皮膚掻痒症のご相談

皮膚がかゆくなる原因はたくさんあります。

全身にかゆみが出るものと、特定部位に出るもの、高齢者で乾燥によるもの、妊婦にみられるものなどと、内臓疾患が原因となる場合もあります。漢方ではいずれにしても体質と症状をあわせて考えます。

40歳の女性Fさんは2年前から口の周囲や首の後ろ側、耳の後などが痒くなりはじめ、汗をかくと痒みは増しました。医院で検査を受けましたが、特に問題はなく、アレルギー反応もありませんでした。また花粉の季節や乾燥時期でも症状は変わらず、いつになっても治らないので漢方相談にこられました。

詳しくお聞きすると、冷え症で胃腸が弱く、時に下痢する時もあるとのことでしたので<脾気虚>も考慮し、<消風散>と健脾作用の<六君子湯>をお使いいただきました。

2週間後には、痒みが出てもすぐに引くようになり、4週間後には痒くなる頻度が週1回程度までになりました。また、お腹の状態、便の状態も良くなりました。

当初は<消風散>を中心に使いましたが、根本治療はやはり<六君子湯>などの胃腸を丈夫にするお薬がポイントになると思われます。