蕁麻疹
蕁麻疹の原因はたくさんあり、アレルギー性、物理性、食事性、コリン性、接触性、心因性などに区分されるものから、原因不明のものまであります。
漢方では、発症部位、色、丘疹の状態と体質や経過を合わせて考えます。
19歳男性、大学受験の半年前に発症したが、受験が終わると治まってしまいました。その後予備校に行かれ、最近また再発の傾向があるとのこと。いろいろ話を聞いてみると、受験ストレスによる心因性と思われ、ストレスが交感神経の緊張を生み、免疫の異常を起していると考えられました。
ストレスによる過敏な反応をしないように柴胡剤をお使いいただきました。以前に専門学校生で、夏に国家試験を受ける前に蕁麻疹が発症し、柴胡剤で改善した例や、就職活動で発症した例などを参考にしました。
めまい 2
めまいは比較的中高年の女性に多くみられ、当店に相談に来られる方の9割が女性です。
73歳女性、忙しかったり、疲れたときにめまいが起こり、漢方薬を飲むと1日でほぼ治まる状況でした。真武湯や半夏白朮天麻湯などを使ってきましたが、どうもスッキリ、スカッときかないということで、薬を <加味逍遥散> に変更したところ、治りが今までになく早くなったとの事。
そういえばこの方は、ご主人に係わるストレスが多く、イライラを伴なっていたので、疏肝剤が適しているのは当然のことでした。
ついつい過去に実績のある漢方処方を使いがちですが、その方の状況にあわせて処方するという漢方の基本に立ち返ることの大切さを教えられました。なお、めまいに使う処方は20処方以上ありますので、よ~く相談されることが必要です。
めまい 1
めまいの相談はたくさんあります。比較的簡単なケース、例えば1~2週間で改善する場合と、半年かかっても改善しない例など様々です。
漢方的な原因で考えると、<水毒=頭部水分代謝の悪い状態> <血お=血の流れが悪い> <肝鬱=ストレスなど精神的要因> などが多いようです。
66歳女性、3年前にフワフワ、フラフラすると言って来店されました。顔がむくみ、頭重感があり、発作のときに吐き気がするなどの症状あり。これは「水湿」と言い、水分代謝が悪くて起こるもので、<苓桂朮甘湯> を基本に、2週間でかなり改善しました。以降も心配なので飲み続けるとのことで、標準の1/2量でしばらく服用を続け、さらに1年後からは1/3量で服用されました。以降全く起こらず快適に過ごしておられます。
声がかすれる
話すことを仕事にしておられる、学校の先生、各種教室の講師、講演をされる方、お坊さんなどから、よく相談を受けます。
話しはじめはスムースだけど、後半には声がかすれ、咳が出始め、止まらなくなるときもあると悩みは共通しています。
33才女性、施設の職員の方、仕事で大きな声を出す機会が多く、夕方になると声がかすれてきて、咳がではじめる、最近ひどくなって治る様子がないと相談に来られました。
また、44才男性のお坊さん、お経も読むときや、他の教室の講師をされていて話す機会が多い人で、長時間になると咳が出始めて困るとの相談でした。
いずれも漢方では『気陰不足』といって、エネルギーの低下と咽の潤い不足が原因と捉えます。そこで、長時間話せるためのエネルギー増強の「人参」と、乾燥を防ぎ潤いを維持する「麦門冬」、そして鎮咳作用の「五味子」が含まれる、補気補陰作用の<麦味参>という処方を使っていただきました。事前に飲んでおくと効果があり、楽だとの評価を得ています。
祇園祭 8
今日は宵山で、昼頃からたくさんの人で各路地が歩けないほど混雑しています。祇園祭の写真掲載も本日で完了です。明日は巡行ですが、テレビやネットでご覧下さい。
さて、この祭のもう一つの楽しみは歴史です。鉾や山を飾っている前掛(前側の飾り布)や胴掛(横)などの織物は、「繊維の街・京都」ならではのものです。長い間使われ、宝物のように扱われています。巡行の前日まで、各鉾町の屋内で飾られているのを間近に見るとみごとな作品です。
大掛かりな鉾だけでなく、綾小路室町にある『綾傘』は、天女の絵が描かれた鉾で他とは趣が異なります。
こんな建物も見つけました。2階の部分は不思議な人形?が飾られています。宵山には、他の場所でも個人所有の屏風などの宝物が屋内に飾られ、見られるのです。
当店の前も混雑して来ましたので、これにて本日は終了です。