背筋が寒い!

一般的な冷え症の相談に対しては、<婦宝当帰膠>や<真武湯>などの補血剤や補腎剤をお使いいただいて改善しますが、背筋が寒いとか芯が冷え切っているという方にはこれらの漢方薬では力不足で、充分な改善が望めないケースがあります。

66歳の女性Kさん、肩こりが強く、肩の周囲も痛いと相談にこられました。体質は明らかな<お血体質>で、血流をよくして痛みをとるため<冠元顆粒>と<独活葛根湯>をお使いいただきました。

その後2週間でずいぶん楽になりましたが、今度は背筋が寒く、時々どこかに落ちていくような感触になる、また毎年夏でも背中にホカロンを入れているとのことでした。

これは血流が悪いために生じている症状と思われたので、その後も<冠元顆粒>を継続いただきました。そして1ヶ月後、身体は温まる感じがし、ホカロンが不要になりました。

長い間の症状だけに、1ヶ月でここまで改善するとは思いませんでしたが、ピタリと適合すれば漢方薬も早い効果が出るもので、とても喜んでいただきました。

ゾクゾクする寒気

風邪の初期に熱っぽくなる場合は<葛根湯>など、ゾクゾク寒気がする場合は<麻黄附子細辛湯>、咽が痛む場合は<銀翹散>などをよく用いますが、症状によって使う風邪薬も異なります。

しかし、風邪でなくても身体の芯が冷えてゾクゾクするときはやはり<麻黄附子細辛湯>が良いようです。

42歳の女性Sさん、風邪症状はないが寒気がとれない、人参エキスや漢方薬Fを使ったが改善せず、相談にこられました。やはり<表裏とも陽虚>の状態で、上記の<麻黄附子細辛湯>を3日使っていただいたところゾクゾク感はとれました。そして、これから寒くなるので心配だとのことでしたので、<温補腎陽>の<真武湯>に変更して使っていただきました。

温める漢方薬もたくさんありますが、状況によって細かな対応が必要なケースが多々あります。