<痰核>とは、痰邪(体内の水分が粘りを持ったもの)によっておこるもので、皮膚の下が腫れて核のような結塊ができるものをいいます。
その原因の多くは、食事の不摂生やストレスにより血液や体液のめぐりが悪くなることで発症すると考えます。
47歳の女性Fさん、7月の初旬に耳の後ろから首にかけて腫れ物ができ、病院で検査を受けられても特に異常がなく、様子を見てくださいと言われるだけでした。それでも心配になり、相談に来られました。
詳しく話を聞きますと、今年の春から育友会の役員をされて忙しく、ストレスも多いようでした。頭痛や胃痛もあり、心身ともにお疲れの様子でした。そこでこれが原因と考え、漢方薬はストレスを緩和し、緊張を和らげること、胃腸の働きを良くして、消化を助けることなどを目標に、<半夏瀉心湯>や疎肝作用の<逍遥丸>などをお使いいただきました。
2週間後お越しいただいた時は<痰核>は小さくなり、胃痛や頭痛も少なくなりました。短期間でこれだけ改善することに驚き、そして喜んでいただきました。
漢方では、ストレスによって痰が溜る<痰凝気滞> が原因で起こる<痰核>で、気の巡りなどをよくすることで改善する、漢方がよく適応する疾患です。