季節の変わり目の咳

季節の変わり目のトラブルは様々ありますが、そのひとつに喘息や咳があります。

空気が乾燥するためと、陽気が昇って身体にも熱がこもり上衝するために、夜間の咳き込みが生じやすいようです。

20歳の女性Sさん、この2年間、春と秋の季節の変わり目に咳が出て、布団に入ると酷くなり寝られないとの相談でした。

息を吐くのは大丈夫だが、吸い込むのが苦しく咳を伴うとのことです。病院の鎮咳去痰剤を飲むと、朝方に手が痙攣するので使いたくないため、漢方だけで治したいとのこと。
タイプは血虚に腎虚を兼ねる方で、滋陰清熱の<滋陰降火湯>1週間使っていだきました。この薬は身体に潤いを持たせ、のぼせ(上衝)をとり、痰をとり、咳を鎮めるというものです。

結果、1週間ですっかり治ったのですが、その後漢方薬を中止していて再び痰が出てきたので、さらに1週間継続することにしました。咳のトラブルは短期間で改善するものが多いようです。

わけもなくイライラ

特別な原因があるわけでもないのに、イライラが強く、少しのことで喧嘩のようになり、人付き合いがうまく出来ない方があります。

これには程度の差もあり、自覚しておられるか否かの違いもあります。また、性格的なことや、生活環境のことも関連しますので、病気とは言えないものです。

28歳女性、前述のようなことが多く相談にこられました。ご本人は真剣に悩んでおられるので、何らかの対応をしなければと思い、疎肝作用の<加味逍遥散>を使っていただきました。しばらく継続したのですが、あまり改善しないので<エゾウコギ含有健康食品に変えて使っていただいたところ、気分も良く、少しましになった感じといわれていました。

他にも<抑肝散>で改善した例もありますが、病的でないものは難しく、体質で考えるしかありません。まずは試していただくとわかるようです。

バランスの良い食事 2

今日の朝食も外食で<バイキング>でした。

私の前に並んでいた老婦人は、量は少しずつ、たくさんの種類の食べ物をトレーに載せていました。それを見て「昔の食糧不足を経験した方は食事に対し貪欲だなあ」と思ったのです。

そして、私の後に並んだ若者のトレーには、ロールパン山盛りとジュースだけ! 野菜も肉もなしです。

2つの両極端を見て思うことは、食料が豊富でない時代を経験した方はバランスの良い食事をする習慣が出来ているのだと思いました。そして若い人たちの偏った食生活が、生活習慣病の一因になっていることも明らかでした。

食事に関する本はたくさん出ていますし、頭ではわかっているのですが、現実は変えられないということがよくあります。それを避けるためには、子供の頃から、食事はいろいろな食べ物を少しずつ摂るということを習慣付けることが大事なのです。

バランスの良い食事 1

連休の間は外食をする予定が多いのですが、こんなときは過食や偏食になりがちで気をつけなければと思っています。

そして今日の昼食は、田舎のレストラン(食堂?)の<鯉の洗い>でした。店の前の川でとれる鯉を料理するようなので、鯉の泥臭さがなくてとてもおいしかったのですが、それに合わせて出された<鯉こく>は頭や骨がごっそり入っていて、バランスが取れているなと思いました。

メザシや小魚は1匹すべてを食べますが、大きな魚も刺身だけでなく『一物全体を食す』のが良い食事と実感しました。

なお、鯉の効能はたくさんあり
<肝臓を守る> <目に良い> <母乳の出をよくする> <滋養強壮> などが昔から知られています。

おかげさまで今日一日、元気に過ごせました!

漢方薬と胃腸トラブル

漢方薬のトラブルでよくあるのは胃腸障害です。

極度に胃弱な方の場合、お腹がもたれる、便秘になる、軟便になる、発疹が出る、などの症状があります。いずれも薬を中止すれば治ってしまうのですが、中止は出来ないので漢方の胃腸薬を併用していただきます。ほとんどの方はこれで解決します。

20歳代の男性、痔の痛みと痒みで仕事中も気がかりで、困っているとの相談を受けました。

この方の痔には<槐角丸>がピッタリあうと見て、1ヶ月使っていただきました。結果、痛みも痒みも改善し調子が良かったのですが、その後槐角丸を飲むと身体に発疹が出て痒くなるし、やめると発疹は出ないが痔が痛くなるとのことで再度来られました。

これには胃腸の薬を併用すれば解決することは明らかでしたので、香砂六君子湯を試しに短期間お使いいただきました。予想通り、痔の痛みも良くなり、発疹も出ることなく調子良いといわれています。

