中国の冬虫夏草

中国に行ったときはできるだけ街の薬局を巡るように心がけています。

今回も成都で昔からある、成都同人堂とそのとなりにある冬虫夏草専門店、そして向かいにある北京同人堂を見学してきました。いずれの店もたくさんの人が入っていて、生薬調剤や漢方錠剤を求めていました。

これらの店内の大きなスペースを占めているのが<冬虫夏草>です。日本でも良く知られていますが、ここでは上物から安いものまで種類が多く圧倒されました。価格は日本で販売している価格より高いものが多く、日本に比べて平均的に収入や物価が安い国なのに、誰が買うのだろうと思われました。観光客の日本人を対称にしているのか、あるいは富裕層なのか? 

いずれにしても量と種類の豊富さは中国ならではのことでした。

成都案内2

【パンダ繁殖基地】

成都にはパンダの保護・飼育している施設が2箇所あります。ひとつは郊外にある「中国臥竜パンダ保護研究センター」で、もうひとつが今回行った「成都大熊猫繁育研究基地」です。

この基地は国家予算の他に多くの人の寄金、ボランティア活動で支えられており、日本中医薬研究会も、美人パンダの誉れ高い"氷氷"(ひょうひょう)をお母さんとして2003年8月1日に生まれたメスのパンダの里親となり、≪冠元(かんげん)≫ ちゃんと命名されています。この冠元ちゃんは<漢方薬K>の商品名からとったもので、今年3歳になり、体重は80kgを超えていますので、写真を撮るにも抱っこはできません。

ここには58頭のパンダが飼育されているため、施設内は食料の竹がたくさん植えられています。また広い施設内は電気自動車に乗って移動もでき、設備は充実しているようです。

【川劇の変面】

四川の演劇を川劇といい、コミカルなものや、口から火を吹くダイナミックなものなどありますが、中でも不思議なのは顔マスクが瞬間に変わる「変面」です。

この独自の技法は一子相伝で門外不出のもの。面相もすごい迫力があり、何度見ても絶対にわからない不思議なものです。四川に行くなら必ず見たいものです。

成都案内1

休日に成都市内を巡りました。この地は三国志でよく知られた歴史の街で名所も多くあります。

【武候祠】

三国志で名高い「劉備」に仕えた名軍師・諸葛孔明のことを武候といい、ここには「劉備」と「孔明」が共に祀られています。(写真は劉備の像です)

庭内は柏の木が茂っていて、静かで且つ幽玄な雰囲気が漂っています。三国志の好きな方には一度は行きたいところですね。

どこの地にいっても高価な玉石を売っている人がいるものですが、この中でも同様に工芸品や高価なものを売っている日本にお会いました。いろいろな仕事があるものですね。

【杜甫草堂】

西暦759年から4年間、唐代の詩聖・杜甫がここに住んでいたとの事。日本ではまだ奈良時代ですね。

杜甫はここにあった仮小屋で247首の詩をつくったと言われますが建物はなく、明代にこの草堂が再建されて今日に至っています。

庭園内には竹の林があり、ちょうど京都・嵯峨野の竹林に似ていて、閑静な美しさがあります。

その中に博物館があり、日本人の西川さんが館内の案内をしていました。その後はお決まりのコースで、宝物?を紹介し、これを格安で売りますとの話しに繋がっていきました。  ドコデモビジネスの国ですね。

冠元顆粒の故郷をたずねて

四川川大華西薬業股分有限公司(元 華西医科大学製薬所)の工場を訪問し、ここで作られている<冠元顆粒>の製造工程を見てきました。

生薬の選別・洗浄からはじまり、大きなタンクによるエキス抽出、顆粒をつくり、パッケージングするまでの工程を最新の設備と衛生的な環境の下で作られていることをしっかりみてきました。そして、多くの女性が作業に携わり、厳しい検査をしている眼差しに、日常なんとなく取り扱っているこの商品も、1包づつが心を込めて作られたものと知り、ジンとくる想いでしたした。

工場はGMP(医薬品の製造及び品質管理に関する世界基準)に基づいた管理をしていて、信頼できる製品であることも確認できました。

それにしても、工場内の各部門の長がほ

とんど若い女性で占められていることは驚きで、中国の新しい世代がますます力をつけていることと、止まる事のない建設ラッシュも合わせて、益々発展していく強い国を感じさせました。

四川大学・華西医院 にて

今日は四川大学に付属する華西医院にて研修を受けました。

医院といっても実際は大病院で、1日の外来患者数8000人、医師が800人、看護師1600人がいる中国最大の病院です。日本にはこんなに大きな病院はないと思います。

ここでは中西医結合といって、中医学と西洋医学の両面からの治療を行う部門があります。そして、急性膵炎や慢性気管支炎の治療など で画期的な効果をあげているとのこと。

今日のここでの研修は、<麦味参>の臨床応用などで、様々な疾患に使われて成果をあげていることを再認識しました。中国では漢方薬の点滴があるので、極度に体力気力が低下した方に対し<麦味参>の抽出液点滴が使われ、すばらしく回復するようです。

