皮膚病の日

今日は不思議なくらい、皮ふトラブルの方が多くみえました。

以前からよくあることですが、1日のうちに同じような疾患で相談に来られる方が集中するのです。そのため、いろいろ考えることなく、スムースに対処方法や注意事項が頭に浮かんできます。

26歳女性Tさん、まぶたの付近に乾癬のような、乾燥し、痒みのある皮ふトラブルがあり、酷くなってきたので相談にこられました。舌を見ると色は淡く貧血の様で、聞くと立ちくらみで突然に倒れることがあるとの事。肌は乾燥し、風呂上りは全身に痒みがある。胃腸が悪いと頭痛がするなど、様々なことが聞かれました。

まずはアトピーを治すより、身体を整えることが先決です。そこでまずは血液を補う<漢方薬F>を体質改善薬として使っていただきました。また、生理前のトラブルや、皮ふ状態の変化から、ストレスが大いに影響しているため<漢方薬S>と、外用には赤みと痒みを軽減し、保湿する漢方クリームS>を併用しました。

いわゆる皮膚病によく使われる漢方薬は使わず、本治からスタートする方法もまれにあります。全身の改善が部分の改善につながるのです。

慢性病による寝汗

大病の後や慢性病の時に生じる寝汗は盗汗ともいいます。

極度に体力を消耗し、痩せてきて、体液が減少し、体内の熱を冷ませないために汗が出る症状で、汗によって再び体液が失われ、体力低下を招くという悪循環におちいります。また微熱が続くのも特徴です。

漢方では、体液が減少している意味の<陰虚>とか、体力・氣力が低下している意味の<気虚>などと表現します。

73歳の男性Sさん、ガンで抗がん剤治療を受け、体調も悪く入院されていました。入院中から寝汗が出始め、医師に相談されたのですが、特に異常はなくガンによるものだから仕方ないとのこと。しかし微熱は続き、身体はだるく、痩せてきて、貧血傾向もあるので、ご家族の方が相談に来られました。

これは明らかに<気陰両虚>の症状ですので、体力を付ける牛黄製剤と、補気・補陰の<麦味参>を合わせて使っていただきました。以前にも同様の相談があり、1週間ですっかり良くなったという経験がありますので、前回と同じ処方を使いました。

西洋医学では寝汗は病気にはならないようですが、漢方では昔から対応する処方があるのです。

咳の生薬と漢方

お正月明けは咳の相談が増えてきました。少しこじれているようで、なかなか抜けない方や、悪化して痰がひどくなってきた方など様々です。

台湾から来られている留学生の女性、3週間ほど咳が続いてひどくなってきたので漢方を欲しいと来店。台湾ではこんなとき杏仁のおかゆと枇杷膏を使うといわれましたが、杏仁が含まれる漢方薬のほうが早く改善するので、
<麻杏甘石湯>を1週間使っていただくことにしました。

<杏仁>はアンズの種のことで、止咳作用があり、胸中の痰をとりますので咳には良く用います。使い方は煎じても、おかゆにしてもいいのですが、有毒ですので多くは使いません。

また、枇杷の葉も咳や痰をとる作用があり、台湾ではエキスが商品化されていますが、日本では煎じて使います。

台湾や中国では、日常からこれらの生薬が気軽に使われ、悪くならないうちに自宅で対処さているのですが、日本では民間薬・生薬の活用頻度が少なくなってきています。本来は病気が悪化しないように、早く対処することが最も良い治療法なのです。

コラーゲンによる吹き出物

コラーゲンは、関節の疾患に関連する症状緩和や、肌を美しくするものとして、人気のある健康食品です。

人体では、皮膚や血管など、ほとんどの組織にある繊維状のたんぱく質ですが、健康食品ではコラーゲンペプチドとして加工されたものを摂取します。これが腸内でたんぱく質分解酵素によって分解され、消化吸収されるわけですが、人によっては分解酵素の差があるため吸収されにくく、大きな分子のたんぱく質としてアレルギー反応を起す場合があるようです。その結果、本来肌を美しくするものが、肌にトラブルを生じることがあります。

いつもブログをご愛読いただいている漢方ファンの女性Mさん、コラーゲンを飲み、額に吹き出物が出来たとのこと。コラーゲンが分解されにくく、胃腸に負担になっているためと思われました。

一般的に<額>や<口の周り>に出る吹き出物は、胃腸に負担があるため生じているもので、胃腸の働きを良くし、胃腸の負担を軽減する漢方を使います。

Mさんの場合は消化を促進する健康食品SSを飲み始めて1週間ほどで改善してきました。この他にも健胃作用の<六君子湯>なども効果があります。

このような例はたくさんあり、額の小さな白いニキビ・吹き出物には結構早く効果が見られます。ぜひお試し下さい。

冬の高血圧

寒くなってくると風邪や冷えの相談が増えてきますが、意外に自分で気が付いておられないのが高血圧です。

継続して来られているお客様には、毎回<血流計>で血液の流れを調べると同時に血圧も見て、記録を残していますので、季節による血圧の変化がよくわかります。季節の変化に影響を受ける方と受けない方がありますが、中年以上の方は12月以降に血圧が上ってくるケースが多いようです。

