初めて知った梹榔(ビンロウ)
お正月を利用してある地に行ってきました。それぞれの国や地域には様々な<変ったもの>がありますが、今回は<梹榔・ビンロウ>を知りました。
ビンロウは椰子科の植物で、葉っぱに石灰を塗りつけ、ビンロウの実に巻いたものが道路際にたくさん売られていました。元は台湾の先住民族の嗜好品といわれますが、今は台湾では煙草と同じような嗜好品として売られています。
このビンロウには覚醒作用があり、興奮状態や目覚ましの効能があると言われ、運転手に好まれます。ビンロウを噛むと真っ赤な唾液が出てきます。これは飲まず吐き捨てます。そのあと、汗が出てきて、神経を刺激しているのがわかります。しかし、美味しいものではありません。
日本では麻薬に分類されているようで持ち込み禁止ですが、台湾では合法で18歳未満の者だけ販売禁止となっています。農家の貴重な収入源ですので、台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う状況のようです。
なお、漢方では檳榔子の果皮である<大腹皮>という生薬を、整腸作用や利水作用に利用し、腹痛などのときの薬として使われます。
梹榔の実と石灰を塗った葉
出来上がった<梹榔>
噛んだあとの真っ赤な口
本年もありがとうございました
1年間ブログをご覧いただき、まことにありがとうござました。
症例を中心に、平易な文章で綴って参りましたが、専門の方からみれば、『飲んだ、効いた』の中味のない文章と思われたことでしょう。しかし、このブログは理論的に解説する目的でもなく、漢方薬は様々な使い方があるもんだなあと、一般の方に知っていただき、漢方をより身近な存在にしていただくことで、漢方が一層普及すればという目的で書いています。
また、店舗にお越しいただきました皆様には、まことにありがとうございました。
当店も昨日で本年の営業を終えました。最終日はたくさんの方にご来店いただきましたが、すべて対応させていただきましたので、安心してお正月をお迎えいただけるものと思います。風邪などに気をつけて、楽しいお正月をお迎えくださいませ。
新年は1月5日(月曜日)の10時から営業いたします。
来年も宜しくお願い申し上げます。
ビック病とは?
最近、病気の分類も細分化され、新しい病名が作られたり、呼称が変更されたりするケースが増えています。先日NHKの番組では、ビック病のことが放映されましたが、私も実はこの病名を初めて聞いたのです。
ビック病は第三の認知症ともいわれ、最近増加しているとのことです。
原因は脳の前頭葉の一部に萎縮がみられ、感情や行動に影響するもので、同じことを繰り返したり、暴力的になったり、反社会的行動をするようです。ただし物忘れの症状がないので認知症とは異なります。発症は働き盛りに多いようで、潜在患者数は2~3万人という説もあるそうです。
漢方では病名によらず、症状や体質で考えますので、想定できる漢方薬はあるのですが、果たしてその効果は? 相談があったときに検証したいと思います。
目の奥の痛み
頭痛にもいろいろなケースがありますが、目の奥の痛みから始まって偏頭痛に繋がることもよく見られます。
37歳のIさんも、慢性的に頭痛があり、週のうち半分ほど頭痛に悩まされているとのことでした。肩こりからくる頭痛や、目の奥から来る頭痛などがあるとのことでした。
そこで止痛作用の<清上蠲痛湯>と目のトラブルに使う<枸菊地黄丸>を併用いただきましたところ、1ヶ月で眼の奥の痛みもほぼ無くなり、偏頭痛の日数も減り、鎮痛剤の服用回数も激減しました。
結果から考えますと、ストレスや疲れなどで<肝陰虚>や<気滞血お>が原因となっていたようです。漢方の頭痛薬もたくさんありますので、原因を探って、ぴったし合わせる事が肝心ですね。
中国料理<湯円>の講習会
先週、当店の漢方サロンで中国の食べ物<湯円>を作る会を開催しました。
湯円は台湾では冬至に食べるものとされたり、中国ではお正月に食べたりします。
このダンゴの中味は、あんこやピーナツ餡やゴマ、餃子など様々なものが入りますが、今回はナツメ餡です。
まずナツメをカッターで粉砕します。
先に煮てつぶしておいた小豆餡と混ぜます。
もち粉を練って外皮をつくり、ナツメ餡をくるみます。
その後茹でて出来上がり!
