漢方ブログ

このブログを書き始めて7ヶ月余り、合計170件の症例や情報、雑感を書き綴ってきました。

漢方に関するブログを書いておられる方はたくさんおられますが、大変レベルの高い解説を書いておられる方から、私のように『飲んだ・効いた』タイプまで様々です。

私のブログに対するスタンスは、タイトルの通り<1日1善>であり、1人でも喜んでいただけたらというもので、学術的な解説をする目的ではありません。漢方がいろいろな症状に使え、それが「証」に合った時は即効性があり、難しいものでなく身近なものですよ、という意図で書いています。

したがって弁証(病気の原因分析)や論治(治療法を組み立てる)としては不充分な内容ですが、一般の方々にわかりやすく知っていただこう、難しくなりすぎてはいけないと考えています。

1年を振り返りこの業界の方から見ると稚拙なブログ、あるいはちょっと短絡的、とのご意見があるとは思いますが、あくまで<中医学と漢方の啓蒙>の立場で、<易しく>ということを来年も続けていたいと思います。

本年もありがとうございました。

病が病を生む

扁桃炎の相談にこられた女性Kさん、今年1月からの扁桃腺炎になり、耳鼻科で治療を受けられてはいるが、いつになっても治らないとのこと。

よーく話を聞いてみると、咽の奥に白い斑点がついていて、少し痛みがある、その後舌が赤くなり、味覚異常がでてきたとのこと。検査データでは味覚異常があるわけでなく、境界値程度です。医師からそういわれたので、そうなったようです。

そこで舌を見せてもらうと、舌の両側の広範囲に苔が無く、中医学で言うところの地図舌で、「気陰両虚」を示していました。心配性で、少し自律神経失調気味ということがわかります。

結局心配が心配を生んでいるだけですので、疎肝剤と、咽の痛みに使う<銀翹散>をお勧めしました。もしかすると薬はなくても、カウンセリングだけでも良くなるのかなとは思ったのですが、薬があるとご本人は安心されるので使ってもらうことにしました。

この経過を振り返ると、風邪⇒扁桃腺炎⇒舌炎⇒味覚異常⇒歯科という順に病気を作っているのです。最初の時のフォロー、患者に安心感や信頼感を与えることが出来なければ、不安になり、そして次の病気を生んでいくという悪いサイクルに陥っていくのです。

病気の方にはとにかく安心感を与えるようにすることが、薬以上に大切なことだと改めて考える機会でした。

若者の事件に思う

先日来テレビで報道されていました学習塾講師の殺人事件は、当店のすぐ近くの出来事でした。

当日朝、電車に乗ろうと道路を歩いていると、けたたましいサイレンを鳴らしながらパトカーが暴走?していて、付近走行中の運転手も驚くほどでした。そして後で知ったのがこの事件。学習塾で大学生のアルバイト講師が小6の女児を刺殺した、それも計画的な犯行だったとか。

その後来店されたお客様の話で、息子さんが日ごろはおとなしいが、突然暴力的になることがあり、自分の子供と重なって見えると言われていました。

この息子さんは30歳過ぎで、仕事はまじめで、頭も良くて、国家試験を受けようと勉強している方なのですが、家では話の中のちょっとした言葉で急に激高して暴力を振るうときがあるといって、2ヶ月前にお母さんが相談に来られたのです。そして、本人も治したいと思っておられましたので、漢方薬の漢方薬Y>を使っていただきました。

そして1ヶ月経過したころから暴力はなくなり、2ヶ月後には中断していた勉強を再開しようという気になり、ずいぶん落ちついてこられました。

最近の20~30代の方によくみられるケースは、まじめで、外部でストレス発散ができず、家庭で大声をあげ、暴力をふるう、泣き喚くなど、友達や同年代とのかかわりが少なく、母親の過保護が続いていて、独り立ちや成長が出来ていないという方が男女ともに多いことです。

こういった事件をきっかけに、スクールバスの増加や、家庭の過保護、遊び場の減少、登下校時の子供どおしの遊びがますます減ることにより、この子供らが大人になった時に人間関係をうまくもてない人間になるのではと心配されます。

昔のように、子供が安心して遊べる社会を取り戻したいものです。

漢方だけですべて治る??

ホームページをご覧になって、毎日様々な相談があります。

その中でも、西洋医学で病気とされないもの、例えば冷え症などは漢方が得意とする分野です。また、病院の治療を受けているが、症状が改善されないものは、漢方を併用することでよくなるケースが多々あります。

しかし、病院の検査を受けず漢方だけで治したいという方もあります。胃痛や胸痛の方は、単に痛みだけ改善すれば良いというものでなく、その裏に隠された疾患、例えばガンや心臓疾患を見逃さないように、必ず検査を受けていただいています。癌の相談も多くあり、漢方や健康食品だけで治らないですかという方もありますが、先ずは西洋医学的治療が優先するものと考えます。

最近、中国から漢方薬や食品を通販で買っておられる方の話を聞くことが多いのですが、みなさん『西洋医学の治療はやめて、これだけにしてください』とか『○○さんがこれだけで良くなりました』とか言われているとのことです。それだけで治る保障もないのに、無責任な発言をするものだと怒りを感じます。