3年来お越しになっている女性Nさん、お嬢様の相談に伴なって来られているのですが、半年前から拡張期(下の)血圧が90を超えるようになってきました。そして年末には収縮期(上の)血圧が150、下が100を超えていましたので、そろそろ気をつけたほうが良いと思い、活血作用の<冠元顆粒>をおすすめしました。

<冠元顆粒>は血管拡張作用があり、寒い時期の高血圧や、末梢血管の収縮にともなう冷えやしもやけにも使います。一般に運動不足の方で肥満傾向の方は下の血圧が上がりやすいですが、Nさんは週に1度以上山を歩いておられる健康志向家で、体型も標準で、見た目は健康的なので、<冠元顆粒>だけでも改善するものと考えています。

寒くなる時期、自分の血圧がどうなっているのか是非一度調べてみて下さい。

七草がゆ

1月7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草がゆ」の日です。鎌倉時代から行われていたという邪氣を払う風習で、お正月で疲れたお腹を休める意味もあるようです。

七草はどこにでも説明されていますが念のため・・

せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ・・ですね。今はこれらの野草は取れないのでスーパーで買いますが、この日に限らず、いろいろな季節の野草を入れて薬膳粥を作ってみてはいかがでしょうか。

日本では風邪を引いたときなどにつくるとか、中国料理店で食べる程度ですが、中国では日常的にお粥をよく作ります。

朝の胃腸がまだ動いていない時に消化の良い粥を食べるのは道理にかなったものです。そして水分を含んでいるので、固形物が少ないのに結構お腹がいっぱいになるのが粥です。また、鶏肉や野菜など、何を入れても美味しいのがお粥です。ダイエットにも最適です。

最近は炊飯器もお粥モードがあったり、レトルト食品もたくさん出ていますが、米から炊く本格的なものでなくても、残りご飯を煮るだけでも充分おいしいお粥が出来ますので、日常的にも続けられます。

美食としてのお粥より健康食としてのお粥をぜひお勧めします。

新年のご挨拶

新年おめでとうございます。

さらなる漢方の普及と、皆様に少しでもお役に立てればという気持ちを新たにし、ブログを書いていきます。

今年もよろしくお願いします。

学業の神様・北野天満宮から

漢方ブログ

このブログを書き始めて7ヶ月余り、合計170件の症例や情報、雑感を書き綴ってきました。

漢方に関するブログを書いておられる方はたくさんおられますが、大変レベルの高い解説を書いておられる方から、私のように『飲んだ・効いた』タイプまで様々です。

私のブログに対するスタンスは、タイトルの通り<1日1善>であり、1人でも喜んでいただけたらというもので、学術的な解説をする目的ではありません。漢方がいろいろな症状に使え、それが「証」に合った時は即効性があり、難しいものでなく身近なものですよ、という意図で書いています。

したがって弁証(病気の原因分析)や論治(治療法を組み立てる)としては不充分な内容ですが、一般の方々にわかりやすく知っていただこう、難しくなりすぎてはいけないと考えています。

1年を振り返りこの業界の方から見ると稚拙なブログ、あるいはちょっと短絡的、とのご意見があるとは思いますが、あくまで<中医学と漢方の啓蒙>の立場で、<易しく>ということを来年も続けていたいと思います。

本年もありがとうございました。

Hanako westに掲載されました

キレイになれるビューティ&ヘルシーフード、コスメ情報や、おい しいお店やカフェのこと、お料理やお菓子のレシピなど、とっておきの話題がいっぱいの女性誌 《Hanako west》 に当社の四条店<市兵衛薬局>が掲載されました。

今回の特集は「体質改善ダイエット」で、そのうちの一つの方法として、漢方薬で気・血・水のバランスを整えて代謝をアップし、太りにくい体質をつくるというものです。

以下、紹介文です・・・

宇治に本店を構える『健伸堂薬局』の支店。毎週金曜は、古村滋子さんのカウンセリングが受けられる女性専門相談デーになっているので、初めての人でも足を運びやすい。カウンセリング中には、鍼灸師の資格を持つ古村さんに、食欲を抑えるツボや代謝をアップさせるツボなどを教えてもらえるのがうれしい。

ココがうれしい⇒毎週金曜日は女性相談日 + 通いやすい駅近の好立地

マガジンハウス 様 ありがとうございます。

南蛮毛のはなし

昨日のテレビ「あるある大辞典Ⅱ」は、世界あるある最新報告SP として、キレイになれる話があったようです。残念ながら見られなかったのですが、放送後すぐに<南蛮毛・ナンバンゲ>のご注文をたくさんいただきました。

南蛮毛>は、ご存知のとおりトウモロコシの毛(雌花の花柱)を乾燥したもので、昔から民間薬として使われてきました。特に、腎炎の浮腫や妊婦の浮腫に用いられてきました。

テレビでは『むくみをとってスッキリする』ということと思いますので、この場合は1日量10~15gを煎じ、お茶として使います。はと麦茶に混ぜるなどすると、より美味しくいただけます。ぜひお試し下さい。