足が重くだるい!

梅雨に入り、湿度が高くなると、身体も脚も重だるくなる方があります。これは湿気が身体に入り、むくみや水分の停滞を招くためです。

しかし、梅雨に限らず脚がだるく、動かないとか、とってしまいたいほどだるいとか言われる方があります。

74歳のTさん、とにかくだるくて、何とかならないかとの相談を受けました。
痛みがある場合や痺れる場合は<独活寄生湯>を使っていただき良くなる方はありますが、その症状はなく、また高齢でもあるので<腎気虚>によるものと思われ、<参馬補腎丸>をお使いいただきました。

補腎の場合は時間がかかりますので、結果はしばらく後になります。

寝つかれない!

不眠の話は何度か書いていますが寝付きにくいというのはなかなか改善しないものです。
しかし、その方の体質を正確に捉えれば、うまくいくケースもあります。

64歳の女性Hさん、かなり昔から寝付かれないので、いつも睡眠導入剤を飲んでおられました。しかし、Hさんの他の疾患が漢方薬でよくなったので、こんどは不眠の漢方を欲しいと言って来られました。

寝つきが悪く、目覚めることも多く、夢をよく見る、気分が高ぶりやすい性質で、舌は白苔の水分過多状態でした。そこで清熱除煩安神作用の<温胆湯>をお使いいただきました。この薬は、水分を多く摂ったり、ビールをよく飲んで、夢をよく見る方の不眠にはよく使うものです。

1週間経過後、西洋薬を使わなくても、少し眠くなるように変わってきたと言われ、喜んでいただきました。しばらく継続されると体質も改善され、症状も良くなるものと思われます。

水虫の季節

ついに梅雨入りしました。

歩いていても服が身体にくっつき、足元は湿って、早速に水虫が出てきました。

『水虫』とはよく言ったもので、水分(湿気)があると動く虫?・・(正しくは白鮮菌ですが) そして正直に5~6月に出て9月頃に消えていきます。

当然<華佗膏>を使い、3日間しっかり手入れするとほぼきれいになりますが、忙しくて手を抜くと再発します。白鮮菌の根治は大変ですが、とりあえず治まってくれるので<華陀膏>に感謝しています。

傷が化膿しやすい

ちょっとした傷でも化膿してしまう方があります。皮膚のバリアー機能の低下や免疫低下の状態で、漢方では<衛気虚>といいます。

24歳男性Hさん、以前から傷がすぐに化膿するので困って相談にこられました。お聞きしてみると風邪も引きやすいというので、皮膚のバリアーを強める<玉屏風散>と<桂枝湯>をお勧めしました。

3ヶ月ほどお使いいただき、化膿することも無くなったためお薬を中止されたのですが、その後半年ほどして再び同じ薬を求めてこられました。3ヶ月では体質改善まではいかず、症状が再発したようです。

今度は半年ほど根気よく続けて、しっかり体質改善することをお勧めしました。

中国産の生薬について

中国製原料の咳止シロップによって、パナマで死亡事故がおきたというニュースは大変驚きでした。また以前から中国産の野菜の残留農薬問題が言われ、中国に対するイメージがダウンしているのは事実です。

そのため、漢方生薬は大丈夫かとの問い合わせも受けますが、当店の取り扱う生薬メーカー(ウチダ和漢薬)では、入荷ロットごとに残留農薬をはじめ、様々な検査をしているとのことでしたので、詳細を入手し確認、安心して使っています。

お客様によっては中国産生薬と聞くだけで拒否される方もあります。そこで調べてみると、なんと! 日本で使われる漢方薬原料(生薬)の80%が中国産で、15%が日本産、残り5%がその他の国とのことです。

漢方業界は中国に大きく依存しているわけで、中国も信頼を回復するべく努力してほしいものと思います。

アトピーの軟膏

中国からの輸入漢方薬を取り扱っているので、時々中国の方が来られたり、中国にお住まいの日本人が来られます。そして今日は香港にお住まいの方に<タイツコウ>や<ベルクミン>をお求めいただきました。

当然中国にも軟膏はたくさんあるのですが、ステロイドが入っているものがあり、成分が明らかでないので、日本製のほうが安心なようです。

なお、日本に正規に輸入されている漢方薬はすべて厚生省の医薬品承認を受けたものですので、成分は明らかで心配はいりません。念のため!

子供の肌荒れ

子供は肌が乾燥しやすく、そのため痒くなるケースがよくあります。

原因は発達段階で皮膚が薄く、水分が失われやすいためです。そこで漢方薬をと言いたいところですが、それ位ではあまり相談に来られません。しかし、痒みがひどくなり掻きむしって出血したり化膿すると相談にお越しになります。

当然体質により異なりますが、多くは胃腸の働きを助ける<小建中湯>や昔から肌やイボに使われる<ヨクイニン>など、そして外用に漢方クリームSを併用していただきます。

子供でも安心して使えるのも漢方の特徴です。

喘息が改善しました

喘息でお悩みの方はたくさんおられます。特に夜間に発作を起こし、病院に走られる場合は大変ですね。

遠方からお問い合わせをいただきました26歳のKさん、子供の時から喘息で良いとき悪いときを繰り返しておられました。最近は季節の変わり目に悪化し、そのたびテオドールなどの気管支拡張剤をつかっておられましたが、その副作用でドキドキするため使いたくないと思い漢方薬を探しておられました。

身体は冷え、乾燥咳の傾向で、夜間の発作が頻繁に生じるとのこと。そこでゴウカイや冬虫夏草の含まれて、虚労に使う<双料参茸丸>と<麦門冬湯>をお使いいただきました。

そして3日間使われた後お電話をいただき、驚くほど効いて発作も収まり、吸入を減らしても大丈夫な状態まで改善、さらに息が吸いにくかったのが楽になったと喜びの報告をいただきました。

体質により喘息の漢方薬も異なりますが、短期間で効果を発揮する<双料参茸丸>に感謝しました。

難聴と耳鳴り

耳鳴りや難聴のご相談もたくさんいただきます。突発性難聴の場合は、漢方薬に加え板藍根エキスを併用することが多くあります。

低音域難聴と耳鳴り、耳閉感でご相談をいただきました48歳のMさん、ストレスが原因で発症したとのことですが、体質も合わせて考え、疎肝薬の<逍遥丸>や毛丹薬の<温胆湯>をお使いいただきました。しばらく続けられ改善してきたのですが、疲れたときや天気が悪い時は不調を繰り返していました。

その後ヘルペス菌との関連が疑われましたので、漢方薬に加え板藍根ハーブティを併用していただいたところ、明らかに耳鳴りが軽減しました。

突発性難聴の原因にはウイルス説と内耳循環障害説がいわれますが、最近はウイルス説のほうが有力のようです。

自然生え 対 栽培品

少し前にミツバを摘みに行った話を書きましたが、

その時採ってきたミツバを、大切に、少しづつ食べてついに無くなりました。

冷蔵庫で保存していたのですが、味も香りも変わることなく4週間保存できたことは驚きでした。通常、店で買ったミツバは1週間もすると古くなっているのが明らかです。この差、すなわち自然生えの植物の生命力はすごいです!

最近の野菜の栄養分が、露地栽培に比べて少なくなっていると言われますが、大量生産によって出来た野菜と、自然のエネルギーを吸収して育った野菜に違いがあるのは当然のことです。そんなことを思いつつ、今月分のミツバを採取してきました。