ホルモンに関する研修会

昨日は定例の<社内研修会>で内科の先生を講師にお願いし、性ホルモンに関する勉強を行いました。当店では不妊症に関するご相談が多く、ホルモンの話や質問もあり、タイムリーなテーマの学習でした。

その中のひとつ、最近米国では<DHEA>というホルモンが話題になっています。これは デヒドロエピアンドロステロンといわれ、副腎から分泌されて性ホルモンに変わる男性ホルモンなのです。

これは老化に関係するホルモンで、一般的には意欲を高め、身体を元気にしたり、運動選手では筋肉を増強するなどといわれます。

また、疾患に対しては、コレステロールを下げ、動脈硬化の予防や、糖尿病の改善、骨粗しょう症の予防などにも効果があると言われています。さらに認知症の予防として脳機能を改善するともいわれています。

日本ではまだ治験段階で、医薬品にはなっていませんが、婦人科では不妊治療に患者さんの自費負担で一分使われ始めています。米国ではサプリメントとして販売され、ネットを通じて日本にも入ってきています。

しかし、まだ新しいもので副作用なども不明ですし、とくに人間の根幹をコントロールしているホルモン系を乱すことがないのか、10年以上の単位で結果を検証されることになるでしょう。

新しいサプリメントはいつも危険と隣どおしです。安易に使って取り返しのつかないようなことにならないよう、充分気をつけてください。

ボディ・エンザイムとは

先日のTV番組「あるある大辞典Ⅱ」では、アメリカでブームの<ボディ・エンザイム>を紹介していました。これは、体内で働く酵素を外から摂取したり、体内で作りやすい状態にしたりする健康法です。

そのためには腸内をきれいにし、酵素の働きを良くする必要があるというもの。そして、溜まった便をを出すため、粉寒天やヨーグルト、オリゴ糖を含むハチミツなどをとると良いようです。

腸内の善玉菌は、いつも失われて減っていきますので補充が必要なのです。そこで手軽なのは当店でお勧めしている健康食品<イサゴール>は、<食物繊維・オリゴ糖・ビフィズス菌>が合わさって入っていますので、簡単で便利です。

NHKでも、大腸癌の予防には、食物繊維が必要で、これが腸内の善玉菌を育てる作用があり、且つ便通をよくするとの紹介がありました。

最近は肉食が多く、野菜の摂取、すなわち食物繊維の不足が大腸癌の増加に関連しているといわれています。

インターネットによるご相談

毎日たくさんの相談をお受けしていますが、特にこの夏多かったのが多汗症です。

いずれの疾患でもその体質的な原因はいくつもありますので、相談票で体質を判断し、それに対応する漢方薬を考えますが、多汗症の場合は複合要素が多く、難しい部類に入ります。

たとえば、身体に湿熱がこもっている場合は、熱を冷まし、湿を取り去るという方法で考えられますが、緊張により発汗するという精神的な要素が加わると、過敏な反応を抑制する漢方も必要になります。また、先天的な要素が含まれることもあり、メールでのご相談ではこれらがわかりにくいものです。携帯で写真を送っていただく場合もありますが、やはりできるだけご来店をお勧めしています。

皮膚病も同様で、状態を正確に把握するためには写真か来店をお勧めしていますが、現在<skype>や<messenger>でカメラを使い通信している方もありますので、今後さらにカメラを活用していきたいと思います。

中国の肝炎

肝炎には、経口感染のA・E型と血液感染のB・C・D・G型があります。

中国ではこのうちのA型、E型肝炎が衛生状態の悪い地方で流行することもあるようです。特に春から秋にかけては、食べ物による経口感染のA型が増えます。

日本ではあまり気にしたことがないのですが、中国に滞在していたYさんの話を聞いて、思い出しました。そして、再度仕事で長期間中国に行くかもしれないので、どうしたらよいか相談にこられました。完全な予防は難しいですが、少しでも役立つものとして、田七含有健康食品Kと板藍根含有ハーブティを紹介しました。

田七含有健康食品Kは中国では有名な肝炎の薬<片仔廣>のメーカーが日本向けに作った健康食品です。

また板藍根は中国では清熱解毒の生薬として日常的に使われています。

とにかくYさんが無事に中国で過ごされることを祈っています。

ニンニクで血圧調節?

先日の新聞記事の話ですが、血管を広げる作用がある一酸化窒素(NO)が、血管内で増えるメカニズムが解明されたとの内容が掲載されました。

このNOの作用は、血管の外側にある平滑筋がゆるみ、血管が広がりやすくなることで、血圧の調節作用があるというものです。難しい話はわかりませんが、<冠元顆粒>の作用を説明するときに、NOによって血管が拡張して血圧が下がるのですということと同じです。そして記事では、NOを増やすものとして<ニンニクのにおい成分のアリシン>も同様に作用するとのことです。

このような記事が出ると、一斉にニンニクが売れるということがあり、あるいはニンニクに偏ってしまう方も出るのではと危惧します。食べすぎは胃腸を刺激し、マイナス面があります。報道内容は正しいことなのでしょうが、消費者の捉え方は間違ったものになりがちで、マスコミは「ニンニクを多く食べれば良いということではない」などの注意も書くべきとつくづく思いました。