心房細動と漢方

63歳の女性Aさんは、子供の頃から不整脈があり、年齢とともに症状が悪化して心房頻拍を起こすことが多くなってきました。

そこで病院でカテーテル治療を受けようとしたのですが、頻拍が起きている部位が手術出来ない部位で、またアレルギーのために薬も使えない状態でした。そのため、心房細動が起きそうなときに頓服として血管拡張剤をもらっておられましたが、睡眠不足やストレスで発症するため漢方相談に来られました。

そこで蟾酥や鹿茸が含まれる<律鼓心>をお使いいただきました。その後、期外収縮は時々起こるのですが、それが強い動悸にはならなくなり、安心できるようになったと報告いただきました。このような症状には他にも<牛龍黄>など蟾酥が含まれるものを使って良くなるケースもあります。

まずは安心感を得ていただくことが必要かと思います。

不整脈が改善

66歳のTさん、20年前から時々脈が飛び、最近その頻度が増してきたので病院で検査を受けられたところ期外収縮との診断で服薬しておられました。しかし改善の傾向がないため漢方を求めてこられました。

Tさんは血圧100/60程度で脈拍は50回程度。自分でも脈が飛んでいるのがわかると言われていました。そこで体質に合わせて<炙甘草湯>と、牛黄製剤の<牛龍黄>をお使いいただきました。

そして40日後、病院で再検査を受けられた結果、不整脈もなく、心電図も正常、医師も全く問題ないとの判断をされたとのことでした。こんなに早く効くとは! と驚き、喜んでいただきました。また、最近は脈拍も70近くに上がってきて、血圧も安定しているとのことです。

牛黄製剤は、比較的即効性があり、よく使う漢方薬のひとつです。

煎じ薬がおすすめのケース

またまた心臓病の話ですが、心臓やその周辺に浮腫が生じる疾患があります。

例えば、うっ血性心不全、胸水、肺水腫など様々で、これに対して西洋薬ではラシックスなどの利尿剤などが使われますが、口渇を生じたりする割りに効果が低いことが多々あります。

57歳の男性Kさん、心臓カテーテルの検査で、バルーン治療を行った際に治療ミスで血管が破れ、それが原因で心膜炎を発症しました。そして心臓の周りに水がたまり、心臓の位置が動くたびに強い痛みを生じました。

そこで、早くこの水を引かせることが必要と考え、防已や茯苓が含まれる煎じ薬を飲んでいただきました。病院からは消炎鎮痛剤を勧められましたが、胃腸に負担がかかるので使わず、漢方だけでやってみることにしました。

2日分をつくりましたが、1日を過ぎたところで痛みはほとんど消え、2日目に再検査に行ったところほとんど改善してもう心配ないとの事でした。

漢方薬も証と症状に合っているときは効果が早いようです。

4年ぶりのご来店

忘れた頃に来店される方は多いのですが、今日は4年ぶりの方にお越しいただきました。

不思議なもので、お顔は覚えているのですが、当然ながら名前は記憶にありませんでした。

前回は疲れが酷いので牛黄を使いたいと思い、通りすがりに来店され、牛黄の話や血流の話をしたようです。今回はその時の丁寧な説明がよかったと思い出し、相談するならやっぱりこの店と思い、遠くから来たとのことでした。

この方は84歳女性のKさんで、今年の2月に狭心症の疑いで入院されたのち西洋薬を服用しておられたのですが、胃腸に負担になり止めたとのこと。そして漢方薬で適するものがないかと相談に来られました。

血流をよくする漢方薬はいろいろありますが、血圧も少し高めで、肩こりもあり、<冠元顆粒>を使っていただきました。一緒にお越しいただいた娘さんも同様の体質でしたので、予防のために<冠元顆粒>を使われることになりました。

人との出会いを一生に一度と心得て、誠意を尽くせという茶道の考え方<一期一会>をふと思い出しました。