この他にも地黄を含む漢方薬に同様の症状が出ることがありますが、容易に問題は解決します。まずは相談していただくことが大事なのです。

森林浴の効果

昔から言われていることですが、森林浴が健康に良いという話を『おもいっきりテレビ』で放映していました。

3大効果は「ストレス軽減」「がん予防」「脳の疲れ回復」ということです。ストレスが軽減されると血圧も下がりますし、これによって免疫細胞が活性化し、ガンの予防にもつながるのは当然です。

森林まで行けない方は、公園の緑の中に入るのも良いですし、それも難しい方は窓から緑を眺めるだけでもストレスを発散させる効果があるようです。最近はこれらのことが科学的データをもって証明されているようです。

当店の待合コーナーも庭が見え、常に緑があるようにしています。 五月連休はまだこれからですので、ぜひ緑をいっぱい見て、松の木の香り成分<アルファピネン>を吸い込んで、脳を休め、免疫細胞を活性化し、ガンを予防してください。

私も昨日の比良山に続き、今日は緑の中で山菜取りをしてきま~す。

ミズバショウの花

今日は連休初日です。混雑を避けて? 私は山中に来ています。

ここ滋賀県の比良山系はまだ自然が残されていて、花も渓流釣りも楽しめる私の庭です。今日はミズバショウの花が咲き初めていました。花言葉は「変わらぬ美しさ」で、清楚な美しさを感じさせます。

都会の喧騒を離れて、自然を感じるにはぴったしの植物ですね。

飲食不可能な方に

胃のポリープやガンによって幽門付近が狭くなり、飲食物の通りが悪くなることがあります。ひどいときには流動食や水分しか受け付けないという状態になります。

私も10年前はポリープ体質であったため、ポリープが大きくなるといつまでも胃もたれし、腸に降りていかない感じを受けることがありました。胃カメラを受けると、ポリープが大きくなっているとのこと。原因は飲食にあるのは明らかで、要は飲みすぎ!だったのです。

3年間同じことを繰り返したので、そろそろ気をつけようと思い、消化を助ける健康食品を飲み、酒類を控えるとポリープは出なくなりました。

しかし、ガンの方の場合はそう簡単ではないのです。固形物が食べられないので水分や流動物が中心になりますと、水が胃に溜まった状態になり、少し食べただけで嘔吐するようになります。できれば嘔吐を止めたいとの相談を受け、<五苓散>を使うことにしました。

嘔吐を繰り返す方に、薬を飲めないので、おも湯などと一緒に薬を少量をまぜ、何回にも分けて服用することで、胃中の水がはけて、嘔吐が楽になるという例があります。同様にガンの方でも使えるものと思い、試していただきました。

少しでも飲食ができて、体力回復ができますように!

薬の効能書きと実際

新しい医薬品は厚生省の許可が必要で、漢方でもなかなか許可がとれず、過去の処方などを元にして申請し、取得されるようです。

今回、新しい、そしてすばらしい処方の製品が出ましたので紹介します。

構成生薬は

紅参=オタネニンジンを湯通ししたもので、効能は補気、滋陰

鹿茸=マンシュウ鹿の幼角で、補腎、補陽、強筋骨作用

菟糸子=ネナシカズラの種で、補腎、固精、強壮、明目作用

枸杞子=クコの実で、補腎、明目作用

というものです。

この薬の効能書きには<滋養強壮、虚弱体質、病中病後、肉体疲労、冷え症>などとなっています。多くの補腎効果の漢方薬は、同様の効能書きが書かれていて、何でも滋養強壮剤と思われがちですが、実はそれぞれの働きがあり、使い分けが必要です。

例えば、この<活命散>の場合は、生薬の働きから見ると、

補腎・・精力剤に使える

固精・・夜間頻尿や夜尿症など、漏れるのを防ぐ効果にも

明目・・目のトラブルに使う

補腎陽・・・体を芯から温めるので冷え症にも 

などと、生薬から用途がわかります。滋養強壮剤も正しく使うと効果は抜群です!。

続・子供の花粉症

花粉症の子供が年々増えているように思われます。

子供の場合は西洋薬は使いたくないし、かといって目の痒みやイライラのままではかわいそうだし・・・ということで漢方を求めてこられます。漢方薬は量を調整することで幼児でも安心して使えますので、喜んでもらっています。

5歳のTくん、今年から花粉症になり、鼻がつまり、目が痒く、顔もかゆくなり、イライラとしている様子でした。一般的に子供は漢方をいやがるように言われますが、Tくんは粉薬も錠剤も平気で、衛気を高める漢方薬と、鼻や咽の炎症を軽減する漢方薬を使ってみました。1週間後こられて、楽になっている様子で、そのまま継続していただきました。

花粉症も今年はそう酷くなく、終えそうですが、来年に向けて発症しないよう生活に気をつける必要があります。一番大事なのは《冷たいものをたくさん飲むこと》をやめさせることですよ、お母さん!