手足の冷え

朝夕涼しくなり、そろそろ冷え症の相談が増える季節になりました。

冷えの原因も様々で、一般的に多いのは血液不足や、血流不良、水分過多によるものなどですが、時々<気滞>による手足の冷えの相談があります。これは、ストレスによって、血流が悪化し、陽気が四肢にまで及ばないものです。

以前の話ですが、40歳のTさん、冷え症でいろいろな漢方薬を試したが、どれも効かないため相談にこられ、補血作用の<婦宝当帰膠>やストレスの影響を軽減する疎肝作用の<逍遥丸>を使っていただきましたところ、いちばん良かったとのことことでした。

同様の相談でこられた67歳のHさん、手足が冷たく、ジンジンして痺れるとのこと。夏でも同様で、ホカロンを張っているとのことでした。これは単なる冷えではなく、ストレスによるものと思い確認したところ、家庭での心配事があるとのこと。そこで前述のTさんと同じ漢方薬を使っていただきました。

冷えも状態を詳しくお聞きし、対応するように心がけています。

若い女性に人気の漢方

漢方は最近若い女性に人気になっています。

雑誌や週刊誌に特集記事がよく掲載されることで、身近なものになってきているようです。また製剤も、昔の、苦くて臭くてまずい>という3拍子が、<甘くて香りよくておいしい>というものもあり、飲みやすくなってきています。

今日来られた女子高生、ネットをみて、お母さんに行っておいでと勧められたようで、友達と共にに来られました。

朝起きのむくみがひどくなってきたとの相談でしたが、水分摂取などを聞いても問題が無いようなので、生理不順を改善することで良くなると考え、<婦宝当帰膠>を使うことにしました。

そしてこの機会に漢方に親しんでいただこうと<中医学読本>を差し上げ、舌の状態などを見ながら自己の体質を判断をしていただきました。お母さんも健康トラブルがあるとか・・・、お嬢さんがきっと説明しておられることと思います。

クーラー冷えの始まりです

京都ではゴールデンウィークを境に、急に暑くなってきました。

電車では早やクーラーが入っていて、乗ったときは気持ち良いのですが降りる頃には足が冷えています。暑がりの私ですら冷えるというのですから、冷え性の女性は辛いことと思います。事務所でもクーラーが入り始め、今日来られた女性はひざ掛けを使っていると話しておられました。

冷え症にはこの冬も多くの方に<婦宝当帰膠>をはじめ漢方薬を使っていただき喜んでいただきましたが、液体であるため持ち歩きができません。そこで夏のクーラー冷えにたいしては温中散寒作用の<人参湯>を使っていただいています。錠剤タイプで分包されているため、持ち歩きには最適です。

構成生薬の人参は補気剤で、身体に力をつけ、乾姜は温める力が優れます。
夏の必携品は<日焼け止め>と<クーラー冷え予防薬>を準備しておいて下さい。

冷え症がすっかり改善

この冬も冷え症の相談はたくさんありましたが、若い女性の場合には貧血やめまいを伴うケースが多く、補血作用の<婦宝当帰膠>をよく使います。しかし冷えの漢方薬はたくさんあり、それがピッタリ合うと大変喜ばれます。

34歳主婦Kさん、冷えが強く、指先が青くなり、冷えのぼせもありました。お腹も冷え、腹巻をすることも。便秘もあり、冷えの代表のような症状でした。

そこで<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>と<桂枝茯苓丸>を1ヶ月使っていただき、先日再来店されました・・・

結果、冷えはすっかり無くなり、身体も楽になり、便秘も改善して喜んでいただきました。あとは調子を見つつ、薬の量を減量して継続すことになりました。また、のぼせも<桂枝茯苓丸>によって血流がよくなり、熱のバランスがとれて解消しました。

Kさんのように、末端の冷えには<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>がよく効きますし、お腹が温まれば腸の動きも良くなり、便秘も解消するのは見えていました。この薬に限らず、体質や症状により処方の選択肢がたくさんあるのが漢方の特徴でもあります。自己判断せずに、かならずご相談ください。

男性の冷え症

冷え症は女性だけの悩みのように思われがちですが、実は男性にもあります。

漢方では陽虚といい、先天的な冷え体質で、持続力がなく、疲れやすいタイプの方の場合や、仕事で常時冷えるために体質的な冷えになる方などがあります。この場合使う漢方薬もたくさんありますが、代表的なものは補腎・補陽作用の<海馬補腎丸>や、冷え症に使う<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>などですが、やはり体質によって使い分けます。

