突発性難聴とストレス

突発性難聴は西洋医学でも原因が明らかになっていませんが、ウイルス説と内耳循環障害説が言われています。

治療はステロイド剤や血管拡張剤が使われますが、短期間で治癒しない場合は治療方法がないようです。漢方では、血流とともに、ストレスと疲労が大いに関係していると考えます。

フライトアテンダントをされている、Kさん35歳女性。2ヶ月前に左耳が突然難聴になり、回転性めまいが発症しました。すぐに入院されてステロイドと血管拡張剤による治療を受けられましたがほとんど改善せず。その後、針灸治療を受け少し改善しましたが、まだまだの状態です。

漢方では血行をよくする漢方薬やストレス緩和作用のもの、リラックスハーブティなども使います。Kさんの場合は、時間経過も長く難しいように感じています。

受験のストレス

当店の近くに経理・税理専門学校があります。

そこの学生さん、とはいっても18歳から30歳くらいまでの方が、税理士を受験するため勉強に励んでおられます。国家試験は毎年8月上旬にあり、その前の3月頃から当店に来られます。

勉強のストレスで気鬱になる、昼夜逆転し睡眠不足、食欲低下、疲労感がある、そして目の疲れも増え、ドライアイなど様々な症状を言われます。

こんなとき、よく使ってもらうのがエゾウコギ含有健康食品です。気分がホッとすると、女性に人気です。なぜ女性に喜ばれるのかは不明ですが・・・。

私も時に飲むのですが、確かに『ホッとする』ことが実感できます。

ストレスとめまい

ストレスはどこにでもあるものですが、夫婦間の場合は一生持ちになります。

男性は年々細かく、うるさくなり(私もそうですが!)定年退職しようものなら、家の中にいてちょっとした事でも目に付いてしまうのです。そのため奥様は神経が疲れ、外に出ようとされます。

しかし! 外に出るとき「どこに行く?何時に帰ってくる?」など聞かれると、出るのも億劫になるようです。結局ストレスはたまる一方なのです。ご主人がゴルフにでも出てくれればラッキーなのですが、身体がしんどくなるとゴルフの回数が減るというもの。こんな悩みはよく聞かされます。

Mさん73歳女性、ご主人が会社の会長さん。といっても、ほとんど仕事は社長に任せて、本人は自宅におられることが多いため、奥様は出られず。お花の先生をされているので、その指導や展示会の時は出かけられるのですが、家にいる時間の方が長く神経疲れのためかめまい、不眠、動悸など様々な症状が現われます。

そこで精神神経症状を緩和する安神作用の<桂枝加竜骨牡蠣湯>や疎肝薬の<加味逍遥散>を使っていただき、症状は改善しますが、根本治療にはストレスがかからなくすることで、時間がかかりそうです。

ストレスと病

ストレスが原因で発症する病気はたくさんあります。

逆に、病気のほとんどがストレスの影響によるものといっても過言ではありません。現代医学では血液検査はできても、ストレス測定はできません。漢方相談では、症状や経過を聞きながら、その症状が発症したきっかけを探りながらストレス度も推定します。そして原因となったことから、今日までの経過を知ることで、元に戻す道を考えるのです。

ストレスでよく起こる症状を列挙してみますと、

ガン、糖尿病、自律神経失調、狭心症、過敏性大腸、潰瘍性大腸炎、潰瘍、頭痛、眼痛、蕁麻疹、のどのつまり、耳鳴り、めまい、生理トラブル、手の痺れ、などきりがありません。それらの具体的な症状などを次回から書いてみます。

ストレスをなくすることは出来ませんので、発散するか、緩和するかの方法をとってください。

先日のガンの治療の講演では『笑うこと』、例えば笑える番組や落語・漫才などを見ることが簡単にできます。ばかばかしいと思わず、涙を流すほど笑ってみてください。きっとさわやかな気分になります。

そして、自然の中に入ってみてください。涙が出てきそうなほど美しい景色を見ると身体が洗われた様な気分になります。

こんなことが免疫細胞の正常化につながり、ひいては病気の解決につながるのです。

昔から『病は気から』といいますが『気の流れ』は最も大切なことです。

脇の痛み

いろいろな部位の痛みの相談があります。

脇腹の痛みや張りは、漢方で『胸脇苦満』といい、ストレスに影響して起こるものや肝臓に関係したものなどがありますが、いずれも<柴胡>という生薬の含まれる漢方薬を用いるのが基本となっています。

Yさん60歳才女性、半年前から右脇腹が痛み、背中の方まで硬く凝っている、医師で様々な検査を受けたが異常なし、漢方医で漢方薬をもらったが良くならず、鍼灸治療も受けたがそのときだけ楽になり、後は同じ状態になり改善せず、相談に来られました。

タイプは神経質で「気にしい」の方、これは更年期の不定愁訴の様でもあり、<加味逍遥散>をと思いましたが、医師から柴胡剤をもらったが効かなかったということでした。そこで再考し、長期にわたる緊張があるとみて、活血作用の<血腑逐瘀湯を合わせて使っていただきました。

2週間後、ほとんど痛みは消えた!と喜んで来られ、ホッとしました。

古くからの(永い間の)症状は必ずお血(血の滞り)を伴っていると考えたのが奏功したようです。患者さんに良い勉強をさせていただきました。感謝!

