耳鳴りは老若男女にかかわらず、誰にでも発症するものですが、年代や体質的特長があり、それを手がかりに漢方薬を考えるケースがよくあります。
たとえば若い女性ですと貧血が原因かなとか、高齢者では年齢が関連しているかなどを考えます。あるいは仕事が忙しい方はストレスが原因の場合もあります。
41歳の女性Kさんは色白で、声が小さく、睡眠がよくなく、神経質な感じの方でした。耳鳴りは仕事に就いた頃から発症し、朝起きと夜にピーという音がする、生理の前に悪化するとの事でした。また、こめかみに頭痛がする、イライラが強いなど、ストレスと関連しているように思われましたので、漢方薬は更年期によく使われる柴胡剤をお使いいただきました。
しばらくして、耳鳴りは小さくなり、昼はすっかり消えたとの事でした。
高齢者の耳鳴りは簡単には改善しませんが、若い方の耳鳴りは比較的早い変化が見られるケースが多いようです。早い時期に相談されることをお勧めします。