突然の訃報

6年前に初めてお越しいただいたHさんご夫妻、

61歳のご主人は体格もよくとても元気で、声に張りがあり、さすが会社の経営者という感じの方でした。一方奥様は大腸癌を患い、体調も悪い様子でしたので補血作用の<婦宝当帰膠>などをお使いいただいていました。

その後奥様は乳がんも患われて体力が低下していたので、ご主人がいつも付き添ってお越しいただき、様々な漢方薬をお使いいただいていました。

そして2年間ほど来られていなかったのですが、今日久々に奥様にお越しいただきました。『ご主人は?』の問いにも答えられず、『外で待っておられるのですか?』の問いに、主人は亡くなりましたとの一言。とても驚きでした。あんなに元気な方が亡くなるなんて信じられないです!しか言いようがありませんでした。

詳しく聞くと、海外で急に呼吸困難に陥り、日本に搬送されて後短期間で死亡、原因は不明のままとのこと。元気だけは自信をもっておられたHさんの顔が浮かびます。そして、生前口癖に言っておられた『人間は死ぬときにその人のすべてが現れる』という言葉が思い出されます。

社葬も盛大で、多くの方に惜しまれて去られたようですが、奥様はご主人がいなくなって初めて、ご主人の偉大さや、奥様への愛情を深く感じるようになったと言われていました。

しみじみとした1日でした。

年齢と体力の関係

先日古い知人の集まりがあり、真昼から宴会を行ってきました。

参加者の平均年齢65歳位にもなると、話の中に必ず病気や健康に関することが多くなってきます。そして年齢と気力と体力の関連では、年齢が上がると共に加速度的に老化が進むとのこと。55歳と60歳では気力の衰えが顕著となり、60歳と65歳ではさらに体力低下が顕著になるとのこと。当然個人差があり、一概には言えませんが、自分自身を振り返っても50歳代における1年間は3年間と同程度の変化が大きいことを実感しています。

そこて漢方薬は未病の薬(予防的に使えるもの)ですのですので、老化予防薬としての漢方の価値がさらに高まることと思います。

ちなみに私が愛用しているのは<冠元顆粒>や<瓊玉膏>で活血・補腎剤です。少しでも長く元気を維持したい方にお勧めです。

きのこ教室に行きました

小雨の降る中、美山町自然文化村が主催する<きのこ教室>に行ってきました。ここはしっかり自然が守られて美しく、かやぶきの里や、清流で釣れる鮎が美味しいことでも有名な所です。

最初にキノコ採取に関して専門の松田さんから説明を受けた後、山の中へ。雨のため、主に林道を歩いただけですが、それでもたくさんのキノコが見られました。ほとんど名前が分からず、持ち帰った後にキノコの名前と食用の可否を教えていただきました。

キノコ図鑑も持っていたのですが、種類の判別は専門家でも難しいものや、新種があり、わからないものは食べないことが原則とのこと。採取した中にもたくさんの毒キノコがありました。

きのこを巡るウソと迷信を教えていただきました。 

◆派手な色のきのこは有毒で、地味な色は食べられる。

◆縦に裂けるキノコは食べられる。

◆虫が付いているのは食べられる。

◆臭いがよければ食べられ、臭いのは毒。

◆ゆでたり塩漬けにすると毒が無くなる。

などはすべてウソで、全く逆のケースもあるそうです。
本日の収穫は ハタケシメジ、コガネタケ、スッポンタケ、クリタケ、でした。

松田さんによるきのこの判別

 コガネタケ

クリタケ

スッポンタケ

今日の収穫

広島に行きました

昨日は<日本中医薬研究会>の全国大会で広島に行ってきました。

大会では中国中医科学院教授・<路志正>先生が<中国文化と中医学>というテーマで講演されました。その内容は大変難しくて残念ながら説明できませんが、こういった偉大な先生方はそれぞれの分野を究極まで突き詰めると、哲学とか人類の歴史の領域に行き着く点が共通しているように思われました。わからないままに勉強にはなりましたが・・・??。

そして今日は快晴に恵まれ、<安芸の宮島>と<平和記念資料館>の見学をしました。資料館は以前にも増して展示内容が充実し、原爆の悲惨さを改めて感じました。今日は外国の人が多かったのが印象的です。

そのあとは名物お好み焼きを満喫。関西ではこのタイプを<広島焼>と言うのですがが、広島では<お好み焼き>というようですね。

充実した2日間でした。

色紙のことば

先日岡山のホテルで泊まったとき、部屋にあった色紙の言葉

『人生山あり谷ありといいますが上から見るとただの1本の道。ウームムムム・・』

いろいろな意味に解釈できるとおもいますが、私は『人生に限らず、物事は見る方角を変えれば、また違って見えるものだ』という勝手な解釈をしました。 困ったときは違う面からみると解決方法が見つかるかもしれないし、人生も小さなことに一喜一憂することなく歩けばよいということでしょうか? ちょっとした言葉に考えさせられました。

