幸福の木
四条の市兵衛薬局を開局したときに、あるメーカーさんからお祝いにいただいた観葉植物ドラセナの木、別名<幸福の木>に花が咲きました。
すでに10年を超えているのですが、特に手入れもせず、たまに水をやるだけの世話しかしていないのですが、お客様に<幸福>を与え続けてきました。当店の中心に陣取っています。
幸福の木の花は、木にストレスがかかったときに種を残すために咲くと言われますが、特にストレスを与えているつもりも無く、どうしたことでしょうか? 多分お正月の間は暖房が全く入らなかったため、寒さがこたえたのかもしれません。
以前にも花が咲いて、その後も元気にしているので心配ないと思いますが・・・。
春の七草
明日7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草粥」の日です。
平安時代から若菜を摘んでお粥をつくる風習があり、邪気を払い、無病息災を祈念する意味があったようです。現代のような七草を使うようになったのは鎌倉時代からとか?
七草は昔から聞かされているのに、漢字は書けないもの、改めて調べてみました。いくつ知っていましたか?
芹 (せり) =セリ
薺 (なずな) =ペンペン草
御形(ごぎょう)=ハハコグサ
繁縷(はこべら)=コハコベ
仏の座(ほとけのざ)=コオニタビラコ
菘 (すずな) =カブ
蘿蔔(すずしろ)=ダイコン
なお、これらの植物は本来は旧暦の正月(2月初旬)ころに育つもので、自然の中では正確に採取することは難しいものです。スーパーなどで販売している<七草セット>は温室栽培の植物で、多少植物が異なるものもあるようです。
いずれにしても青物(野菜)を入れてお粥を食べることは、お正月料理で疲れた胃には理にかなったものですね。 中国に行くと必ず朝はお粥を食べますが、鳥のスープなどで煮たお粥は格別です。現代風に七草粥をアレンジしてみてはいかがでしょうか!
初めて知った梹榔(ビンロウ)
お正月を利用してある地に行ってきました。それぞれの国や地域には様々な<変ったもの>がありますが、今回は<梹榔・ビンロウ>を知りました。
ビンロウは椰子科の植物で、葉っぱに石灰を塗りつけ、ビンロウの実に巻いたものが道路際にたくさん売られていました。元は台湾の先住民族の嗜好品といわれますが、今は台湾では煙草と同じような嗜好品として売られています。
このビンロウには覚醒作用があり、興奮状態や目覚ましの効能があると言われ、運転手に好まれます。ビンロウを噛むと真っ赤な唾液が出てきます。これは飲まず吐き捨てます。そのあと、汗が出てきて、神経を刺激しているのがわかります。しかし、美味しいものではありません。
日本では麻薬に分類されているようで持ち込み禁止ですが、台湾では合法で18歳未満の者だけ販売禁止となっています。農家の貴重な収入源ですので、台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う状況のようです。
なお、漢方では檳榔子の果皮である<大腹皮>という生薬を、整腸作用や利水作用に利用し、腹痛などのときの薬として使われます。
梹榔の実と石灰を塗った葉
出来上がった<梹榔>
噛んだあとの真っ赤な口
本年もありがとうございました
1年間ブログをご覧いただき、まことにありがとうござました。
症例を中心に、平易な文章で綴って参りましたが、専門の方からみれば、『飲んだ、効いた』の中味のない文章と思われたことでしょう。しかし、このブログは理論的に解説する目的でもなく、漢方薬は様々な使い方があるもんだなあと、一般の方に知っていただき、漢方をより身近な存在にしていただくことで、漢方が一層普及すればという目的で書いています。
また、店舗にお越しいただきました皆様には、まことにありがとうございました。
当店も昨日で本年の営業を終えました。最終日はたくさんの方にご来店いただきましたが、すべて対応させていただきましたので、安心してお正月をお迎えいただけるものと思います。風邪などに気をつけて、楽しいお正月をお迎えくださいませ。
新年は1月5日(月曜日)の10時から営業いたします。
来年も宜しくお願い申し上げます。
ビック病とは?
最近、病気の分類も細分化され、新しい病名が作られたり、呼称が変更されたりするケースが増えています。先日NHKの番組では、ビック病のことが放映されましたが、私も実はこの病名を初めて聞いたのです。
ビック病は第三の認知症ともいわれ、最近増加しているとのことです。
原因は脳の前頭葉の一部に萎縮がみられ、感情や行動に影響するもので、同じことを繰り返したり、暴力的になったり、反社会的行動をするようです。ただし物忘れの症状がないので認知症とは異なります。発症は働き盛りに多いようで、潜在患者数は2~3万人という説もあるそうです。
漢方では病名によらず、症状や体質で考えますので、想定できる漢方薬はあるのですが、果たしてその効果は? 相談があったときに検証したいと思います。
目の奥の痛み
頭痛にもいろいろなケースがありますが、目の奥の痛みから始まって偏頭痛に繋がることもよく見られます。
37歳のIさんも、慢性的に頭痛があり、週のうち半分ほど頭痛に悩まされているとのことでした。肩こりからくる頭痛や、目の奥から来る頭痛などがあるとのことでした。
そこで止痛作用の<清上蠲痛湯>と目のトラブルに使う<枸菊地黄丸>を併用いただきましたところ、1ヶ月で眼の奥の痛みもほぼ無くなり、偏頭痛の日数も減り、鎮痛剤の服用回数も激減しました。
結果から考えますと、ストレスや疲れなどで<肝陰虚>や<気滞血お>が原因となっていたようです。漢方の頭痛薬もたくさんありますので、原因を探って、ぴったし合わせる事が肝心ですね。