漢方の軟膏 6

軟膏を使う対象としては、やはりアトピーの方が多いようです。

病院でも保湿や消炎、あるいはステロイド軟膏など、たくさんの種類が使われますが、漢方でも消炎効果の軟膏があります。

26歳女性、アトピーで目の周囲や額に発疹があり、ひどいときはステロイドを使われていましたが、長期使用に不安を感じ、代わりのものを求めてこられました。赤くなって、カサカサして白い粉が落ちるという状態でしたので、<漢方クリームS>をまずは腕に塗ってテストした後、問題なければ顔に使ってもらうようにしました。

2~3日で赤みがずいぶん消え、保湿されてカサカサ感も改善しました。この軟膏はクリーム状で匂いもなく、使いやすいのでオススメ品になっています。

漢方の軟膏 5

京都には国立博物館内文化財保存修理所があり、全国の国宝や重要文化財の修理、復元を専門に行っています。

ここの職員のKさん、薬品かぶれがきっかけとなり、手のひらに発疹が出ました。仕事で木槌を毎日使うために手は更に傷み、ジクジクして痛く仕事がやり辛いと相談に来られました。

<タイツコウ軟膏>をベースにオリジナル軟膏の作り方を教え、差し上げました。<タイツコウ>とは古典的処方をもとに作られた軟膏で、当帰、桂皮、大黄などを含む、傷の修復に効果のある薬で、切傷、むしさされ、とこずれなどに用います。アトピーや皮膚の破壊修復に使います。

仕事を続けながらも、5ヶ月で皮膚は再生し元に戻りました。軟膏に生薬末を混ぜることで、良い結果がでたようです。

漢方の軟膏 4

前回、伝統あるお薬や軟膏が少なくなくなって来た話を書きましたが、そのひとつが<中黄膏>です。  https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2005/09/post-87.html

 

黄連、黄柏、山梔子などを成分とし、化膿性の傷や腫れ物、かぶれにはよく効いたのですが、今はなくなったので代わりにベルクミンを使っています。

https://www.kanpou.info/product/MK2726.html

   

ベルクミンは黄連や山梔子が含まれないので作用は少し異なりますが、代用品としては最も近いものです。傷やおでき、湿疹、ただれ、とびひに使います。チューブ入りで使いやすく、1家に1本常備薬としてお勧めです。

月刊誌SAVVYに紹介されました

京阪神で働く女性たちを対象にする人気の情報誌    【SAVVY】には、全国の女性に関心のあることが満載!今回は特集記事で『漢方のチカラってすごいんだ!』というコーナーに掲載されました。

SAVVYの紹介文では・・

サヴィは今までにも、体質改善を目指して特集を組んできました。その中で私達が一番注目しているのが漢方。実際私達のまわりでは、肌がつるつるになった!むくみがマシになった!という人がたくさん。体重が10キロも落ちた!という人も!漢方薬を処方するクリニックも増えています。漢方のチカラのリサーチ結果、漢方薬局の上手な使い方や、おいしい薬膳料理のお店など、もりだくさんでお届けします!

なお読者の多くが、自分らしく、毎日を楽しむ、元気でかわいい女性たちとのことです。

【SAVVY】さん ありがとうございます。

  

北の生物

北海道の自然にはたくさんの生き物がいます。減っていく中、人間との共生が模索されています。

美しいエゾシカ

かわいいシマリス

遭いたかった?ヒグマ

北の大地

社員研修会で北海道・知床方面に行ってきました。自然がいっぱいで「心の洗濯」もできました。この自然を大切にしたいものです。

オホーツクの夕焼け

水面が映える知床五湖

水が美しい屈斜路湖

漢方の軟膏 3

漢方軟膏で最も有名?なのは「紫雲膏」ではないかと思います。

S軟膏は、やけどの時に<すぐに> <たくさん>塗っておくと水泡ができてもすぐに引いていくようです。また、乾燥してひび割れした皮膚に塗ると、短期間でつるつるになります。しもやけになりやすい方は、夜寝る前に塗っておけばこれで大丈夫。痔の方は周囲に塗ってもよいし、<座薬タイプ>を使うと内痔核にもよいし、痛みがある方ならすばやく治まります。

これだけ使い道があるのに、成分は<紫根=熱をさまし、解毒する> <当帰=消炎や血流をよくする> <ミツロウ=解毒、生肌作用> <豚脂=乾燥をとる>などで、幅広い効果があるのです。

また漢方軟膏は口に入っても安全なことも大きな特徴です。もっと見直したいものですね。

漢方の軟膏 2

生薬を主成分とする軟膏は以前はたくさんあったのですが、医薬品製造における品質管理規制が厳しくなり、製造業の免許を維持しようと思うと大変な設備投資が強いられるため、廃業に追い込まれる零細製造業者がたくさんありました。

軟膏としては良いものもあり、少し臭いが強いとか粘度が高くて塗りにくいとかありますが、何よりも歴史があって安全性が高い、人間に優しいことが特徴です。

このような歴史があるものを残すことなく、新しい規格と新しい化合物を求めていく現在の制度は、長い目で見て! 本当に人間のため、地球のためになっているのでしょうか? 環境ホルモンが問題になっていますが、人間が生んだもので人間が滅びていくというのは、一面滑稽な感じがします。

漢方の軟膏 1

黄柏はミカン科の高木、キハダの樹皮で、その作用は抗菌、抗炎症、降圧、健胃作用があります。昔から胃腸薬の原料として用いられ、信州の「百草丸」、吉野の「陀羅尼助」、山陰の「練熊」として用いられてきました。

この黄柏の粉末を求めてこられた方、子供の<とびひ>や<あせも>に使いたいとのことでした。黄柏の入った軟膏はいくつか発売されていますが、黄柏だけを求めてこられる方は初めてでした。

黄柏を酢で練って軟膏とし、湿疹や打撲の外用薬として昔から民間で用いられてきましたが、昨今は軟膏は化学物質(西洋薬)が主で、自分で軟膏を作られる方はほとんど無いと思います。

世の中には、いまだに民間薬に親しみ、詳しい方がおられるということに、なにか頼もしく、とてもうれしい気持ちになりました。