お客様に教わること

以前からお越しの女性Mさんは本が好きで、特に健康に関する本をよく読んでおられるのですが、今日は降圧剤の副作用について相談を受けました。

Mさんの話では、カルシウム拮抗薬でよく知られた降圧剤Nを長期に常用すると重篤な疾患を生むと本に書いてあったがどう思うかとのこと。そして作用が穏やかで安全なチアジド系利尿降圧剤に変えてもらおうかと考えておられるようでした。当然調剤薬局などでも相談されているようでしたので、それなら医師に遠慮なく聞かれることをお勧めし、降圧剤に関するコメントは避けました。

このような西洋薬に関する相談は、本来処方した医師に聞かれるのが確実なのですが、話しやすいと言うことでよくあるケースです。併用薬や過去の疾患履歴なども関連しますので、当然安易な回答はしませんが、その度に治療薬マニュアルなどを持ち出し調べてみるので大変勉強にはなります。お客さまから教わるのは漢方薬の効果だけでなく、その他の健康情報もあり、その真偽を調べるのも楽しいものです。

イチジクを収穫しました

趣味で少しずつ育てている当店の薬草園で、イチジクが収穫できました。今年初物ですが今までになく大きく、中身もしっかり熟していて大変甘かったです。

イチジクが薬草? と思われるでしょうが、イチジクの生薬名は<無花果>といい、漢方では<清熱解毒>や<潤腸>の作用があり、咽の痛みや声がれ、便秘などに用います。乾燥した実を煎じる場合と、実をそのままで食べる場合があります。

イチジクは栽培された果実としては世界で一番古い種目であり、歴史上の果実なのです。また、日本には江戸時代に伝わってきたと言われます。イチジクの葉も神経痛などの入浴剤に用いられます。

もちろん、それを目的に作っているのでなく当然食用です。無精者にとって、手入れなしでも出来るのがうれしいですね。

 

ヤマモモが実りました

当店の小庭には、目を楽しませるだけでなく、味わうことが出来る木々を植えています。

そしてこの時期、ヤマモモがたくさん実りました。真っ赤な美しい実で、ほのかに松脂の香りがするという不思議な味、でも甘酸っぱくてとてもおいしいものです。スタッフだけでなくお客様にも召し上がっていただきました。

ヤマモモの名前の由来にはいくつかの説がありますが、漢方の揚梅から変化した説が有力なようです。ヤマモモの樹皮を乾燥したものを揚梅皮(ようばいひ)といい、収斂(しゅうれん)、利尿、止瀉作用があり、下痢や胃薬の民間薬として用いられてきました。また打撲や腫れ物にも使い、商品としては打ち身や神経痛などのシップ薬として当店も取り扱っている<糾励根>に使われています。

性機能障害

昨日の続きですが、男性の性機能障害には、<性欲減退>、<性交障害>、<性嫌悪症>などがあり、これらは単に身体の問題でなく、心理面や社会性に係わることが多いようです。いわゆる環境ホルモンによって男性が女性化したり、テストステロンが減少傾向にあるとか、仕事のストレスが多いなど様々な要因があります。

その中でも特に多いのが<メンタルな原因>によるものとのことです。つまり、ちょっとしたきっかけや言葉によってそれがトラウマになってEDになるというものです。

先月の中国研修の時に曹開鏞先生は、新婚時の夫婦生活が原因となって、その後性交障害が続いていた患者に対し、カウンセリングによって原因を聞きだし、夫婦仲を改善させるとともに漢方薬を使って解決した事例を紹介されました。

日本ではそのようなカウンセリングを出来る場所は少ないと思われますので、さらに研鑽を積み対応していきたいと考えています。

男性不妊の研修会

先の日曜日は<男科:だんか>の研修会に行ってきました。

中国で<男科>とは男性不妊や前立腺疾患など、男性特有の疾患分野をいいます。このうち前立腺肥大や排尿障害の相談はよく受けますし、適応する漢方薬もいくつもあります。一方、男性不妊の原因である性機能障害や精子機能障害などは、困っている方がたくさんあるのですが、薬局で相談しようと思わず、あきらめている方も多いのではと思われます。

日本性機能学会の1987年のデータでED(勃起不全)の患者は980万人となっていますが、その後増え続けていると思われます。男性は酒席の場では性に関する話をよくしますが、まじめな場ではなかなか話せないものです。

でも先月の中国での男科研修では、70歳代の男性がEDの治療でタイから来ていたり、若い男性が奥様に連れられて性機能に関する診察に来ていました。

日本もこれから男性の意識が変わるものと思います。