男性の冷え症

冷え症は女性だけの悩みのように思われがちですが、実は男性にもあります。

漢方では陽虚といい、先天的な冷え体質で、持続力がなく、疲れやすいタイプの方の場合や、仕事で常時冷えるために体質的な冷えになる方などがあります。この場合使う漢方薬もたくさんありますが、代表的なものは補腎・補陽作用の<海馬補腎丸>や、冷え症に使う<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>などですが、やはり体質によって使い分けます。

32歳男性Oさん、暖房がききにくい場所で専門的な仕事をされているため、手足など末端が冷えるとともに、冬になるとしもやけができ、蕁麻疹が出やすくなると相談にこられました。これは寒冷蕁麻疹といわれるもので、温めることで改善すると思われました。

最初は<十全大補湯>をお使いいただきましたがあまり改善せず、12月からは<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>をお使いいただきました。その結果、昨年末からの厳しい冷え込みにもかかわらず、蕁麻疹は発症せず、例年できるしもやけもなく、手足の冷えはましになったと報告いただきました。1月も同じ薬を続けていただいています。

この薬は女性の末端冷え症によく使ってきましたが、体質が合えば女性も男性も関係ないのは当然のことです。