前立腺肥大と頻尿

前立腺肥大は50歳以上の男性でよく見られます。

原因は男性ホルモンが関連しているようですが、まだ詳細は明らかでないようです。症状は、尿が出にくい、残尿感がある、頻尿、圧迫感などがあります。

Tさん57才男性、2年前に前立腺肥大の診断をうけました。昼間が頻尿で、残尿感があり、立ち仕事をしておられ影響が出て困る、眼のかすみもあり、疲れやすいとのことでした。

電話相談でしたので、まずは牛車腎気丸を使っていただき様子を見ることにしました。1週間後、おなかがもたれ、便秘気味になるとのクレームがあり、漢方薬の成分の<地黄>がおなかに負担になったようですので、香砂六君子湯を合わせて飲んでいただくよう変更しました。

1ヵ月後、尿の出は良くなり、順調との連絡ありました。それ以来身体も元気になり、トラブルも無く、4年来継続されています。

頻尿の悩み

先日の、頻尿の話の続きですが、

https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2005/10/post-117.html

頻尿のために睡眠不足を訴えられる方は多いです。一時の冷えによるものはすぐに改善しますが、慢性的な冷えの場合は難しいこともあります。

Wさん46才女性、昼間も尿回数は多いほうですが、夜間も3~4回で眠る間がないようでした。経脈を温め、冷えをとるポピュラーな補血・利水の<当帰芍薬散>を使っていただき、最初は良くなったのですが、しばらくするとまた不調になりました。

今度は腎陽虚とみて補腎・利水の<真武湯>を使っていただき改善しましたので、しばらくはこの2種を交互に使っていたのですが、再び不調に・・・。

そこで同じ腎陽虚を改善する漢方薬で<海馬補腎丸>に変更し、現在は順調にいっています。しかし、この冬は再びお薬を変更することになるのではと今から思案しています。

薬の慣れが出てくるのか、なかなか難しい例です。

糖尿病の中医学 3

糖尿病における血糖値のコントロールは重要ですが、特に食後血糖をいかに抑えるかが大事です。

通常3食をとり、さらに夜遅くに食べる方は4食になります。食事をしている時間と消化吸収の時間を合わせると、1食に2時間、4食の人は8時間にわたり血糖が上がる条件があります。要は寝ている時間以外は、血糖により血管が傷められっぱなし状態です。これをインスリンで抑制できない方は、早く血糖を下げる必要があります。

いろいろな健康食品が出ていますが、その中でも、桑の葉とグアバ葉や菌糸体が含まれたうバランスのとれた食品が良いようです。

食品ですので、ここには記載できませんが・・・。

糖尿病の中医学 2

糖尿病の改善は、微小循環の改善(血液をサラサラにして、細い血管までよ~く血が流れるようにすること)が大切なのです。

中医学では細いところを通りよくするものは、細いものと考えます。例えばミミズ! 生薬で<地竜>といいます。梗塞などによって不随や麻痺を起こした方で、早い時期に使うと回復を助けてくれる<補陽還五湯>という漢方薬がありますが、これにも地竜が含まれています。

地竜は昔から子供の解熱剤としてもよく使われってきましたので、ご存知の方もあると思います.

動物や昆虫などを原料とする生薬は、植物系生薬よりも効き目がシャープで、これから見直されるものも出てきそうです。「眼には眼を」という言葉は良い意味には使われませんが、ちょうど同じような表現で言うと

『胆のうのトラブルには胆汁を』

『血管のトラブルには細い地竜のようなものを』

『精力増強には動物の生殖器などを』

利用するという漢方古来の考え方がおもしろいのです。

糖尿病の中医学 1

昨日は東京で糖尿病の中医学的治療に関する専門講座を受けました。ちょうどその前日に糖尿病がテーマのメルマガを発行したところでしたが

その内容が不十分だったかなと思っています。というのは、もっと大変な病気であることをお知らせできていなかったかな?と思ったのです。

糖尿病は血液と血管の病なのですが、よく言われる3大合併症だけでなく、脳と心臓血管に及ぶため死に至る病気ということです。一般的な心筋梗塞や脳梗塞は、血管の部分的に障害が起こり、症状もはっきりと出るのですが、糖尿病の場合はすべての血管が狭くなり、動脈硬化を起こし、梗塞状態になるのです。それも通常の狭心症のように自覚症状が出てくるのでなく、知らない間に進行していくのも糖尿病の特徴です。

人間の血管は、細い血管を合わせると約10万Km=地球2周半もの長さがあり、あちこちで見えない間に問題を起こしているのです。食べすぎとストレス過多の人は悪化も早く、そのような方は改善する意思も弱いケースがほとんど。今からでも遅くありませんので、よーく生活を見直してください。