中国の中医薬大学附属病院でも、ほとんどが<中西医結合>といって、中医学と西洋医学の特徴を生かし、補い合う治療をしています。日本でも<東西合作医療>といって、漢方と西洋医学の両面から考えるのが基本と思います。

漢方や健康食品だけですべて治るという幻想は捨てて、理性的な対応をされることが肝心です。

中国製の精力剤

先日の報道で、またまた中国製の健康食品に対して、厚生省から販売中止の指示が出ていました。

従来は通販やインターネットでの個人輸入などの商品でしたが、今回は日本の薬局が販売していたとのことで大変残念です。

商品は男性用の精力剤で、バイアグラと似た作用を持つ「バルデナフィル」という成分が含まれており、日本では無承認薬品として薬事法違反になります。報道によれば2月以降に2億7千万円を販売したようです。

男性にとっての精力剤と、女性にとってのダイエット商品は永遠に求められる商品で、それだけに次々と問題商品が生まれてきます。健康を害してしまうより、体調を整えれば精力はアップすると考えますし、食生活を整えればダイエットの必要はないはずです。「それが出来ないから買うんだ」ということでしょうが、事故が起きてからでは遅いのです。

それもご本人は、自分のしたことだから仕方ないと言えるでしょうが、家族や周りの方を悲しませることになります。くれぐれもご注意を!!!

相談記録は手書きにて

このところ、2年ぶりとか3年ぶりというお客様が続いています。

症状は下痢や胃痛、冷え症、生理のトラブルなどで様々です。以前に漢方をお使いいただいたときに調子良かったのですが、しばらくして再び同様の症状が出てくるようです。

漢方は体質改善に利用しやすいと言いますが、元々の体質や性格がそう簡単に変わるわけでもなく、あるいは一旦変わったと思っても、再び戻ることはよくあります。

そういったお客様のため、経過記録は大切に保管しています。病院では電子化が進み、詳しいカルテが書かれず、経過や投薬のみが記録される傾向がありますが、やはり手書きで図などが入るものが必要です。

医療分野は効率化より中味が大切です。古いカルテの保管は気を使いますが、やはりお客様のことを考え大切に保管しています。

修学旅行シーズン

京都はただいま修学旅行シーズン真っ最中。全国の中学、高校から新幹線で来られ、奈良や大阪を巡られています。

今日のお客様は東北地方からの高校生5人グループ。修学旅行において学んだことをレポートするらしく、漢方の専門店とはどんなところか、どのような相談があるのかなどを聞きたいと、事前に依頼を受けていました。少ない時間でしたが、漢方の特徴や診断の仕方、漢方薬のこと、勉強の仕方、血流測定での体質判断などを学んでいただきました。

最近若い女性の間で漢方がブームになっていますが、高校生まで漢方の裾野が広がり、多くの方にその良さを知っていただくことはとてもうれしいことです。来ていただいた学生さんの中から、漢方を学ぶ方が生まれることを期待しています。

漢方の歴史小説を詠んで

漢方を扱う医師で、黒川達郎先生(大分県・黒川クリニック)が漢方の歴史小説を発刊されました。

この先生は月刊誌などにコラムを連載されている読書家で、視点も鋭く、風刺風でとても面白い文章を書かれるので、すぐに買ってみました。

内容は、吉益東洞や山脇東洋など、江戸時代に京都の街に住んでいた漢方の医家の日常を創作したもので、書くまでにかなり史実も研究されたようです。そしてその人間を上手に表現されていて面白いものでした。

江戸時代の大家と言えども、初期は皆生活に苦労し、人形つくりや内職で生活を繋いでいたといわれます。そして藩に重用されるなどで初めて世に出たようです。

これらの大家に共通していることは、勉強家であり、清貧で、人のために【医術】を学び、【仁術】を求め、【算術】を求めなかったからこそ、後世まで名を残す人物となったと思います。

この本をきっかけに、江戸の漢方大家から学ぶことは大変多いです!

黒滝ライブ・コミュニティ

昨日の続き・・・

山あいの25軒の村から更に奥に言った入った6軒が中心となって初めて行ったイベントの<黒滝ライブ>。どんどん過疎化していく村に外部からの人がきてほしいとの想いも込めて行われました。

ギター、指笛、太鼓、セミプロ歌手の歌など、たくさんの人がボランティアで出演し、たこやきや焼き鳥などとビールで秋の夕べを皆で楽しむというもの。手作りでありながらもなかなか立派なイベントで、心温まるものでした。

新しいコミュニティの誕生です。

田舎暮らし

田舎にログハウスを建てて自然を楽しんでいる友人がいます。仲間で地元の祭りを企画したと案内を受け行って来ました。

このハウスは15年前に自力で建てられたもので、そばにはごえもん風呂とパン焼き釜、そしてもう1棟のハウスが増えていました。これだけのものを造るには大変な労力を要したと思われますが、いつも人生を楽しむことを実践している点はうらやましく、且つ学ばされます。