梅雨時期の漢方 4

空梅雨で毎日暑くて、夏の前にバテそうなこの頃です。

35歳女性Nさん、夏になると夏かぜを引いて寝込んだり、下痢になったり、発熱するなどの日が多いので、今から改善したいと思われて来店。

体重は38kgで見るからに胃弱、食も細く、夏のエネルギー消耗に対して追いつかないのではと思えました。夏バテにはよくアミノ酸製剤や人参製剤を使っていただきますが、この方には香砂六君子湯という、食欲を上げて、補気(元気をつける)方法をオススメしました。

なんとか真夏日までに間に合ってくれることを期待しています。

梅雨時期の漢方 3

このところ足がむくむように感じませんか? 靴下の跡が気になりませんか? まぶたの腫れが気になりませんか?

梅雨時期は外部湿気の増加によって体内の湿が外に出にくくなります。それに加えてクーラーが入り始め、身体は冷やされ、発汗しにくく、さらに血液の流れが悪くなります。しっかり動いて発汗すればいいのですが、勤めの方はままならず。

ひどい場合には漢方薬で身体を温め、血流を良くし、代謝を高め、むくみを取るなどの方法を用います。

梅雨時期の漢方 2

梅雨の時期によくある症状は、むくみ、下痢、胃腸病などいくつかあります。

42歳女性、最近下痢が続くのですが、食べ物が悪いのでしょうか?と相談に来られました。話を聞いてみると嘔吐もなく、食中毒のような症状は無いようで、このところ雨も少なく毎日暑くて家に帰るとクーラーを入れ、冷たいものを飲むことが増えていることがわかりました。

これが下痢の原因で、漢方では【寒湿の下痢】といい、水を控え、冷えに注意してもらい、また「胃苓湯」を使っていただいて2日で改善しました。

気候の変わり目です、冷飲・冷食に気をつけてください。

梅雨時期の漢方 1

今朝の新聞によると、私の住んでいる地域でも食中毒が発生。1件は宅配弁当業者から、もう1件は市役所の食堂からということでした。

この時期の温度と湿度が、菌の繁殖を促進するので多発します。清潔にするなど気をつけることですが、完全な予防は難しいです。漢方では

1、下痢や食欲不振を改善する「参苓白朮散が有名です。

2、お茶はスベリヒユが主成分のハーブティ<五行草>が適します。

人体ですので使用時と不使用時の比較はできませんが、予防的に使えるのは漢方の特徴です。『備えあれば憂いなし』です。

ガンの症例 2

11年前に乳ガンで手術をされたMさん、その後8年目に肺ガンが見つかり再び入院。検査の結果、既に肺に複数の転移があり手術はできず、また年齢は72歳ということもあり、積極的な治療はせずに経過を観察していこうということになりました。

その後当店に息子さんが来られ、少しでも楽になり、普通の生活が送れたらということで相談を受けました。当時は食欲もなく、たくさんのものは飲めないので、量も少なく飲みやすいキノコの健康食品を飲み始められました。しばらくして骨転移やリンパ浮腫などの様々な症状が現れましたが、幸いにも変化は穏やかで、漢方薬を補いながら日常生活は元気に自宅で過ごされていました。

今年に入ってから来られないので心配していたところ、1月末に息子さんが来られて亡くなられたとのこと。お正月を過ぎてから少しだるい、眠いという日があり、1月中旬に入院され、3日後になくなられたとのことでした。

肺ガンで、特に風邪や肺炎には注意が必要と病院から言われていたが、2年間風邪を引くことなく、また辛い思いをすることもなく、最後は静かに眠るようでしたとお話をお聞きしました。激しい痛みで辛い思いをされる方や、麻薬で意識もうろうになる方が多いと聞きますが、Mさんは大往生でした。

2年余りのお付き合いでしたが、感謝の言葉をいただいたとき、少しでもお役に立てたかと思い、この仕事をやっていて良かったと思う時でもありました。

ガンの方の症例 1

昨年2月にはじめて来られたTさん。口中にできた黒色腫(メラノーマ)というガンで、近日中に手術をする必要があり、それまでの間に何かできることがないかと相談に来られました。

