爪が自然にはがれる?

爪甲の裏側が自然と剥離し、白くなって空洞ができるという症状があります。爪甲剥離症といわれ、化学薬品説やカンジタ菌説などあるようですが、正確な原因は不明とも言われます。

外傷や薬品などの原因が明らかな場合を除き、漢方ではこの原因を主に<肝血虚・営血虚損>などと捉えます。つまり血液が爪の下の細胞まで充分に補われず、乾燥してはがれていくという捉え方です。

65歳のTさんは、鼻炎や後鼻漏で相談に来られましたが、あわせて爪もよく剥離しやすく気になるとのことでした。またストレスを感じやすく、いわゆる<気の流れ>も改善したいとのことでした。

そこで後鼻漏の薬にあわせて、理気活血薬を長期に渡ってお使いいただきましたところ、以前のようにひどい剥離はなくなりました。少し剥離し始めると補血作用の<四物湯>や疎肝理気活血作用の<加味逍遥散>を増やして使い、調子の良いときは鼻炎の薬を使うというようにしています。

陰陽五行説では爪は肝の精気の色沢を現すところとされていて、爪と肝臓とストレスが関連していると考えますが、まさにこのとおりなのです。