ナツメの香りのする餡子とモチの皮がとても美味しかったです。
10人余りの参加者も出来立てを試食し、お土産にお持ち帰りされました。
なお、ナツメは漢方で大棗といい、補血安神作用があり、小豆は漢方で利水解毒作用があり、いずれもよく使われる食材です。
みなさまも作ってみられては?!
社内研修会を開催しました
昨日は恒例の西洋医学の勉強会、元病院の院長H先生の講義で、呼吸器疾患について学び ました。H先生はご高齢にもかかわらず、最新の医学情報を入手し、資料を作って講義に 臨まれますので、とても勉強になります。
今回は特に最近心配される新型インフルエンザ についても学びました。
インフルエンザ・ウイルスは元々は鴨の糞に存在し、それが鳥や 豚を経由して人間に感染するのですが、特に鳥や豚が多い中国や東南アジアで発生が多く 見られています。2008年6月までの統計では、鳥インフルエンザの感染者は385人 、その内の死者は253人とのこと、かなり高い死亡率です。
また、鳥インフルエンザに 対しては既に<プレパンデミック・ワクチン=大流行前のワクチン>が作られており、高 齢者や医療関連の人に優先的に使われるようですが、もしウイルスが変異して、人から人 に感染するような新しいウイルスとなった場合は、それに対するワクチンができるのは1 年以上かかるので、大変な状態が危惧されます。
予防としては鶏肉や卵などはしっかり加 熱して食する、マスクなどで感染を防ぐ、そして疲労を溜めず、身体の免疫を高めておく ことなどです。
講義はその他、喘息や肺炎、結核などについても学びましたが、常に復習をしないと頭に 残らないのもので、脳の老化予防には有意義な研 修会でした。
結核の感染と経過の図
突然の訃報
6年前に初めてお越しいただいたHさんご夫妻、
61歳のご主人は体格もよくとても元気で、声に張りがあり、さすが会社の経営者という感じの方でした。一方奥様は大腸癌を患い、体調も悪い様子でしたので補血作用の<婦宝当帰膠>などをお使いいただいていました。
その後奥様は乳がんも患われて体力が低下していたので、ご主人がいつも付き添ってお越しいただき、様々な漢方薬をお使いいただいていました。
そして2年間ほど来られていなかったのですが、今日久々に奥様にお越しいただきました。『ご主人は?』の問いにも答えられず、『外で待っておられるのですか?』の問いに、主人は亡くなりましたとの一言。とても驚きでした。あんなに元気な方が亡くなるなんて信じられないです!しか言いようがありませんでした。
詳しく聞くと、海外で急に呼吸困難に陥り、日本に搬送されて後短期間で死亡、原因は不明のままとのこと。元気だけは自信をもっておられたHさんの顔が浮かびます。そして、生前口癖に言っておられた『人間は死ぬときにその人のすべてが現れる』という言葉が思い出されます。
社葬も盛大で、多くの方に惜しまれて去られたようですが、奥様はご主人がいなくなって初めて、ご主人の偉大さや、奥様への愛情を深く感じるようになったと言われていました。
しみじみとした1日でした。
食物繊維摂っていますか
先日のテレビ朝日「たけしの本当は怖い家庭の医学」は、食物繊維と血糖値の話題でした。
糖尿病の要因としては、家族性、過食、糖分の摂りすぎ、運動不足などがありますが、特に注意することは食後血糖値が急激に上がらないようにすることです。日本人の主食の米飯には100g中に約32gの糖分が含まれますので、意外と知らないうちに糖を摂っているのです。
そこで番組では、血糖値の上昇を緩やかにする<水溶性食物繊維>を豊富に含んだ食材を組み合わせて取る、たとえばひじき、キノコ類などがよいと紹介されていましたが、毎日継続することが大切になります。
当店では、食事や運動などの生活改善に加え、オオバコの種皮成分であるサイリウム(ほとんどが水溶性食物繊維)を多く含む健康食品</HJ0132.html”>健康食品I>を、食後にとることをお勧めしています。
食物繊維は大腸に生息するビフィズス菌の栄養源となり、悪玉菌の増殖を抑える働きもあります。
1日に必要な食物繊維量20g以上を摂ろうとすると、干しシイタケで50gとか、切干大根の乾燥したもの120gを食べる必要があります。もちろんその他の野菜で摂取できるのですが、意識的に食べないとなかなか必要量にならないようです。お通じを良くするためにも必要な栄養素なのです。