会に参加してきました。テーマは『うんちが語る腸の老化』で、理化学研究所の辨野先生の講演でした。その一部を紹介しますと・・・

一般的に腸内細菌の10%は悪玉菌、20%が善玉菌、残りが日和見菌といわれ、加齢に伴い善玉菌が減少し、腸の運動も低下しますので、便臭が増え、出る量も少なくなり、残便感がありスッキリしないのが腸の老化現象です。そして腸内腐敗によって作られた有害物資が原因で様々な病気につながるとのことでした。

そして腸年齢を若く保つには、善玉菌を増やすこと、そのためには善玉菌のえさとなる食物繊維をしっかり摂る、魚や野菜をしっかり摂ることです。

また、漢方薬をより効かせるためには腸内細菌が良い状態であることが必要なのです。うんちが健康のバロメータであることがよくわかりました。

ちょうど日曜日の朝日新聞・別刷に『腸内環境』と題して、この先生の話が掲載されていました。いちどご覧ください。

それでもなお食物繊維やビフィズス菌が不足しがちな方には、この考え方を商品にした健康食品があります。毎日のうんちがスッキリ出て『快腸』な日がすごせます。ぜひお試しください。

皮膚掻痒症のご相談

皮膚がかゆくなる原因はたくさんあります。

全身にかゆみが出るものと、特定部位に出るもの、高齢者で乾燥によるもの、妊婦にみられるものなどと、内臓疾患が原因となる場合もあります。漢方ではいずれにしても体質と症状をあわせて考えます。

40歳の女性Fさんは2年前から口の周囲や首の後ろ側、耳の後などが痒くなりはじめ、汗をかくと痒みは増しました。医院で検査を受けましたが、特に問題はなく、アレルギー反応もありませんでした。また花粉の季節や乾燥時期でも症状は変わらず、いつになっても治らないので漢方相談にこられました。

詳しくお聞きすると、冷え症で胃腸が弱く、時に下痢する時もあるとのことでしたので<脾気虚>も考慮し、<消風散>と健脾作用の<六君子湯>をお使いいただきました。

2週間後には、痒みが出てもすぐに引くようになり、4週間後には痒くなる頻度が週1回程度までになりました。また、お腹の状態、便の状態も良くなりました。

当初は<消風散>を中心に使いましたが、根本治療はやはり<六君子湯>などの胃腸を丈夫にするお薬がポイントになると思われます。

小児の喘息

小児の鼻炎や咳、喘息の相談は最近増えてきています。

5歳の男の子Fくんは鼻水、鼻閉が慢性的にあり、咳をしたとき嘔吐しやすいなどで相談を受けました。元々冷え症があり、トイレも近く、体質改善が必要な状態でしたので、子供によく用いられる<黄耆建中湯>を使っていただきました。

しばらくすると風邪も引かなくなり、咳や鼻水も改善し、食べ過ぎたときだけ喘息のような咳がでるという状況までになりました。

子供の体質改善はやはり胃腸からしっかりさせるという方法が、すべての症状に共通するようですし、この薬は安心して使えるスグレモノです。

耳鳴りと耳閉感

若い方の耳鳴りや耳閉感はほとんどがストレスに関連しています。このストレスを緩和し、気分を安定することで比較的短期間で改善します。

40歳の女性Tさん、2ヶ月前にブーとかボーというような音の耳鳴りが始まりました。また、耳に水が入っているような感じや、涙が出やすい状態がありました。体格はやや水太りの感じで、水毒がうかがわれますした。

Tさんの話ではこの時期にストレスがあり、それが原因と思われるとのことでしたので、貧血を改善する<帰脾湯>と、化痰・安神作用の<温胆湯>をお使いいただきました。そして3週間で改善の様子が見られ、耳鳴りも少なくなってきましたので、現在そのまま継続していただいています。

Tさんの場合は比較的早く相談に来られ、ストレス性であることも明らかでしたので、このまま改善するものと思われます。

アトピーは根気良く?

アトピーの症状は千差万別ですが、改善に要する期間もかなり個人差があります。早い方は2週間で改善し始めて驚くこともありました。
しかし、すべてがうまくいくわけでもなく、長期間漢方薬を続けておられる方もあります。

27歳の女性Mさんは小児アトピーでステロイドを使い始め、高校生の頃まで長い間使われましたが、治らないので思い切ってやめられました。その後春先は特に悪化し、顔や目の周囲、首周りが赤く熱感があり、痒みも夜になると酷くなる状態が続いていました。また関節部位にも発疹がでていました。

ご相談に来られて早速漢方薬を始められ、清熱通便作用の<清営顆粒>や、血熱改善の<温清飲>などをお使いいただきましたところ、赤みや痒みは軽減されて順調に改善していたのですが、昨年の春は再び悪化してしまいました。

