旅行者の漢方

当店は四条烏丸にあり、近くにホテルもあるので、出張や旅行で京都に来られた方が立ち寄られます。

京都に来たとたんに風邪をひいた、疲れからおなかの調子が悪い、自分の都市には漢方専門店がない、など様々です。

昨日の方は、東京から来られてすぐ咳と痰がひどくなり、食事もゆっくり行けないとのことで困っておられました。早速<清肺湯+麻杏甘石湯>という漢方薬を1日分お使いいただきました。あくる日来られて、かなり楽になったとのことで、もう1日分をお渡ししました。

漢方薬は長期間続けないと効かないとか、1カ月分買わされる、とか誤解が多いようですが、短期間でも、少量でも使っていただけますので、京都にお越しの節はご活用ください。

ちょっと一息

山道で雨にぬれたサラシナショウマの白い花を見つけました。夏になるとさらに大きくなります。生薬名は升麻といい、漢方薬では脱肛に用いる漢方薬<補中益気湯>や、はしかのとき、発汗解熱剤としての漢方薬<升麻葛根湯>に用います。

 

近くにはヤブカンゾウの花が鮮やかなオレンジ色で咲き誇っていました。民間薬として利尿に用いられます。古くから「忘れ草」ともいわれ、辛いことを忘れることが出来るそうです。

 

漢方好きの子供

子供に漢方薬を飲ませるとき、まずくて子供が飲まないという方は、たいてい親も飲めない方が多いのです。薬は苦いもの、薬はまずいものという親の感覚が子供に伝わり、飲まなくなってしまうのです。

  

逆に、親が漢方薬を飲んでいる方の子供さんは、2歳の子でも平気で飲みますし、飲みすぎにならないよう注意が必要なくらいです。

野菜や果物(トマト・スイカ・リンゴ・トウキビ)など、すべて甘いものが良いもののように言われ、且つ好まれる時代だからこそ、『苦い味』も子供に教えておくことも必要と思います。

漢方好きの学生さん

から梅雨と思っていたら、全く逆転して大雨! 水が確保できたのは良かったでしょうが、被害にあわれた方には、お見舞い申し上げます。

  

さて、京都は観光の都市であるとともに学生の街でもあります。当店にも学生さんが相談に来られますが、中でも京都大学の方が比較的多いようです。

  

皆さん共通して勉強家で、ネットや関連書籍で調べ、漢方薬を指定して買われたり、複数の薬をバランスよく使われたりしています。また、煎じ薬を使われる方もありますし、勉強のためだけに来店する方もおられます。そして自分で考え、自分の身体で試して、結果を出すということをされています。

  

若い方に漢方を正しく知ってもらうことは、我々の仕事としてうれしく思います。

ヨーグルトと白内障

白内障のお客様より「ヨーグルトを摂り過ぎると白内障に悪影響を与える」というのはどう考えますか?との質問をいただきました。初めて聞くことなので早速ネットで調べてみると「伝統食の復権」という本に書かれていて、筆者は島田彰夫さんという、食の文化と健康を研究されている大学教授でした。  

  

要点は、ヨーグルトやチーズは、乳糖がグルコースとガラクトースに分解されていてカルシウムが吸収されやすい食品です。ところがガラクトースは酵素が働いてグルコースに変換されて初めてエネルギーとして利用可能になるものですが、成長とともにこの分解酵素がなくなり、ガラクトースが目の水晶体に溜まって、白内障の原因の一つとなるというのです。若年性白内障が増えているのは牛乳摂取過多=牛乳信仰による誤りということです。何でも偏って多量に摂取するのはいけません。

  

これに対して漢方的な判断はありませんが、日頃の食事指導で話すことは

  ・牛乳の飲み過ぎは、身体を冷やし、アレルギーの原因になる。

  ・カルシウムの摂り過ぎはだめ、1日400mgでよい。

  ・日本人には日本の食習慣=和食が民族に合っている

  ・ヨーロッパ型の肉や脂肪の多い食生活が現代の病気を生んでいる

などは、この方の話に共通するところがあります。

今回は情報の受け売りになりましたが、興味ある方は読んでみてください。

天天素の事故

心の病を連載中にちょっと臨時のテーマです。

またもや中国のダイエット食品で死亡事故が発生しました。昨日は指定買いで「天天素」はありますか?との来客ありましたが、中国輸入ダイエット商品は危険と説明しておきました。こういったニュースが流れると『漢方は危ない!』などと言った誤解が増えるので困ったものです!

漢方薬は薬事法の厳しい管理の下で、医薬品許可されたものを販売しており、健康食品とは別物です。また当店に限らず、薬局で販売する健康食品を含む様々な商品は、メーカーの品質管理がしっかりしていて安全性にはみなさん注意しています。

こんな事件のたびに強調しなければならないのが残念ですね・・・・。

はじめまして

毎日いろいろなお悩みの方が来られます。それぞれに体質が異なるし、経過も異なるから、それに対する漢方処方も異なる・・のが漢方の考え方ですね。

でも、共通することも多いし、症例の記録として残していくと、皆さんの参考になるかな?いえいえ、自分の勉強にもなりますよね。

ちょっとでも喜んでいただこうと思って、日々努力している足跡を残していきます。1日ひとつでも良い事をすればきっと天国に行けることを信じて?!?!