肝斑のご相談

肝斑は褐斑とも言われ、顔や目鼻の周囲にできる点状のもので、多くは<気滞=気分の滞り>によって生じるといわれます。

つまり、ストレスによるものや、年齢的な原因などによってホルモンのアンバランスを生み、皮膚への滋養がうまくいかないためで、漢方では<肝の疏泄の失調>とも言います。

このような時に血の道症の薬<加味逍遥散>をよく使います。しかしこれだけで良くなることは少なく、貧血傾向や乾燥肌の方には<婦宝当帰膠>を、血流悪化の方には<冠元顆粒>などを併用し、皮膚の新陳代謝をはかります。

肝斑といえども、その方によって漢方薬の種類は変わります。なお、肝斑はストレスやホルモンだけでなく、様々な原因がありますので相談が必要です。

年に一度のかすれ声

人それぞれ体質的に弱い箇所をもっているため、季節の変化に伴い毎年同じ時期に同じ症状が出る方があります。

その典型が花粉症です。昨年使った漢方薬が良く効いて花粉症の時期が楽に過ごせたので、今年も同じものがほしいといって、年に一度だけ来られるお客様もあります。

昨日お越しの73歳女性Mさんは朗読をしておられるのですが、昨年のこの時期に<息苦しく、声が出にくい>との相談を受けました。声がかすれるのは<肺陰虚>といって気管支系が乾燥しているためで、乾燥を改善する<麦門冬湯>や、補気補陰作用の<麦味参>をお使いいただきました。

その後来られなかったのですが、昨日1年ぶりに来店され、昨年のが良く効いたので今年もほしいと求めてこられました。年に一度のお客様ですが、覚えていただいていることはとても嬉しいものです。

潰瘍性大腸炎

38歳の主婦Wさんは、潰瘍性大腸炎のため20歳代から時々血便や下痢があり、それに伴って貧血もひどく立ちくらみなどがありました。また体重も少なく体力も低下気味でした。

そこでまずは出血を止め、貧血を改善することから考え、<婦宝当帰膠>や<ウコギ含有健康食品D>をお使いいただきました。また、小康状態を保っているときは健脾薬や、補気補血薬などに変更し、2年以上継続されています。

昔からステロイドは使わないと決めておられ、漢方薬だけお使いですが順調に経過しています。クローン病や潰瘍性大腸炎で症状が強く下痢や痛みなどがひどい方の場合も漢方薬が症状改善に有効ですが、Wさんの場合は比較的症状が軽いケースです。

JEUGIAカルチャーを担当しています

今月4日から、JEUGIAカルチャーKYOTOさんが主催するカルチャー教室にて、当店が『わかりやすい漢方教室』を担当することになりました。

最近は週刊誌や女性誌などで漢方が特集されることもあり、若い人々の間に広く知られ、多く使われるようになりました。そして今回の教室も、当初は熟年や高齢の方が多いかなと思っていたのですが、開いてみると20代から50代まで、比較的若い方が会場上限の16名参加いただきました。

漢方が病気にならないための予防医学として、さらに普及することを望んでいます。なお、当日は講義のほかに、おいしい<甘茶>や<漢方薬H>の試飲で体感していただきました。

肩のこりと首のつまり

雨の前後に、肩がこる、後頭部が詰まったようになり、息苦しく重くなる方がおられます。特にムチ打ちを経験した方にはよくあることです。

西洋医学では矯正、牽引などが行われますが、漢方薬も軽い症状には良く効きます。

36歳の女性Kさん、雨が降った後はいつも肩や首が詰まってユーウツになるとの訴えでした。肩こりには<葛根湯>とばかり、まずは使っていただいたところ、15分ほどして効果が現れ、首の後ろにあった何かがすっきり消えて楽になったと驚かれました。

漢方薬Kは、『熱や凝りを発散させる』という作用があり、効くときはほぼ即効性で効くものです。昔から<葛根湯医者>という言葉がありますが、馬鹿にはできません。とても優れた漢方薬です。

赤ちゃんには母乳だけでよい?

先日、赤ちゃんの乳児湿疹でご相談にこられた方が、出産時に産婦人科医から『7ヶ月までは母乳だけで育て、お茶やお白湯などは一切あげないほうが良い』といわれて実行しているとのことでした。私も初めて聞いた話で驚いたのですが、反論する根拠もなく、常識では考えられないですねとお答えしておきました。

そして、以前より『ひよこの会=当店で行っている子供の発達相談の集い』でご指導いただいています小児科医に問い合わせたところ、そんな極端なことはおかしいとの判断でした。これから暑くなる時期、水分を充分に補給してあげないといけないのですが、母乳だけで賄うのは無理があります。

医師の言葉は患者にストレートに入っていきますので、注意してほしいものだとつくづく思いました。

あかちゃんとマクリ

マクリとは紅藻類の海人草のことで、江戸時代よりアヤギヌ(鷓鴣菜)とともに虫下しとして使われてきました。

戦後も学校で蛔虫の駆除用に生徒はいっせいに飲まされました。くさくてマズイお茶でした。これを胎毒を下すものとして使われる方もあるようです。

一方あかちゃんの胎毒下しは、本来は生薬を組み合わせた漢方処方で、

海人草に加え

大黄・・・便通をつける

紅花・・・血流をよくする

黄連・・・解毒作用など、

いくつかの生薬をあわせてつくるものです。

産後早めに飲ませると、出産時に口から入った毒素を排泄し、アレルギーや様々なトラブルの予防になると言われます。今も時々求めてこられます。