作者別: kanpou_admin
白衣高血圧
高血圧の原因はたくさんあります。
その中で白衣の人が測定すると緊張によって一時的に自律神経が影響を受け、血圧が上がるということがよくあります。しかし、白衣に限らず、自動血圧計によって計った場合でも、血圧が高いのでは・・と思うと高くなることがあります。
63歳の男性Mさん、もう4年来高血圧の予防などで漢方を続けてこられたのですが、今年になって少し高くなってきました。
そこで従来の処方を変更し<黄連解毒湯>や<三黄瀉心湯>などをお使いいただきましたが、下がる傾向があるものの変動が大きいので、日常的にどうなっているか知るため、自宅で2週間血圧測定をしていただきました。その結果最高血圧は150以下で、夕方は130程度とわかり、ご本人も安心されました。
その後来店され測定してみると、最高血圧130台で正常値でした。結局、『測定時に高く出るのでは・・・』という心配が血圧を上げているようでした。
心因性の高血圧はわかりにくいものです。
寝つかれない!
不眠の話は何度か書いていますが寝付きにくいというのはなかなか改善しないものです。
しかし、その方の体質を正確に捉えれば、うまくいくケースもあります。
64歳の女性Hさん、かなり昔から寝付かれないので、いつも睡眠導入剤を飲んでおられました。しかし、Hさんの他の疾患が漢方薬でよくなったので、こんどは不眠の漢方を欲しいと言って来られました。
寝つきが悪く、目覚めることも多く、夢をよく見る、気分が高ぶりやすい性質で、舌は白苔の水分過多状態でした。そこで清熱除煩安神作用の<温胆湯>をお使いいただきました。この薬は、水分を多く摂ったり、ビールをよく飲んで、夢をよく見る方の不眠にはよく使うものです。
1週間経過後、西洋薬を使わなくても、少し眠くなるように変わってきたと言われ、喜んでいただきました。しばらく継続されると体質も改善され、症状も良くなるものと思われます。
中国産の生薬について
中国製原料の咳止シロップによって、パナマで死亡事故がおきたというニュースは大変驚きでした。また以前から中国産の野菜の残留農薬問題が言われ、中国に対するイメージがダウンしているのは事実です。
そのため、漢方生薬は大丈夫かとの問い合わせも受けますが、当店の取り扱う生薬メーカー(ウチダ和漢薬)では、入荷ロットごとに残留農薬をはじめ、様々な検査をしているとのことでしたので、詳細を入手し確認、安心して使っています。
お客様によっては中国産生薬と聞くだけで拒否される方もあります。そこで調べてみると、なんと! 日本で使われる漢方薬原料(生薬)の80%が中国産で、15%が日本産、残り5%がその他の国とのことです。
漢方業界は中国に大きく依存しているわけで、中国も信頼を回復するべく努力してほしいものと思います。
喘息が改善しました
喘息でお悩みの方はたくさんおられます。特に夜間に発作を起こし、病院に走られる場合は大変ですね。
遠方からお問い合わせをいただきました26歳のKさん、子供の時から喘息で良いとき悪いときを繰り返しておられました。最近は季節の変わり目に悪化し、そのたびテオドールなどの気管支拡張剤をつかっておられましたが、その副作用でドキドキするため使いたくないと思い漢方薬を探しておられました。
身体は冷え、乾燥咳の傾向で、夜間の発作が頻繁に生じるとのこと。そこでゴウカイや冬虫夏草の含まれて、虚労に使う<双料参茸丸>と<麦門冬湯>をお使いいただきました。
そして3日間使われた後お電話をいただき、驚くほど効いて発作も収まり、吸入を減らしても大丈夫な状態まで改善、さらに息が吸いにくかったのが楽になったと喜びの報告をいただきました。
体質により喘息の漢方薬も異なりますが、短期間で効果を発揮する<双料参茸丸>に感謝しました。