光がまぶしい!

特に病気でもないのに光がまぶしいと言う方の相談が時々あります。

西洋医学では屈折異常や神経過敏などと考えられるようですが、決め手になる治療法はないようです。

52歳の男性、Fさんは8年前から光をまぶしく感じるときがあり、最近は続けてまぶしいため相談にこられました。詳しくお聞きすると、ストレスを受けやすいタイプで、イライラがあり、寝つきが悪く、中途覚醒し、熟睡できない、明るいと頭痛がするといってサングラスを常時かけておられました。また、『音に対しても過敏で驚きやすいですか?』とお尋ねすると、そのとおりですとのこと。

そこで、過去にも事例のあることで、中医学での<調和胆胃・安神>の<温胆湯>をお使いいただきました。その後1ヶ月余りで光による頭痛がしなくなり、まぶしさも少しだけ改善しました。8年間の症状だけに時間はかかると思いますが、ひとまずは安心していただきました。

不安症や神経症状が強いときは<柴胡加竜骨牡蠣湯>などを使うこともありますが、今回は<温胆湯>だけで改善傾向がみられました。このような原因不明の症状にも漢方が適することを知っていただいて良かったと思います。

目の充血

この時期は花粉症で目が痒く、充血している方が多くみられます。
この場合は、咳や熱っぽい症状を目安に<銀翹散>などをお使いいただきますが、花粉症とは関係なく繰り返し充血する方がみられます。

最近ではパソコンなどで目を酷使するため、中医学で<熱欝血滞>といいい、血流が悪くて目に熱がこもり、充血するというケースも多いです。

56歳の女性Mさん、冷えのぼせが強く、年になんどか結膜下出血をし、目の赤い時がみられました。年齢から考えて<肝胆実火>による強いのぼせで起きるものと考え<竜胆瀉肝湯>などをお使いいただきましたが改善しませんでした。そこで<杞菊地黄丸>や、田七人参含有健康食品にしたところ出血はとまり、その後発症する回数も減ってきました。

目を酷使する時代に活用できる優れた処方のひとつです。

ドライ・アイ

毎日たくさんのお問い合わせをいただきますが、相談の結果お薬をお送りし、早い効果が聞かれたときはとてもうれしくなります。

47歳の女性、ドライアイと翼状片(白目の結膜が黒目の角膜に向けて進入する病気)の相談をお受けしました。

いつものように体質を詳しくお聞きし、<行水解表作用のエキス剤>と、<杞菊地黄丸>をお使いいただきました。その後しばらくして報告をいただき、充血も治まって良好と喜んでいただきました。

ドライアイの場合は、身体に潤いを作る<麦門冬湯>が使われることもありますが、年齢や状態によっては<杞菊地黄丸>がよく効を奏します。詳しく状態をお聞きしたことが、早い改善につながったようです。

飛蚊症の漢方

漢方薬は目のトラブルにもよく使います。中でも多いのが白内障、緑内障ですが、その他に飛蚊症、閃輝暗点症などにも効果があります。

今日お問い合わせのあった方は33歳の男性で、飛蚊症があり、眼科では治らないといわれ、不安になったとのことでした。話をお聞きすると、漢方的な捉え方による原因がはっきりしていて、まだ若い方ですので、改善の見込みは充分ある旨をお伝えしました。

実は、私も飛蚊症があり、パソコンと1日中格闘した時や、疲れが激しいと出てきます。休養して治まる場合はよいのですが、なかなか消えないときは<杞菊地黄丸>を使いますと改善します。

これは中医学で<肝腎両虚>といい、エネルギー低下状態になっていることが原因なのです。飛蚊症の中医学的区分は、これ以外にも<気血両虚=元気不足と血液不足>や<痰濁><湿熱>などがあり、体質判断により漢方薬は変わります。そして、若い方は早く改善し、高齢者ほど時間がかかるように思います。

受験生のための漢方

センター試験が終わり、本格的な受験シーズンに突入しました。

19歳男性Kさん、1浪で今年こそ!とがんばっておられるのですが、昨年夏頃からストレスによる目の疲れや頭痛、不眠などを訴えられていました。症状にあわせていくつか漢方を使ってきましたが、最後の追い込みでますます目が疲れ、目を動かすのも辛いほどになってきました。

そこで、眼の疲れを改善する<枸菊地黄丸>と、お茶として菊花のハーブティを休憩時に飲んでいただくことにしました。

菊花は中国でお茶に使われますが、枸菊地黄丸の成分の<菊花>の働きを補強するものとなります。

1年の努力が報われることを祈っています!

ストレスと目の痛み

目の奥が痛み、しばらくすると頭痛になるという方があります。

漢方で『肝は目に開竅す』といい、何らかの原因で肝血が不足すると目の乾燥を生み、肝の働きに問題があると、目が赤い、目の奥が痛いなどの症状が出ます。主に自律神経失調の方によくみられます。

Yさん75歳女性、50歳のころから不眠やうつ傾向があり、安定剤や抗うつ剤を使われてきました。出てくる症状は様々で、頭重感、皮膚の痙攣、痺れ、脱力感、不安感、動悸などと<目の痛み>、それに伴なう頭痛です。最初のころは西洋薬も効いていたようですが、量が増え、種類が増えるとともに効かなくなってきました。

漢方薬も症状にあわせ、様々変えて使っていただくものの、自然に緩解したのか、薬が効いたのかわからない間に過ぎていきます。

一般的にこのような頭痛には、<清上蠲痛湯>がよく使われますが、この方の場合は<肝に働く漢方薬=疏肝剤>を続けていただいています。いずれもスッキリすることなく、大変難しく苦労する症例です。

ドライアイ

ドライアイの症例ですが・・・

目が乾燥してヒリヒリするという学生さん。真面目な感じで、勉強で目を酷使するのは常でしょうが、他にも目の奥から始まる頭痛があり、肩こりと後頭部の頭痛もおき、疲れやすいとの相談でした。疲れがひどいと、夕方まで身体がもたないとのことでしたが、見た目は健康的なのですが・・・。

そこで、漢方でいう「気虚=エネルギー不足」と「気滞血お=ストレスで血流が悪い」ととらえ 目のトラブルに<杞菊地黄丸> と補陰作用の <麦味参>を服用していただきました。
次の検査で、涙の量が増えて、自覚的にも楽になり、頭痛も改善しました。

乾燥を改善する成分だけでなく、自分の力を引き出すものや、ストレスを緩和するものの総合作用が良かったようです。

目の乾燥感

眼の乾燥のため、まばたきを頻繁にする、ヒリヒリする、涙が出ないなどの相談がよくあります。病的なものはシェーグレン症候群などがありますが、単なるドライアイの方も多いようです。年代は中年女性から若い男性まで幅広く発症します。

漢方ではファーストチョイスに麦門冬湯が使われます。この薬は滋潤剤といって、潤いを増す働きで、対処療法としては良いのですが、その症状を生んでいる根源を改善しないと、根本治療(本治といいます)になりません。

発症の原因は、ストレス、血液不足、血の流れなどがあり、それぞれに異なる漢方薬を用います。
よく、乾燥⇒麦門冬湯として本に紹介されていますが、その原因と体質判断をして根本的に治しておくことが必要です。

明日は症例を書きます。