アトピーは季節とともに

25歳のNさん、子供の頃からアトピーで、5年ほど前から悪化し始め、病院で治療を受けておられましたがあまり変化無く、当店に相談に来られました。

顔や首周りに赤みがあり、乾燥が強く、粉を吹くような状態でした。便秘気味でもあったので、まずは<清営顆粒> と滋陰剤をお使いいただき、2ヶ月で赤みも痒みも無くなりました。

その後乾燥だけは改善しないので今度は<当帰飲子>などに変更したところ、乾燥も徐々に改善しきれいな肌になってきました。

アトピーに限らず、症状の変化や季節の変化に応じて漢方薬を変えていくのが通常ですので、自己判断で購入せず、専門薬局にご相談されることが大切です。

皮膚の痒み

10月に入って皮膚の痒みを訴える方が増えてきました。原因は単なる乾燥による場合や、それ以外の皮膚トラブル、アトピーの方などです。

40歳の女性Fさんは2年前から首の後部や脇、口の周囲などが乾燥し、赤みを伴い痒みが増していました。痒みは季節や生理周期には関係なく、汗をかいた時や、身体が温まった時に悪化するとのこと。アレルギーの検査でも問題なく、原因不明で困っておられました。

そこでまずは口の周囲に出るとのことでしたので、胃腸機能を高める<香砂六君子湯>と痒み改善に<消風散>を使っていただきましたところ、2週間で痒みが出る回数が減ってきました。

その後は、根本は胃腸にあるとみて<香砂六君子湯>を基本にし、症状に応じてお薬を使っていただいていましたが、秋になり乾燥が酷くなってきましたので補血潤燥の<当帰飲子>と、滋陰作用の<八仙丸>をお使いいただき、ほとんどの赤みと痒みがなくなりました。

元々の原因は明らかではありませんが、胃腸の弱いことや乾燥肌が関連していたのではと思われるます。

アトピーは根気良く?

アトピーの症状は千差万別ですが、改善に要する期間もかなり個人差があります。早い方は2週間で改善し始めて驚くこともありました。
しかし、すべてがうまくいくわけでもなく、長期間漢方薬を続けておられる方もあります。

27歳の女性Mさんは小児アトピーでステロイドを使い始め、高校生の頃まで長い間使われましたが、治らないので思い切ってやめられました。その後春先は特に悪化し、顔や目の周囲、首周りが赤く熱感があり、痒みも夜になると酷くなる状態が続いていました。また関節部位にも発疹がでていました。

ご相談に来られて早速漢方薬を始められ、清熱通便作用の<清営顆粒>や、血熱改善の<温清飲>などをお使いいただきましたところ、赤みや痒みは軽減されて順調に改善していたのですが、昨年の春は再び悪化してしまいました。

そこで乾燥肌や舌の状態から考え直し、ほてりに使う<瀉火補腎丸>などの滋陰剤に変更したところ乾燥も改善され、今年の春は悪化することなく過ごされました。

まもなく2年を迎えようとしていますが、根気良く続けられた結果と思います。

漢方はやっぱり煎じ薬で

小児からのアトピーで長い間ステロイドを使ってこられたMさん、改善することなく繰り返すのでステロイド軟膏を止め漢方だけで取り組んでみようと相談に来られました。

お肌は乾燥気味で、仕事をしているときは痒みはないのですが、家にいてリラックスしているときは急に痒くなるとのことでした。そこで、乾燥を改善するため補血潤燥の<当帰飲子>や<三物黄芩湯>などの滋陰剤を使ったものの、あまり改善見られませんでした。

しかし滋陰剤が必要なことは明らかなので、エキス剤に代わり<煎じ薬>を使っていただきました。そうすると、今までになく調子がよいとのことでした。アトピーに限らず、エキス剤で余り改善されないときに煎じ薬に変えると良くなるケースがあります。

やはり漢方は煎じ薬が一番と思います。

アトピーの赤みには

アトピーの相談もたくさんありますが、いずれも赤みや痒みを伴い、辛いものです。

27歳の男性Mさん、昔からアトピーはあったのですが、大学入試後に悪化し、乾燥時期やストレスの増加によって悪化を繰り返していました。いくつかのお薬をお使いいただきましたが、実感としては清熱通便作用の<清営顆粒>で赤みが軽減し、楽になった事を後日報告いただきました。

この薬は便通を良くするとともに、体内にこもった熱を取り去る生薬が含まれ、比較的早く効果が見られるのが特徴です。たくさんの方にお使いいただいています。

久々のアトピー再発!

アトピーの相談はよくあります。

症状がひどくても短期間で改善するケースと、症状は軽く改善は容易かと思ったものに限って、なかなか改善せず苦労するケースなど様々です。

33歳の女性Kさん、小児アトピー以来、長い間アトピーは治まっていたのですが昨年の夏から再発し、少しずつ悪化するので1月に相談にこられました。

肌は乾燥し、紅い部位が散在し、温まると痒みが強くなり、また目の周囲も赤くなっていました。漢方で<血熱燥風>という状態でしたので<温清飲>と<梔子柏皮湯>を使っていただきました。外用には評判の<漢方クリームS>を併用いただきました。2週間後、痒みは軽減し、1ヵ月後には赤みも改善しました。

その後来られなかったのでどうなったか心配していたのですが、先日再度来店され、前回はすっかり治ったので薬はやめたのですが、3週間前から再び発症してきたとのこと。今回は前と症状が異なり、少しジクジクしていたので、<消風散>を使っていただきました。

皮膚病の場合は特に、症状の程度ではなく、体質を正確に捉えられるかが改善のポイントになることを確認するものでした。

アトピーの軟膏

中国からの輸入漢方薬を取り扱っているので、時々中国の方が来られたり、中国にお住まいの日本人が来られます。そして今日は香港にお住まいの方に<タイツコウ>や<ベルクミン>をお求めいただきました。

当然中国にも軟膏はたくさんあるのですが、ステロイドが入っているものがあり、成分が明らかでないので、日本製のほうが安心なようです。

なお、日本に正規に輸入されている漢方薬はすべて厚生省の医薬品承認を受けたものですので、成分は明らかで心配はいりません。念のため!

女性の冷え症には<補血>が基本

冷え症の漢方薬はいくつかあります。たとえば末端冷え症に<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>、おなかの冷えには<人参湯>などですが、ほとんどの方の冷え症にはやはり補血剤の<婦宝当帰膠>が適します。

42歳の女性Mさん、冷え症で、胃腸が弱い 調子が悪いと手指に湿疹が出たりアトピー症状が出る、肩や首が凝るなどのトラブルがあり、他店で<桂枝茯苓丸>や<六君子湯>などを求められ、続けておられましたが改善せず、相談をお受けしました。

体質を詳しくお聞きした結果、<婦宝当帰膠>と<香砂六君子湯>をお使いいただきましたところ、すぐに温まるのが実感でき、5日後には冷えだけでなく、不眠も改善し、胃腸も楽になったと喜こびの報告メールをいただきました。

女性は生理によって血液が失われますので、まずは<補血>の考え方を基本として改善するケースがたくさんあります。