そこで乾燥肌や舌の状態から考え直し、ほてりに使う<瀉火補腎丸>などの滋陰剤に変更したところ乾燥も改善され、今年の春は悪化することなく過ごされました。

まもなく2年を迎えようとしていますが、根気良く続けられた結果と思います。

外国人のご相談もあります

当店は交通の便も良いせいか、外国人がよく来られます。

昨日は中国人の男性が、日本に在住する娘さんとともに来られました。この方、日本に来て少し滞在されているのですが、最近身体が熱く感じ、耳鳴りがして、イライラし、不眠が続くとのことでした。そして中国の牛黄解毒丸のようなものが欲しいが、中国語で症状を説明したいとのことでした。

残念ながらカタコトの中国語では聞いても理解できないので、しかたなく娘さんに翻訳してもらいながらの問診の結果、陽気が増してきて身体に熱がこもり、これらの症状を引き起こしているようでしたので、<牛黄製剤>と<黄連解毒湯>などをお使いいただきました。

外国語での相談は、正確に症状を把握するのが難しいものですが、舌診や望診などでも判断ができるのは漢方の長所かもしれません。この方、その後良く成ってきたか心配です。

腰椎すべり症

腹痛を伴う便秘で相談を受けてすっかり改善したKさん、今度は腰椎すべり症と坐骨神経痛があり、腰を曲げたときに痛みが出るとの相談を受けました。当然整形外科で週1回の注射を受けておられ、シップ薬を貼ったりしておられましたが、それもあまり芳しくないとのことでした。

そこで、漢方薬は<独活寄生湯>だけを使ってみることにしました。3ヶ月ほど経過した頃、腰の痛みはほとんどなくなり、注射もシップも不要にまで改善しました。Kさんは先に<桃核承気湯>をお使いいただいていたので、多くの種類の漢方薬は使えず独活寄生湯だけでしたが、ピッタリ合ったようでした。

腰椎すべり症は完治しないといわれますが、治らなくも痛みがとれて生活が楽になる、QOLを高めることができるのは漢方薬の特徴でもあります。

爪が自然にはがれる?

爪甲の裏側が自然と剥離し、白くなって空洞ができるという症状があります。爪甲剥離症といわれ、化学薬品説やカンジタ菌説などあるようですが、正確な原因は不明とも言われます。

外傷や薬品などの原因が明らかな場合を除き、漢方ではこの原因を主に<肝血虚・営血虚損>などと捉えます。つまり血液が爪の下の細胞まで充分に補われず、乾燥してはがれていくという捉え方です。

65歳のTさんは、鼻炎や後鼻漏で相談に来られましたが、あわせて爪もよく剥離しやすく気になるとのことでした。またストレスを感じやすく、いわゆる<気の流れ>も改善したいとのことでした。

そこで後鼻漏の薬にあわせて、理気活血薬を長期に渡ってお使いいただきましたところ、以前のようにひどい剥離はなくなりました。少し剥離し始めると補血作用の<四物湯>や疎肝理気活血作用の<加味逍遥散>を増やして使い、調子の良いときは鼻炎の薬を使うというようにしています。

陰陽五行説では爪は肝の精気の色沢を現すところとされていて、爪と肝臓とストレスが関連していると考えますが、まさにこのとおりなのです。

四川大地震・お見舞い申しあげます

まずは大地震でたくさんの方が亡くなられましたこと、心よりご冥福をお祈りいたします。あわせて被害にあわれた方々の生活が少しでも早く復帰することを願っています。

当店では日頃から中国に係わりのある漢方薬を取り扱い、また中国人の知人もたくさんおられますので、今回の災害は他国の事とは思えません。中国の少し奥地にも行きましたが、どこに行く時も狭い山道を走りぬけて次の町にでるというケースが多く、これらの道が一旦崩れてしまうと、救援も大変なことと想像されます。

成都には<冠元顆粒>を作っている工場があり、1昨年11月に工場見学に行きました。ここの設備には大きな損害はないとのことでしたが、そこで働いている方々には被害が及んでいると聞きます。

また、この時は四川大学・附属華西病院にも研修で訪れましたが(写真)、現在そこに日本の医療チームが入って、救急外来、集中治療室(ICU)、人工透析などの救援活動が行なわれていると聞きます。この成都でいちばん大きな華西病院も、被災者が多く、ごった返していることと思われます。

今朝のテレビでも、成都の病院だけでは対応しきれなくなり、上海などに移送が始まったとか、親が亡くなって孤児となった子供たちなどを報道していました。援助してあげたいと思っても個人では募金しかできませんが、日本として長期的な援助を期待するしかありません。

日本に住まわれて、日頃教わっている中国人の先生方も、今回の地震に対する日本の取り組みや募金活動に対し、心より感謝をされています。当然私共も、様々な機会を通じてできるだけ協力しようと取り組んでいます。

今回の地震は悲しいことですが、これをきっかけに日本と中国の国民が、より友好関係を結び、より親しみをもてるようになることを期待しています。