高齢者の下痢

下痢に用いる漢方薬はたくさんありますが、高齢者の場合は西洋薬の止瀉薬より漢方薬が適します。止瀉薬を使うと、下痢が止まったと思えば便秘になるなど、調節がうまく行かないというケースがありますが、漢方薬はおなか全体を整えますのでその心配もありません。

85歳女性Kさん、ほぼ寝たきりの方で、先月より下痢が続き、時々腸が痛むとのことで家族の方が相談に来られました。医師からは薬をもらって2週間のんだが改善しないので、漢方の方が適しているのではと思われたそうです。

詳しく話をお聞きすると、腹部の冷えや年齢的なことが影響しているようでしたので、温腎利水の<真武湯>と<人参湯>を1週間分お使いいただきました。

今日再び来られ、結果は良好で、下痢は止まり、少し軟便程度になったとのことでしたので、漢方薬を調整し、また1週間使っていただくことにしました。

<真武湯>は身体を温め、元気をつけます。朝力の下痢にはよく効きます。また、<人参湯>も腹部をあたため、胃腸の働きを良くします。2種類をあわせたものを、とある医師が便宜的に<真理湯>と名づけられていて、私も活用させていただいています。