少しでも免疫のことを考え健康食品Tを、飲める間は使っていただきました。そして手術後は、口腔の切除のため飲食が不自由になり、飲みやすいものをということでキノコ含有健康食品に変更して続けられました。病院では当然のこと抗癌剤治療が続けられ、白血球の低下がひどくなったため、漢方薬は、牛黄と人参製剤を使っていただき、回復を早めて治療が継続できました。

それから1年余り、口腔は少し不自由な状態ですが話されることもわかり、顔色もよく、元気な姿を拝見することができました。医師も回復が早くて、今のところ再発の心配もないので、近日中に「口腔再建手術」をしようということになりました。一時はうつ病のようになったが、体力の回復とともに元気になり、そして気持ちも前向きになったとのこと。今はいろいろな方への感謝の気持ちを大切にして生きているとお話されていました。

この次の手術も成功し、早く回復されることを祈っています。

特異な症状3

5月のブログに「心の病」を連載していましたが、その後も「うつ病」や「不安症」の方が来られます。これらの方は当然西洋医学の治療をされてはいますが、薬が増えてきて不安になり、少しでも減らせないかと漢方を求めてこられます。しかし、時には漢方薬だけで改善を期待されて来られる方もあります。

  

25歳男性、関東でひとり住まい、親が電話した時うつ病のように思われたので気になり、息子さんが京都に帰ってこられた時に連れて来られました。

  

話していると、ごく普通の真面目な、やや神経質な青年でしたが、話の途中でこれはおかしい!と思うことが出てきました。「人がいないのに人の声が聞こえる」 「夜にだれかが来て話しかける」など・・・。

   

これは精神分裂症(今は統合失調症といいます)の症状で、漢方の範囲ではないと思い、お母さんに説明してすぐ精神科に行ってもらいました。その後の経過はわかりませんが、注意深い観察が必要なことを実感した良い経験でした。

特異な症状2

これも少し前の話で、67歳の男性が相談にこられました。

   

立っている時、突然に足から背を通って上に何かが走り、ゾーっとして立っていられなくなる。しばらくすると治ってしまうが気味悪いということでした。

  

これは漢方の古典「傷寒雑病論」に出てくる「奔豚病」といわれる状態、現代医学でいうと自律神経失調症にふくまれるものと思われました。あちこちの医者に行ったがわからなく、治療できないと言われ、漢方なら方法があるのではとこられました。

   

既成のエキス剤では使える処方が無く、煎じ薬で対応できるのですが、金銭的に合わないので帰られました。今から思えば珍しい症状で自分の勉強にもなり、タダでも使ってもらったほうが良かったかな?などと思い、残念な気持ちです。

特異な症状 1

少し前のことになりますが、特異な症状で相談に来られた方を紹介します。

  

この方は64歳男性、『のどに虫』が住んでいて、こめかみ、後頭部、額など、頭のあちこちに動きまわる、温かい時やビールを飲んだときは特に動きが激しくなるとのことでした。

      

病院の検査では『虫』も『感染症』も見つからず、治療方法なし。ここで漢方を少し知っている方なら、<蟻走感>とか<水滞>とか<梅核気>とかを思い浮かべられるでしょうが、しかしこれらの改善を図っても一向に変化なく、3ヶ月位で諦めてしまわれました。

  

それ以降もこちらは気になる症例でした。いったい何だったのでしょうか??

もっと肥えたい!

ダイエット希望の方が多い季節ですが、逆に体重を増やしたい、もっと肥えたいという悩みの方もおられます。

33歳女性、165cm44kg、以前は52kgの時もあったが、仕事が忙しく食事も不規則な状態が続いている。医師からは胃下垂と診断を受けていて、食べようと思うが少し食べると満腹になる。便の量が少なく、便秘気味。最近は不正出血が月1回あるという、色白で乾燥肌傾向の方でした。

漢方では気血不足+脾気虚といい、この方には補血作用の婦宝当帰膠と香砂六君子湯を使ってもらうことになりました。1ヶ月後の改善が楽しみです。