32歳男性Oさん、暖房がききにくい場所で専門的な仕事をされているため、手足など末端が冷えるとともに、冬になるとしもやけができ、蕁麻疹が出やすくなると相談にこられました。これは寒冷蕁麻疹といわれるもので、温めることで改善すると思われました。

最初は<十全大補湯>をお使いいただきましたがあまり改善せず、12月からは<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>をお使いいただきました。その結果、昨年末からの厳しい冷え込みにもかかわらず、蕁麻疹は発症せず、例年できるしもやけもなく、手足の冷えはましになったと報告いただきました。1月も同じ薬を続けていただいています。

この薬は女性の末端冷え症によく使ってきましたが、体質が合えば女性も男性も関係ないのは当然のことです。

冷え症は万病のもと

今朝のNHK生活ホットモーニングの番組で<冷え症の漢方>が放送されていました。日本漢方で冷え症に使う代表的な漢方薬6種類を紹介し、使う人の体質によって異なるというものでした。

その中でも少し説明されていましたが、冷えは万病のもとで、冷えが他の症状を生むのです。例えば、頭痛、肩こり、下痢、ホルモン失調、さらには鬱証などがあります。そして、様々なトラブルの解決に、身体を温める処方を使うケースが多々あります。

寒くなって冷え症の相談の方が増えていますが、冷えの原因が、共通して生活の中にあると感じることが多いのです。例えば、冷たい飲み物、冷たい食べ物、この時期に美味しい果物の過食、冬でもアイスクリーム、ミニスカート、ストッキングなし、などの悪い条件と、運動不足です。漢方薬を使っていただくときは、これらの生活上の注意を必ず話しています。

冷え症に使う漢方薬は、医院で使われるものは保険適用されますが、薬局で取り扱う漢方薬は、体質に合わせて<さらに多くの種類>があることを申し添えます。

手先の冷え症

今日は寒いです、底冷えがします。

と思っていたら、早速に冷え症の相談にこられました。元々冷えがあったのですが、このところの寒さに耐えられないようです。特に上半身や手先の冷えが強く痺れるほどとのことです。

今まで冷えに対する漢方薬は他店も含め10種類以上使われてきましたがあまり効果が実感できなかったようです。

そこで今回は補血作用の<婦宝当帰膠>をベースにし、<四逆散>をつかうことにしました。

四逆散は胃炎や胃痛によく使われますが、漢方の古典では『四肢逆冷』に用いるとあります。これは、肝気が鬱して(気のめぐりが悪くなって)陽気を四肢に送れない(暖かい血液が四肢に届かない)ために起こるというものです。この時、四逆散によって気の流れを良くし陽気を流すという方法です。

今年春に一度使って喜んでいただいたことがありましたので、きっと改善するものと思います。

冷えと鼻水

朝夕寒くなり、冷え症の相談がふえてきました。

25歳のSさん、この2年間、朝方になるとくしゃみや鼻水が続けて出る、特に風邪を引いてるわけでもなく、原因がわからないと相談に来られました。

原因は慢性的、長期にわたる冷えしかありません。来られたときは昨年の秋でしたので、冬の冷える間は治りにくいなあと思ってはいましたが、予想通り完治することはありませんでした。

春になって温かくなり、さらに根気良く続けられてきた甲斐もあってかなり改善し、1日3回の漢方薬服用を1回にしても夏はほとんど症状無く順調にすぎました。事務職なので、クーラー冷えが気になったのですが、服装を出来るだけ温かめにし、食べ物や飲み物で冷やさないことなど注意していただきました。おかげで昨年の夏と比べると雲泥の差ということです。

まもなく1年を迎えようとしていますが、<体質が変わる>と言うことは時間をかけて変わるものだということを認識させていただきました。

クーラー冷え

連日の暑さで事務所内はクーラーがガンガンきいているところが多いですね。先日、新幹線に乗ったら異常なほど冷えました。

元々冷え症の方は中から温める方法をとりますが、『冷えよりクーラーの風がいや!』という方があります。

58歳女性、クーラーの風が当たるとゾクッとするが、それが背中や首周りに当たると風邪症状になり、鼻水が出てくるという相談でした。

漢方では表虚といい、皮膚の防衛力が弱く、『邪気』が皮膚から入りやすいのです。昔から有名な処方<玉屏風散>というのがあり、風に対して屏風を立てるという働きです。さらに皮膚の働きを強め、免疫を高める働きで効果を発揮します